Q「2ー3年前から、慢性の腰痛で悩んでいます。病院を変えてもなかなかとれません」
A「慢性の腰痛は自己の努力が大切です。医者まかせではなおりません」
解説
これも年齢によって若干病名は異ります。ただ基本原則はおなじです。
40歳以前は腰痛症といって、レントゲンでは異常がなく、肥満や運動不足
無理な姿勢によって起こるものです。
中年以降は変形性脊椎症といい、脊椎の老化も加わってきます。
いずれにしても、腰痛は普段の生活や労働で、無理な姿勢をとっている
方、肥満の方、運動不足の方に多いのです。こういうかたは常に腰に負担
がかかることになります。従って、ちょっと無理すれば、すぐ腰が痛くなります。
もうひとつは、腹筋と背筋の筋力低下があります。この二つの筋肉で、背骨を
支えていますので、この2つの筋肉が弱くなれば、腰痛がきます
肥満や運動不足など日常生活そのもののなかに原因があることが多いので
ライフスタイルを変えていかないとなかなか治らない病気です。
まずは基本的なこと
長期にかかりますので、お近くの通院に便利な整形外科を受診なさり、薬物治療や
リハビリを継続的に受けられることです。
腰痛をなおすためには、日常生活で腰の負担がかからないような姿勢を覚える。
筋力不足が原因であることが多いですから普段から、水泳などの運動をやって、
腹筋と背筋を鍛えることです。暖めながら行うと有効です。
また肥満があるならやせること。靴が原因であることも多いので、靴のかかとが
高すぎたり低すぎることも問題です。チェックしてみてください。
iいずれにしても医者まかせにしては、なおりません。自分の努力が必要です。
下肢にしびれや痛みが出てきたらこれは腰椎で神経が押されている証拠です。
若いときは椎間板が原因であることが多く、椎間板ヘルニアといいます。
ある程度の年齢になると腰椎の変形が原因であることが多く、腰部脊柱管狭窄症
という病名になることが多いのです。
○肥満の問題
食事等で入ったエネルギーが、どの様に消費されるかによってきまります。
入ってきたエネルギー(これをインプットとします)をちょうど使い切れば(エネル
ギー使用量をアウトプットとします)、プラスマイナスゼロで体重は増減なし、よ
り使えば体重は減少しますし、逆に使わなければ、余分なエネルギーは脂肪と
して蓄積されます。
肥満がどの程度かは、毎日のインプットとアウトプットのバランスできまります。
従って考え方は
入ってくるエネルギー、すなわちインプットを減らすこと。端的にいえば食事のカ
ロリ−を減らすことです。大体1800kcalぐらいからはじめる。効果を見な
がら1500kcaぐらいで維持する。糖尿病の患者さんように書いた絵入りの食
事の本があります。そういうのを利用してカロリーを覚える。
またアウトプットすなわちエネルギー使用量をふやすこと。これは運動ですね。
これも換算表はあるのですが。大体400kcalぐらい消費してくれればよい。
運動の種類は何でもよいですが、膝のわるい方はあまり歩かないことです。
食事で大切なことは三食をきちんときまった時間に食べること。かつ量を減らすこ
と。間食をしないことです。1週間ぐらい食事のカロリー計算をすると大体の自
分のカロリーがわかります。カロリーというものをきちんと把握することです。
食事の内容を書いた日記をつけるとよいようです。あとは大切なのは毎日きまっ
た時間に体重計にのって体重日記をつけることです。これは自分への動機付け、
すなわちモチベーションを高めるという意味です。張り合いがないと中々続きません。
目標は1ヶ月で2−3kgぐらいづつ下がればよいです。また水分補給はたっぷり
してください。
また努力してやせたと思って安心して、元の生活に戻ると瞬く間に体重は戻ります。
結局生活を立て直さないと肥満は解消できないということになります。体重維持は
そういう意味では普段の努力ですからなかなかむずかしい事です。