混合診療に関する論点2001/07/16
本田整形外科クリニック 本田忠
1)医療周辺
医療の周辺部分だけ認めるという方向性はあるが、医療を本体部分と周辺
部分とに分離することは困難な場合が多い。鍼灸や、温泉、民間療法などの医療周辺部分は、その質の低下が問題になる。「評価」がなければ、医療の質は担保されない。EBMにのっとった医療にすべきである。
2)先進医療
医療本体部分に混合診療を認める場合、医師−患者間に情報の非対称性が
存在する以上、患者の自由な選択がなされるというより医療コストが患者にシフトするだけである。またそれは同時に公的医療保険制度による給付レベル
の低下につながる。
3)公的医療保険の縮小
新しい技術などが保険適用になるインセンティブが低下して医療技術の普及を阻害する。
4)歯止め無き患者負担の増大をもたらす。
既に特定の病院などの自己負担額は相当な水準にある。構造改革が進行すればより、国民の所得格差が拡大していく中での、自己負担の引き上げはいかがなものか。長期的には国民が意図する以上に患者の自己負担割合が増加し、
所得格差による受療の不平等が生ずる。貧困による疾病の増悪を促す。
「混合診療」の規制緩和、特定療養費の安易な拡大は、自費診療部分に民間保
険が適用されるため、費用抑制効果はなく公私合わせた医療費の上昇をもたらす。
国民皆保険を基本とする日本の医療保障制度を形骸化させると考えられる
参考文献
混合診療
■混合診療禁止の原則のなか
昭和59年に特定療養費発足
現在の保険診療においては、初診から治療の完了に
いたる一連の診療のなかで、保険診療と保険外診療(いわゆる自由診療)を併
用すること、すなわち混合診療をすることは、特定療養費制度のような一定の
ルールに基づく場合を除いては、原則として認められていない。これが混合診
療禁止の原則である。混合診療を行った場合には、保険診療に該当する部分も
含めて、すべてが自由診療扱いになり、全額自己負担となる。混合診療を禁止
することの目的としては、各種が指摘されているところであるが、整理すると
以下のようになる。
◆医師と患者の情報の非対称性により不当に患者負担が増加することの防止。
◆有効性、安全性の確立していない診療行為の回避
◆患者の所得による診療差別化の防止。
法的な根拠や拠り所
「混合診療はこれを禁ずる」といった表現の条文は健康保険法上には存在しな
い。
◆健康保険法第43条の8:一部負担金に関する規定
◆健保法第44条:特定療養費制度に関する規定
◆療養担当規則第5条第2項、同条の2第2項:
一部負担金以外の料金の徴収を認める規定
◆同第18条:特殊療法の禁止
◆同第19条:使用医薬品及び歯科材料
◆療養担当規則第5条第2項、同第5条の2第2項
「患者から差額を徴収しさえしなければ、特段の問題は生じない」
また特殊な療法などに関しても、患者から差額徴収を行っていない場合であっ
ても、保険診療部分の保険請求を認めず、すべて全額自由診療とすることになる。
例外として、昭和59年の健康保険法改正によって特定療養費制度が導入されてい
る。「保険外診療の部分について、保険診療にかかる患者一部負担金を超える差
額を患者から徴収できる」
論点整理では、その柱として
(1)医療費増大への対応という視点
(2)技術進歩への対応という視点
(3)アメニティー等への対応という視点
(4)医師の経験・技術の評価という視点の4本が挙がっている。
医療費増大に関しては、公的保険で増大する医療ニーズすべてに対応すること
は保険財政的に困難であり、保険外診療について混合診療を認める範囲を拡大
するというのが趣旨。これにより、新技術の費用対効果のチェックや医療周辺
サービスの整理を患者負担を通じて行うことで医療給付費の増大を抑制できる
ほか、医療機関にとっては公的保険以外の収入の途を広げることにつながると
いうメリットがある、とされている。しかし、医療費自体は増大する可能性が
あることや、保険財政にとって顕著な効果 をもたらすためには、既存の給付
への切り込みが必要であるが現実的には困難、といった問題点も内包している。
技術進歩については、医療技術の進歩に適切に対応するため、診療報酬改定に
おける対応のみならず新規の医療行為について積極的に混合診療を認めていこ
うというもの。医療技術の進歩に迅速に対応することが可能なほか、患者にと
ってより幅広い選択肢を提供できるものと考えられているが、混合診療を認め
る新規の診療行為の範囲や選定基準(有効性、安全性の担保)をどうするのか、
