▼Q40.少しぐらいの痛みだと、どんなに言い聞かせても練習を
続けたがるが、どのようなアドバイスをすればよいか。 (サッカー)
Q41.患部の痛みがあるのに練習したがるが、どの程度の運動
制限をすればよいか。 (サッカー)
Q42.成長期におこる障害は避けられないと思いますが、ある程度
の痛みを我慢しても練習したいと本人が思う時には実施させてもよ
いものかどうか。もし実施した場合、もっとひどい障害となるもので
あれば、その種の運動はさけるべきだと思うのですが、部位、障害
の種類によって、それ以上は進行しないだろうと予測されるものが
あればそれを知りたい。 (スピードスケート)
A1:まずは痛みの原因をはっきりさせる必要がある。また、原因が分かっても年齢
、性差、成長の度合い、体力、先天性股関節脱臼や膝蓋骨脱臼などの先天性疾患の有
無、スポーツの種類やレベルなど個々の条件により、練習を行うことでの負荷の大き
さも異なる。それらをふまえて練習を続けて良いものか判断すべきである。
原則的には、発育期のスポーツ障害は、痛みが生じても初期の間に一定の休養期間
があれば自然治癒するものが多い。したがってスポーツを休ませることが治療の基本
となる。それ以外に補助的治療もあるが、極論すれば休養以外に治療法はないといえ
る。
さらに発育期のスポーツ障害の特徴として骨端核障害がほとんどであり、成長軟骨
の破壊を起こすので、その後の人生にも影響を及ぼしかねない。発育期には“やりな
がら治す”方法は勧められない。
発育期はスポーツ活動が精神身体発育にプラスに働く反面、いったんスポーツ障害
を発症すると慢性になりやすいマイナス面も併せもっているので初期治療が重要であ
る。
またスポーツ障害は使い過ぎ症候群といえるものであるから、当然練習そのものが
発生要因となっている。練習方法、練習量、技術面、環境や用具に関して検討しアド
バイスをすることはさらに重要であろう。
A2:痛みの原因、年齢、性差、成長の度合い、体力、先天性疾患の有無、スポーツ
の種類やレベルなど個々の条件により、練習を行うことでの負荷の大きさも異なる。
それらをふまえて練習を続けてよいものか判断すべきである。原則的には休養するこ
とで、痛みが消失するのを待つほうがよい。
痛みのない健常な部分のトレーニングは当然可能であるし、障害部位であっても装
具を用いるなどして運動が可能となる場合もある。しかしどのようにこどもを休ませ
るか、言い換えればどのように休める状況をつくってあげられるかを考える方が重要
と思われる。