医療費抑制論について2001/10/8
本田忠
財務省のリストラ論議はたとえば
1)医療費の高騰特に老人医療費の伸びが年8%もある
2)これでは保険は維持できない。
3)よって医療費を抑制しよう
というまことに明快な3段論法ですね。1と2の間がすっぽり抜けている。また初めから抑制で決まっている。財政からしか考えていない。いわく総枠抑制、いたみ分け、まことに乱暴な論が横行している。
肝腎の医療の中身はじゃどうなるの?
1)医療費の高騰特に老人医療費の伸びが年8%もある
2)老人医療費の伸びの原因は、○と×が原因である。
3)では×を合理化して医療制度をこうしましょう。医療の質をどう保つのかを第一義にして、そのための財源確保は?
という論理になるべきでしょうか。
まずは老人医療費の伸びの原因は、○と×が原因であるあたりを追求すべきでしょうね。医療費の無駄という抽象的な言葉で、あとは抑制の大合唱はたまらん。3者一両損ですか。時代劇じゃあるまいし。まずは理念を示すべきでしょうね。3者とも損なら納得するなど言う論がどこから出てくるのか?
定額制の場合の欠点は、コストを削減しようとするあまり必要な医療をしない。
委縮医療あるいは、質の低下が問題になる。
あるいはコストの平準化をして丸めとするわけだから、価格の透明性が得られず無駄が多い。
定額制は医療費の抑制策としては不充分であり、より問題は質の維持も出来ない可能性がある
医療費の「合理的」な抑制を図るなら医療費の内訳を分析する必要がある。妥当な医療費を常に具体的な診療で検証しつつづける必要がある
高額医療が、薬剤費と手術料が大部分を占めるというなら、
1)薬剤費は大部分薬剤会社の懐へ
2)手術料の大部分は整形外科なら医療機材会社へ
という構造もあるわけで。。
1)薬剤費の妥当性:たとえばぴか新の値段は妥当なの?
2)手術料の妥当性:内外価格差は?
3)ホスピタルフイ-の妥当性:医院の人件費、
ただしノーロスノープロフイットの原則とまではいかないでしょうが、拡大再生産に回るまでのお金は必要。
お金を押さえて質を下げないというなら、合理的な抑制策が問われる。
要するに出来高にして、原価計算をきっちりしないとまずい。
DRGの問題
疾患別の標準化というけれど、有り体に言えば行為別でなく、疾患別にパターン化した包括化でしかない。要するに荒すぎる。200や300の分類でチェックできるわけがない。これでは医療行為や内容の分析は出来ない医療の標準化をはかり、オーバーした分は削ると言う上から押さえる発想では単に疾患単位で包括化して、払うだけだからあんまり意味がない。これでは「合理的」な医療費の抑制は出来ない。だからアメリカは失敗した。
包括化の問題
急性期医療の包括化は、単純に平準化して、オーバした分を削るという発想でしかない。かなり乱暴な抑制論でしかない。診療内容の吟味が出来ない。
総枠抑制論
これはとにかく医療費の伸び率から総枠を決めてオーバした分を削るという実も蓋もない内容の吟味もない、じつにすごい抑制策。思想のかけらもない。これは論外
一般の商行為は、物とサービスを売るわけで、原価にマージンをつけた値段で消費者に売っている。いわばきっちりした出来高である。医療だけ、何で異るんでしょうかねえ? いわく定額制とか、総枠制とか、標準化とかいう、かしましい論を振り回す前にやるべきことがある。急性期は出来高で慢性期は定額? その根拠は?定額制なんて単なる平準化でしかない。それこそ無駄の最大の温床でしょう。
日本は米国に比べてはるかに病院数、病床数が多いにもかかわらず、医療費は著明に低いことが判る。日本では米国に比べて著明な低医療費政策が行われているにもかかわらず、死亡率、平均寿命、乳児死亡率などの医療水準を反映するすべての指標で、米国より優っている。日本の医療従事者は過酷な低医療費政策に耐えて、国民医療に多大の貢献をしていると言える。
また勤務医の給与は日本の2倍であり、病床数が少ない分、ひとつの病院へ医師が集中している。急性期医療は極端な労働集約産業になっているようである。効率化?はされているとはいえるが、医療費は高騰している。人件費が高すぎる在院日数の短縮など効率化が医療費を押さえるとは必ずしもいえないという好例である。
急性期ベットが減れば必然的に医療資源は集中するわけですから当然質の向上は果たせる。問題はそのいわゆる質の向上が済されてもコストの問題が残る。1億円のレセプトが鹿児島ででたようですがこのコストを上から押さえるだけではダメで、役に立たない。内容のチェックが必要となる。
医用材料の内外価格差からチェックする必要がある。
医療行為の一つ一つの原価計算ですよね。
あとは診療報酬体系を包括化しちゃうと内容を分析できないこれは困ったことで。。。。
医療費の無駄とか、抽象的で、わけのわからない泥沼を問うより、きっちり医療行為のコスト計算すべきでしょう。リストラはコスト計算からはじめるのが常道。点数表で医療費は決まるわけだから、点数表の中身の妥当性を問うべき。
先ずはすべて原価にのっとった出来高点数表を作り、その後に医療行為分析しないとなにもできない。無駄なんて今のレセプトから出るわけがない。でないものから議論してもまとまらない。
参考文献
医療再生
適正な医療の需要量に関する研究
医療の日米比較マクロ日本は米国に比べてはるかに病院数、病床数が多いにもかかわらず、医療費は著明に低いことが判る。日本では米国に比べて著明な低医療費政策が行われているにもかかわらず、死亡率、平均寿命、乳児死亡率などの医療水準を反映するすべての指標で、米国より優っている。日本の医療従事者は過酷な低医療費政策に耐えて、国民医療に多大の貢献をしていると言える。
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