情報公開

本田整形外科クリニック 本田忠


1)ニーズに合わせて院内情報や医師会情報は積極的に公開する。

正しい医学への考え方を啓蒙する。

2)守秘義務は守る

3)かかりつけ医の宣伝。望ましい受診行動を宣伝する。

根拠のない名医願望を排する。地域医療の大切さを訴える。


○医療施設の情報公開で、患者さんの知りたい情報は

名称、診療科、診療時間などの基本的な情報以外では
駐車場、地図、交通手段
救急医療、予約診療、担当医の専門分野、治療費、通院期間
 平成11年度厚生科学研究「「新技術媒体を利用した医療等に関する情報の
提供と利用の現状分析についての研究」での、医療施設の情報公開に関する
医師と患者の考え方を比較したデータより
医師:すでに公開している、あるいは公開してもよいと回答した割合
患者:知りたいと回答した割合
               医師  患者
病院・診療所の名称      91.2% 61.0%
電話番号           90.2  53.6
紹介することが出来る他の
医療機関           77.2  33.2
救急医療の提供        84.8  41.6
予約診療の実施、予約電話番号 85.7  48.3
往診の実施          82.5  26.0
駐車場の情報         87.4  48.6
地図             91.1  44.6
交通手段           91.0  48.6
ファックス番号        82.7  10.5
電子メールアドレス      78.3  11.6
ホームページアドレス     86.8  22.4
担当医師の専門分野      87.3  42.1
代表的な病気の平均治療期間  49.7  32.0
 専門とする病気の治療・手術
実施数・成功率        57.9  42.2
医療事故を防止するための配慮 65.3  38.1
診療以外の事故を防止するため
の対策(手すり、バリアフリー)69.3  38.5
代表的な病気の平均治療費総額 47.1  44.7

○かかりつけ医をもっていただきたい

 医療機関その他の質の評価は至難であります。現在病院の機能評価が行われ ていますが、実際のところ一般の方に専門職の医師の評価は事実上不可能かと 思われます。今言われているような、種々の情報公開をされても、あまり実際 的ではございませんし、信頼性にも乏しい。統計はほとんど何も表わさない。

 従いましてより大切なことは、情報公開を希望するとか質の評価を行うこと ではなく、地域内の通院に便利な範囲に、個人的に信頼のおける、「かかりつ け医」をもっていただきたいということです。何でも話し合える良い人間関係 を構築いただき、必要なら地域内のかかりつけ医師が信頼する専門医師に紹介 される。医師同士は専門家ですからかなりお互いの正確に力量は測れます。 これが一番実際的な賢い受診行動かと思われます。専門家は専門家を良く知る どうか身近にいる親しい医師を上手にお使いくださることを。


中小病院の質を上げるために

1)医療の質を上げるにはパラメディカルが多いほうがよい

2)しかしコストというものがある。

○日本においてはまず病棟における看護婦の絶対数が少ない。看護婦の数の不 足が今の医療訴訟多発の遠因にもなっている。質の向上のために、正看護婦を 入れるインセンティブは点数のなかに組み込まれている。また第4次医療法改 正で、正看護婦を増やすして質の向上を図っているが、それでも足りない。  一方病院経営は危機に瀕している。コスト的には高額の正看のみでは数を増 やせないし業務は成り立たない。各種レベルの業種が必要。準看や看護補助者 の数を増やさないと病棟業務はなりたたなくなる。しかるに病床基準が看護婦 数だけで決まっている。その他の病棟の補助者は評価されない。これでは病院 は質を上げることはできない

○日米比較

 日米の職員の数を比較した場合、日本の病棟従事者は極端に少ない。 アメリカでは看護婦は4層構造になっています。専門看護婦、正看、準看、 看護補助者、それに多量のボランティアが存在する。しかも中途半端な 正看がコスト削減圧力で職がなくなりつつある。準看、補助者が多くなって きている。 ○日看の戦略への疑問  専門資格が2つあるのは准医と同じは、日看の決り文句ですが、看護婦の 専門性をあげて、準看を切ろうとしているわけです。急性期病院で高額の専門 性を高めた看護婦を傭えば、コスト削減圧力により従来の正看護婦の没落。 とよりコストの安い準看と看護補助者が増えるのは、経営上は必然。これはア メリカで現に起こっている。日看の戦略が理解できない。何を考えているのか 自らの母体を没落させる主張をしている

○全体で看護婦の数は足りているのか?

 看護は求人を出しても来ない?不均等に分布している? 厚生省は足りているという見解である。しかし介護保険による看護婦の需要の 増加。女子労働の特徴である、未就労者の存在、看護婦の開業医離れ、病院志 向を考えれば、就労看護婦の数が足りなくなり、看護婦不足を招く可能性が高い  開業医の存続自体が危うくなる可能性が高いと考える。

 民間の待遇は公的病院よりは悪い。特に中小病院は競争力はない。無床は 仕事が楽であるので若干はある。結局3:1、あるいは2.5:1にしても 中小病院にきつい案でしょう。結局急性期とプライマリケアの間の受け皿を どうするのかが問われている気はします。準看廃止は中小病院の没落につな がる案と考えます。簡単には、廃止の方向は認められない。医療が崩壊する。 人的コストを支えきれるのは、赤字で補助金のある一部の急性期病院のみ。