あるいは所得による診療差別 につながることへの批判に対する対応策が課題
となっている。次にアメニティに関しては、診療行為の本質的な部分以外の周
辺部分、すなわち療養環境に関する部分について混合診療を認めようという内
容。国民の医療ニーズの多様化に対応できるほか、療養環境の向上につながる
とみられているが、患者の選択と同意を担保する過程に対する規制を強化する
必要性や、徴収する金額に関する基準の必要性、完全に自由化することの妥当
性(すなわち、療養環境に関する差額はどのような名称・名目であっても徴収
可能として良いものなのかということ)、所得による医療機関自体の利用制限
が生じる危険性があるのではないか、といった点について内部批判が出ている。
最後の医師の経験・技術の評価に関しては、医師の経験や技術、即ち“腕”
に着目して、医師の差額徴収、あるいは患者からの“指名料”的な金額の徴収
を認めようというもの。医師の技術向上へのインセンティブ付与につながるほ
か、患者の選択による医師間の競争状況の出現、これらを通 じた医療の質の
向上などが期待できるものとみられている。しかし、医療の“コア”とも呼べ
る部分への混合診療導入につながることへの抵抗感や、医師の技術の客観的評
価の困難さがあることは否めないようだ。
■「混合診療容認」ではなく「制度拡張」の意見強まる
高度先進医療については、
◆高度先進医療の要件緩和(高度先進医療から“保険外新医療”への概念の拡
張)「高度先進性が不十分であっても、有効性や安全性が確保されていれば特
定療養費の支給対象としても良いのではないか」
◆特定承認保険医療機関の要件緩和 「特定療養費の支給範囲拡大に伴い、中
小病院、診療所に対する承認の拡大を図る」
◆保険導入手続きの明確化・透明化 などの意見があがっている。
次に、選定療養については、
◆アメニティーに関して、施設利用料の徴収範囲を拡大する
◆医師の経験や技術に基づく差額徴収を容認するといった点が指摘されている。
これらを前提としたうえで、認識されている論点としては、まず第1に、技術の
進歩や国民の医療ニーズの多様化への対応の観点を踏まえると、特定療養費制度の
拡張により、国民の選択肢が広がり、より良質な医療を受ける機会が生まれる
点で、少なくとも現行制度の改善が必要になる。第2には、加持祈祷のような
治療方法は排除する必要があり、完全に自由化するというわけにはいかない。
そのため、有効性や安全性の確保の観点から、新技術や対象医療機関について
専門家会議などにより個別
にチェックを行う必要性があることが指摘されてい
る。第3には、現行制度では、徴収差額については規制がないが、何らかの上
限を設定する必要があるのではないかという批判が出ている。
第4には、「患
者の選択および同意」の担保性があがっている。これは、患者の選択と同意を、
より確実に担保できる方法を取り入れるべきではないかというもの。同意書と
は別
に、差額徴収する理由を明記した「重要説明事項」の交付などが有力な手
段と考えられているようだ。
■保険外医療の自己負担分に 付加給付を認める対策も検討中
そのほか、混合診療、すなわち保険外医療への対応上、必要不可欠な事項とし
て、経済的側面
での対策があがっている。その代表例としては、民間保険と保
険者があがっており、民間保険については、健康保険制度として保険外医療の範
囲を拡大・明確化することにより、自ずから民間保険の拡大が期待されるという。
必要によっては、政策的誘導策として新たな民間保険控除枠の新設が考えられて
いるらしい。
また保険者に関しては、各保険者独自の付加給付として、「保険
外医療」の自己負担への補てんを認める方策もあがっている。
グラフ 55
医療における規制の根拠
■意見の対立する規制緩和対象
「混合診療禁止規制」の廃止について
積極論
○ 医療保険財源が逼迫する下では公的財源の制約から解き放たれた方が診療
の自由度は高まる。
○ 医療の本体部分と周辺部分を分離して患者の評価が可能で嗜好が重視され
る周辺部分は自由診療とすることが保険財政上も医療に消費者主権を確立す
る上でも有効。
○
混合診療は医師−患者間の情報交流や患者による医療の自己決定を促す。
○ 医師の技術格差の評価など現行診療報酬制度が十分対応していない領域を
適正に評価することになる。
慎重論
○ 医療を本体部分と周辺部分とに分離することは困難な場合が多い。
○ 長期的には国民が意図する以上に患者の自己負担割合が増加し、所得格差
による受療の不平等が生ずる。
○ 医療本体部分に混合診療を認める場合、医師−患者間に情報の非対称性が
