情報公開

本田整形外科クリニック、本田忠ver2000/11/18


1)医療機関のサービス向上。質の向上、透明性をまして、批判に耐ええるようにする必要がある。

2)医療制度、特に診療点数制度の理解を図り、単純な誤解による無用なトラブルを避けたい。

3)ホームページの機能を良く理解して、積極的な宣伝をする必要がある。


○明細書の問題 朝日新聞asahi.comより。

医療費明細書を医療機関窓口で求める運動が労組主導で広がっている。 厚生省は都道府県知事に通知を出し、明細書の発行を医療機関に指導するよう 求めている。

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連合が領収証発行で800万枚のカード  連合は1日、医療機関からの医療費領収証の発行促進のため、この秋に800 万枚のカードを組合員に配布すると発表した。  カードはキャッシュカードの大きさで、「領収証を発行して下さい」というメ ッセージが印刷されることになるという。連合では、以前から領収証発行運動を 展開しているが、医療機関窓口で躊躇する患者が多いことから、保険証と一緒に カードを提示することで、その意思を伝えやすくすることを狙ったもの。(39 80号掲載)     [日本医事新報]

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医療費明細書「ください」――労組主導の運動広がる

 不正請求の点検狙う

 病院や診療所などの窓口で、医療費の具体的な内容がわかる明細書を求める運 動が広がっている。今年に入って、労働組合が相次いで「領収書をください」と 印刷したカードを組合員に配ったのに続き、約750万人を抱える連合も、今秋 までに同様のカード800万枚を刷って加勢する。実際の治療内容と明細書をつ き合わせることで、架空請求や水増し請求などを点検しようという試みだ。企業 の健保組合の財政がひっぱくするなか、労組としても不正請求を放置しておけな いという危機感が背景にある。  スーパーのレシートなどと違い、医療機関が患者に渡す領収書は、治療や投薬 の内訳、単価などが書かれていないことが多い。これが患者の医療に対する無関 心を助長し、医療費の不正請求の温床にもなっている、と指摘されている。  厚生省は1981年、都道府県知事に通知を出し、明細書の発行を医療機関に 指導するよう求めた。しかし、明細書の発行は徹底されず、今年3月に改めて 「発行に努めること」との通知を出した。  今年、自動車総連とゼンセン同盟が相次いで明細書の請求運動を始めた。「個 人でやるには勇気がいる」との声にこたえてカードを組合員に配布した。  定期券とほぼ同じ大きさで「領収書をください」と太字で書かれている。医療 機関に発行してほしい「請求書兼明細書」の見本を提示。「初診料」「投薬料」 「注射料」などの内訳や「保険点数合計」「患者側の負担率」を書く欄がある。  両労組の事務局には、組合員から「明細書を出す出さないで医者と言い争いに なった」といった体験談が寄せられている。医療機関からは「なぜ明細が必要な のか」という反発と同時に、「これをきっかけに明細書を発行したい」という賛 同の声も届いている。  運動に加わる連合は「買い物したら、ふつう品物やサービスの内容が書かれた 明細書が当たり前。自分が受けた医療と明細書とを突き合わせることで、架空の 診療をかなり点検できるはずだ」と説明する。  公立病院や民間の大病院などでは、コンピューターを導入して、明細書を発行 しているところが増えてはいる。しかし、合計だけの領収書を患者に渡している 首都圏の開業医は「システムは導入に多額の費用がかかる。詳しい明細書を求め られたら、手書きで作ることになるだろう。数が増えたら大変」と話していた。