○看護の三層構造の堅持

 病棟基準に看護補助者その他の評価をいれていただきたい。現在の看護基準 には看護婦の数しか規定されていない。そうでないと病院の質の向上と医療事 故の減少、またなによりも医療は労働集約産業であり人件費が経営を圧迫する。 医療費の削減が至上命題である、昨今の医療情勢で、これでは経営は成り立た ない。結局病棟スタッフというのは正看だけで考えては駄目で準看と看護補助 者の数を増やす。コストを考えればそうでなければやっていけない。看護婦の 数だけ考えるからおかしな事が起こるということではないかと思います。これ が看護の3層構造ということかと理解しています。 質の向上とコストを両立させるにはこれ以外選択肢はないということかと

日米の比較基礎資料です

千葉県医師会。医療費の比較 医療施設動態調査(平成12年7月末概数)

MEDIAS-最近の医療費の動向-平成12年5月号

「療養型病床」が84%増 高齢社会への変化裏付け  厚生省の医療施設調査(1)

 高齢者を中心とする長期療養患者向けに一九九二年の医療法改正で設けられた 「療養型病床群」が、昨年十月時点で、病院、診療所を合わせて前年同期比八四 %増の十八万三千五百五十八床に上り、全病床数の九・八%を占めたことが二十 九日、厚生省の医療施設調査で分かった。  療養型病床群は、従来の一般病床より医師や看護婦の数が少ない代わりに、看 護補助者を置くことが義務付けられており、高齢化社会に向けた医療機関の変化 があらためて裏付けられた。  厚生省は、今年四月導入された介護保険制度への対応に加え、経営難から人件 費などで低コストが図れる「療養型」に転換する医療機関が増えたことが要因と みている。  療養型病床群の激増により、一般病床総数は百二十六万千六百七十四床(前年 比○・一%増)となり、七年ぶりに増加に転じた。  調査報告によると、医療機関の数は、病院(二十床以上)が九千二百八十六施 設で、前年より○・五%減。診療所(十九床以下)は九万千五百施設で一・○% 増加。病院は九○年をピークに減少が続いている。  病床数でみると、病院は約百六十四万八千床で前年の○・五%減。このうち療 養型病床群は約十六万七千床(二千二百二十七施設)で前年比六八・五%増。  診療所は約二十二万四千床で、前年より四・八%減。診療所にも九八年四月か ら療養型病床群制度が導入され、一年半で約一万六千床(千七百九十五施設)に 達した。  六十五歳以上のお年寄り十万人当たりの療養型病床群の病床数は、平均が八六 六・四床で前年比七八・一%増。最多は三年連続で高知の三○二五・八床。続い て徳島、熊本の順。最少は山形で二一四・七床、次いで神奈川、滋賀の順だった。    

       [共同通信]

療養型病床群とは  (2)  療養型病床群 

 病院の一般病床と診療所の病床のうち、主として長期療養を必 要とする患者を収容する。一九九二年の医療法改正で一般病床の一形態として設 けられた。医師や看護婦数が少なく、ヘルパーなど介護を担当する看護補助者を 置く。患者一人当たりの施設面積が広く、浴室やリハビリ室などを設置。高齢者 の利用が多く、患者の入院日数が長いため、医療機関は安定収入が得られ、高齢 化に伴う新たな収入源として期待される。病床区分見直しで、一般病床から切り 離し、新たに「療養病床」とする医療法改正案が臨時国会に提出された。           [共同通信]

在宅医療、医薬分業が浸透 患者サービス改善傾向に (3)  

 高齢化社会に対応する療養型病床群が激増する一方で、在宅医療や医薬分業が 進む―。

 二十九日公表された厚生省の医療施設調査から、医療現場での患者サー ビスが改善されつつある実態が浮き彫りになった。  ▽在宅医療  医師らが必要に応じて患者の自宅に赴く「往診」を実施している病院の割合は、 四三 ・六%で三年前よりも二○・四ポイントも増えた。定期的に患者宅を訪れる「訪 問診療」は四四・三%、「訪問看護・指導」は四一・六%で、いずれも増加傾 向。  診療所も四二・三%が「往診」を実施、三年前より一四・一ポイント増えた。 在宅医療の診療報酬が引き上げ傾向にあることが大きな要因とみられる。  ▽院外処方せん  どこの薬局でも薬を受け取ることができる「院外処方せん」を発行している医 薬分業型の病院は四八・七%で三年前より一九・五ポイント増加。精神病院、結 核療養所を除く一般病院では五一・八%と半数を超えた。診療所も三八・二%と 一一・八ポイント増。  ▽夕食時間  入院患者の夕食開始時間は、病院平均で午後五時四十八分。三年前より六分遅 くなった。「午後六時以降」が七二・一%を占め、病床規模が大きいほど、夕食 が遅い傾向が出た。厚生省は「あまり早いと夕食時間になっても空腹にならない、 という患者の要請があるため」とみている。  ▽職員、ベッド数  病院の百床当たりの職員数は、医師が一○・一人で年々増加。看護職員は三○・ 九人で、二十年間でほぼ倍増した。  病床数を都道府県別にみると、一般病床数は高知が人口十万人当たり一九六九・ 八床で、統計がある一九六四年以降、連続して全国首位を維持。最少は埼玉の六 七六・二床だった。

     [共同通信]