存在する以上、患者の自由な選択がなされるというより医療コストが患者に
シフトするだけである。
○
新しい技術などが保険適用になる誘因が低下して医療技術の普及を阻害する。
○ 自費診療部分に民間保険が適用されるため費用抑制効果はなく公私合わせ
た医療費の上昇をもたらす。
○
自己負担の拡大は所得水準の低い地域の医療供給体制に悪影響を及ぼす。
○
国民の所得格差が拡大している中での自己負担の引き上げは時代に逆行。
○ 既に特定の病院などの自己負担額は相当な水準にある。
出典:「医療白書1999年版」第1章(遠藤久夫執筆部分)より抜粋
第12回規制改革委員会議事概要
「優れた医療を提供する者が報われる医療システムの在り方について」
【厚生省 辻審議官】
医療費体系・価格決定メカニズムの在り方についてであるが、第1点目の、
患者の多様なニーズへの対応については、公的医療保険制度においては、制度
上の一部負担・標準負担以外に、医療機関が行った診療について自由な料金を
取ること、いわゆる混合医療を禁止している。ただし、特定療養費制度を昭和
59年に導入し、一部を制度的に解消している。高度先進医療については、普
及性、費用対効果等を検討する必要があり、個別承認を以って保険診療の経費
を認める一方、一部患者負担を認めている。一方、選定療養については、アメ
ニティー部分といわれる外形的に見てサービスの質が分かる8分野において、
概念として混合医療を認めている。遺伝子治療等、現在保険適用となっていな
い先駆的医療技術についてどう対応するか議論が必要であるが、医療の本質的
な部分について患者からの費用徴収を自由化することについては、医療の標準化、
医療に係る情報提供等の環境整備がおこなわれているか等について十分な国民
的議論が行われなければ、結果として、現状では不当な患者負担の増大を招く
危険性が高いことから慎重に検討すべき。今述べた2つの考え方から特定療養
費制度が開かれているので、これをどのように積極的に活用するかということ
は考えられる。日本医師会の「2015年医療のグランドデザイン」にある「自立
投資」という概念については、様々な検討すべき点があるが、医療ニーズの多
様化に対応する手法として研究していきたい。
医療機関や保険者の選択を可能とするシステムの構築についてであるが、現
行の医療保険制度は個人のリスクに関係なく、一定の負担で必要な医療を受け
ることができることを特徴とするもので、医療機関へのフリーアクセスを確保
している。保険者による医療機関の選択や被保険者が保険者を選択することに
は、種々の問題がある。保険者が医療機関を選択する仕組みを構築すると、保
険者が一部の医療機関とのみ契約を結び、全国に居住する被保険者やその家族
が保険診療を受けることができなくなり、フリーアクセスの保障、公平な医療
の保障に反しないかという問題がある。他方、被保険者が保険者を選ぶという
ことについては、公的医療保険制度は、保険料をリスクに応じて決める私保険
のような考えは採られていない。その中で、被保険者が保険者を選び、それを
保険者は拒否できないとなると、賃金の低い人、年齢の高い人が集中した保険
者の財政は、成り立たなくなる。従って、被保険者が保険者を選択するドイツ
の仕組みと同様に、年齢・賃金の違いについて保険者間の財政調整の仕組みが
必要になる。その問題点を克服するためには、国民的な合意が必要であり、現
時点では慎重な検討が必要と考える。
混合診療禁止の法的根拠
1.混合診療の禁止
我が国の医療保険制度においては、一疾患に対する一連の診療行為において保
険診療と自由診療を併用することは原則として認められていない(混合診療の
禁止)。ただし、厚生大臣の定める高度先進医療や選定療養(特別の病室に入
ったときなど)については、医療サービスの基本的な部分は医療保険で賄い、
それを超える部分の支払いは、患者の同意の下に医療機関が特別な料金を患者
から徴収できる特定療養費制度を導入している。
療担規則においても、保険医療機関等が患者から保険適用外の医療に係る金
額の支払いを受けることができる場合を、厚生大臣が定める高度先進医療又は
選定療養に限っている。
※療担規則違反の場合、保険医療機関等の指定の取消しもありうる。
(健康保険法第43粂ノ12)
京都府保険医協会の主張
「混合診療」について〜京都府保険医協会・第20回定例理事会(98年12月15日)確認
特定療養費制度は今日の「混合診療」の代表的事例と言うこともできよう。
(1)国庫負担・補助の削減