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○医師法の無診察診療の問題

これはなかなか難しい問題を含んでおります。 1)医師が留守にすること  医師会が地域医療に従事していることは御存知のごとくと思われます。種々の 健診事業にかり出されています。予防注射、学校医、最近は日中行われる介護審 査会、種々の会議、そのたびに医院を閉めていくことになります。こういう事業 は当然ボランティア的な性格が強く、時間も1-2時間であり、手伝いをいちいち頼 むわけにもいきません。これでは経営は成り立ちません。これは特に地域医療に 熱心な先生ほど大変なことです。医師会での理事の会議の多さも大変ですね。医 師会の会議などは今後はメーリングリスト等を多用して、バーチャル会議として、 合理化は出来ますが、健診事業はそうはいきません。複数の先生がいる医院しか 対処できなくなる。地域医療にはこのままでは協力しきれない。 2)無診察投薬  患者さんが忙しくて、どうしてもこれない。妻を受診させるからどうにかし て薬を出してくれとは良くある依頼です。制度の運用と厳密さで対処に苦労し ます。日常的に良くある事例です。 3)無診察リハ  理学療法をするのに、毎回診察が必要。昨年は、名古屋での検査の際の再診料 の問題がありました。これは検査のみで再診料をとることはけしからんというも のです  リハの再診料請求につき,「無診察リハが多い」とし,問題視されている状況 を話し,診察室を通らないでリハ室に直行することはリハの治療特性から不思議 でないとの認識を示しながら,無診察診療に該当する可能性に懸念したというこ とがありました.ことの発端は,名古屋の病院で,検査だけのために受診したら, 再診料を請求され,これが患者の抗議を受け,「無診察診療」として挙げられた ことだったと記憶しています.その後,「無診察」を避けるためには,患者が医 師の前を通ればよいとか,握手をすれば良いとか,ナンセンスなことを指導医療 官も発言していました.

 現代医事法学の第1版 平成5年  金原出版 金川啄雄 著 42ページ.

1)「医師が治療前に診察し,これによって将来の病状を判断し一定期間連続して 数次にわたって一定の薬剤を授与し治療する計画を定めた場合は,前回の診察に基 づいて治療しても,診察しないで治療をしたものであるということはできない.」 :(大審大3.3.26).これは大正の大審院での判例?

2)「先に治療を施した当時に診察した医師が,その診察によって将来の病状を判 断することができる場合には,後に治療をする際に特に診察しなくとも,旧医師法 5条の違反にはならない」:(熊本地判大5.4.6).これも大正? 3)「従前の診察の結果,患者の要望,看護婦の報告などに基づいて治療したとし ても無診察治療の禁止に当たらない」(大阪高判昭59.8.16判夕540号272ページ)

 薬剤の長期投薬も,事実上,状態が安定していれば,「無診察投薬」を一定期間 認めているとも考えられます.リハも同様と主張してよいのではないでしょうか? これからすれば,安定した状態にある患者さんに,直接会わなくても,状態を伝 聞すれば,くすりのみ,として投薬はできそうですし,リハも毎日毎日状態が急 変しなければ,毎回顔を直接見なくてもよいと思います. また受付事務や外来看護婦の人件費は再診料に込み込みだそうですから,施設利 用料,外来看護料などが出来高で分けられない限り,たとえ採血だけで受診した としても,再診料をとっても良いのではと考えてしまいます.  もとより無診察診療や、投薬が常態化すればそれは、患者さんにとって重大な危 険が及ぶこともあり、望ましいことではありません。医師法の精神を尊重し、厳に慎 むべきことであることにかわりはありませんが、上記の判例はまことに常識的な判 断と思われます。 無診察診療の投稿に関し、別なメーリングリストで松本先生より以下の転載許 可いただきました。

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 この問題に付随することですが 患者さんに診療明細を含む領収書を発行されている医療機関に おかれましては、「初診料」、「再診料」と略記せず 「基本診療料(初診)」、「基本診療料(再診)」と記載することで 無用なトラブルが防げると思いますので、御一考ください。

