Q52.選手が痛みを訴えた場合、早急に医師に相談しな
ければならない場合と、休養程度でよい場合のおおよそ
の見分け方。
A:スポーツを契機とした痛みは、その発生機序から大きく2つに分けることができ
る。1つは外力が加わって発生する外傷であり、もう1つはトレーニングにより局所
に反復して小外傷が加わって発生するものである。前者はいわゆるスポーツ外傷で、
相手と衝突したり、地面に転倒したり、強い外力が身体に加えられて発生するもので
ある。骨折、脱臼、打撲、捻挫などスポーツ以外で発生するものと大差はない。一方
トレーニングが契機となって小外傷が繰り返し加わって発生するものは、スポーツ障
害として、直接外力が加わって発生するスポーツ外傷と区別される。スポーツ障害は
使い過ぎ症候群(オーバーユース)に属するものである。
早急に対処する必要があるのは前者(スポーツ外傷)で、場合によっては緊急処置
を必要とする。これは強い外力が加わるので明らかであろう。
スポーツ障害(使い過ぎ症候群)では、軽度の炎症による痛みから、発育期の骨端
線障害、疲労骨折に至るまで様々で、鑑別は難しい。画像診断でなければ判断できな
いものもある。短期間の休養で軽快しない痛みや、軽快しても繰り返し生じる痛みに
ついては、専門医の診察を受けるべきと思われる。