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貴重な資料をありがとうございます。 私は内科医ですが、診察なしのリハが無診療治療にあたるとの見解は 間違っていると以前より考えており、 昨年の兵庫県医師会発行の「保険ニュース」に「会員の声」として 以下の文書を掲載していただきました。 〜以下掲載文書〜 「再診料」を考える松本 卓平成10年5月、「三田市民病院リハビリで再診料」と 大手新聞社が「再診料」の不適正徴収を大々的に報じた。報道内容によるとこと の顛末は「医師の診察を受けずにリハビリに来ていた患者から、受け取ってはい けない基本診療料(再診料)を徴収していた」として県が同病院に「不適切な徴 収」として、1年間さかのっぼって返還するように求め、病院側も返還に応じたと いう内容であった。この事件の伏線として阪大病院の検査時の再診料返還問題が あったことは記憶に新しい。だが、ちょっと待ってほしい、我々が保険診療のテ キストブックとする社会保険研究所(厚生省保険局医療課の監修であり医師会も これに名前を入れてテキストとして会員に配布している)の「医科点数表の解釈」 p23〜p24をぜひ読んでいただきたい。「基本診療料は医療という一連のサー ビスを初診、再診及び入院診療の三つの基本的関連に分けて考え、特に規定する 場合を除いて原則として必ず算定できる」旨明確に記載されている。また特掲診 療料との関連について述べている項でも、「基本診療料として一括して支払うこ とが適当でない特殊な診療行為の費用は……それぞれ特掲診療料を基本診療料の ほかに算定できるものである。従って、1人の患者に対する診療報酬は、基本診療 料と特掲診療料を合算した額となる。」と説明されている。すなわち特掲診療料 として別掲されている診療行為は基本診療料が併算されるがゆえに基本診療料分 を減じた診療報酬設定がなされているに過ぎず、診察行為がなかったからといっ て基本診療料が算定できぬと論じるのは間違った解釈と断じざるを得ない。そも そも「基本診療料」が「診察料」であるとの記載は見当たらず、「診察料・簡単 な検査料等を包括して基本診療料と捉えている」すなわち「基本診療料(再診)」 を「再診料」と略記したところから、これを「医師の再診察料」と曲解した不幸 な誤解がことの原点であると言えそうである。リハビリという診療行為は医師が 一定期間方針を定め、これを理学療法士等に指示して行う医療行為であり、毎回 医師が診察をしなければならないと解することがそもそも医学的矛盾であり、リ ハビリという診療行為は当然、基本診療料+特掲診療料を合算して診療報酬請求 することが正しい。以上は小生の私見であるが、県当局は違った見解をとってお り一部の医療機関に「診察なきリハビリは特掲診療料のみを請求する様」指導し ている。一方伝え聞くところ、基金は「県よりの正式な通達がない。特掲診療だ けの診療報酬請求は特に規定されている場合を除いて成り立たない」との見解を 示しているとのことで現場の医療は昏迷をますばかりである。県当局にはぜひテ キストブックの再確認をお願いしたい。ところで小生の診療所に通院中の「熊さ ん」の話では、彼が通院している医療機関では診察券を入れてすぐリハビリ室へ 直行、「先生の顔は3ヵ月ほど見てないな」とのこと、これもまた困った話である。 〜ここまで〜 注意していただきたいのは、みなさんが「再診料」と呼んでいるのは保険点数の 解釈では「基本診療料」(再診)であることで、決して「再診察料」ではありま せん。 また診察なきリハが医師法違反という論旨を展開するならば「在宅リハビリ」と いうような医療行為は、そもそも成り立ちません。

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◆医療保険制度改正関連法案の骨子

■70歳以上の患者負担 (1)老人の薬剤費の一部負担を廃止(2)定額負担から上限付き定率1割負担 へ(外来1日530円→定率1割、上限は大病院で月5000円、中小病院・診 療所は3000円/入院1日1200円→定率1割、上限は月3万7200円、 低所得者は低く)

■高額療養費の患者負担

 (1)月収56万円以上の「上位所得者」区分を新設  (2)上位所得者の上限は現行月額6万3600円→12万1800円に、     それを超えた額の1%も負担    /一般の上限は現行6万3600円のままながら、それを超えた額の1%     も負担    /低所得者の上限は3万5400円のまま

■医療保険料率の上限  40歳から64歳までの介護保険料率を、医療保険の保険料率の上限から切り 離す

■育児休業中の医療保険料  本人負担分に加え事業主負担分も免除

■看護基準と病室の広さ

 (1)一般病床は、入院患者4人に対し看護婦1人の現行基準を患者3人に看 護婦1人に  (2)病室は患者1人当たり4.3平方メートルを6.4平方メートルに拡大 (新設の場合)

■医療機関の広告規制  カルテ開示状況や第三者機関の評価結果、医師の略歴などの広告を認める

■医療従事者の臨床研修

 (1)医師と歯科医師の臨床研修必修化  (2)病院・診療所の管理者は研修終了者に限定