「特別の療養環境」に係わる病室の患者負担を見ても(四床以下の差額病床数
の増加もあるが)、1995年7月1日段階で対病床数比12.3%と過去最高であり、
中でも5000円以上の差額ベッドが30%余りを占めている3)。
3.「混合診療」は何故問題か
まず、健康保険の一部負担金の増加による受診率の減少12)が医療費削減−患者
サイドの考えだけで−となる一方で、良質医療を求めるためには二重の自己負
担を覚悟しなくてはならない構造がはっきりした。この点を二木立氏は「医療
における階層消費」として問題ありと論評している。特に、高度先進・研究開
発の面と生活サービス、快適な環境等では、厚生省が示す「保険給付の範囲と
国民医療費」の関係図等で明らかなように、保険給付と患者の自己負担の
混在
があり、法的制度化された現在、拡大増加する可能性が高い。また、田中滋氏
は、快適サービスも生活の延長と考えれば、「混合診療」を認めても良いとし
ているが、医療の質に係わる競争によってもたらされる「混合診療」に反対し
ている。何故なら、より高いサービスを求める患者心理と、より高いサービス
を提供しようとする医療担当者の倫理意識によって、国民医療費はより上げら
れることになるとしているが、もしそうなれば底辺に生活する国民にとっては
深刻な事態となるだろう。さらに患者の二重自己負担が「選定療養」として法
的に制度化された部分では、その対象は患者の納得の上で医療内容の情報と技
術の提供にも広がり、拡大される危険性もあり、それが簡単な告知、通知とい
う改定のための処理によって行われる可能性がある。
なお、特定療養費の範囲については、その適用は最小限に止めるべきであり、
現在認められている「生活サービス」に限るべきである。厚生省幹部でさえ、
「病院の療養環境は(欧米と比べ)非常に立ち遅れている」と率直に認めてい
る。そして、その原因の一つが「医療費の総枠が伸びないこと」にあると発言
している現実がある19)。療養環境の改善
は自費負担ではなく、公的保険によ
って賄われるべきではないだろうか。また現在、医療保険福祉審議会等、政府・
厚生省が検討している「医師・歯科医師の技術・経験に応じた料金の徴収」に
まで拡大することは、多くの問題を内包しており、協会として現状では認めら
れない。
4.結論
「混合診療」の規制緩和、特定療養費の拡大は、
(1)公的医療保険制度による給付レベルの低下につながる。
(2)歯止め無き患者負担の増大をもたらす。
(3)その結果、支払能力により患者の受ける医療に差別が生じる恐れがある。
(4)患者の負担能力には限度があるため、貧困による疾病の増悪を促す。
など、看過できない問題を生じさせる可能性が大きく、国民皆保険を基本と
する日本の医療保障制度を形骸化させると考えられる
日医報告書
日医総研は5月30日、「保険給付と保険外負担の現状と展望に関する研究報告」
をまとめました。保険外負担の現状を明らかにするとともに、一定のルールの
もとでの混合診療を認め、公的第二医療保険を創設するよう求める内容となっ
ています。
保険外負担には、高度先進医療のほか、患者から徴収してはならない医療サー
ビスや材料の割増金等があるとされています。不適切な保険外負担が水面下で
行われている現状に対し、報告書は「混合診療禁止の原理にしがみついていて
は保険制度そのものが医療技術の発展から取り残される」としました。
また、混合診療は「新医療技術・医薬品の開発」と「診療報酬点数表で認めら
れていない適応外使用」から発生していると分析。その上で、各々新たなルー
ルを定め混合診療を可能にするよう求めています。前者に対しては、特定療養
費の支給対象にならない新医療技術・医薬品を医療保険制度と調和させるため、
第三者組織により診療の準公的基準・標準価格を定めることを提言。後者に対
しては、第三者組織が、点数表定められていない使用方法が医学的に見て妥当
か否かを評価し、準公的な標準を定めることを求めています。
第二医療保険の創設では「高額の医療を直ちに受けなければならない重症患者
に対してこそ、手厚い給付がなされねばならない」とし、高度先進医療等現行
制度で保険適用外の治療方法であっても、代替の治療法がない場合には、医療
費の一定割合を別建ての公的な第二医療保険制度でカバーする方法が必要と述
べています。この第二保険は、任意保険を国の扶助で補強するもので、支払方
法は掛け捨てとしています。
一定ルール下で混合診療を認めるべき
日医総研・川渕主席研究員
日本医師会総合政策研究機構の川渕孝一主席研究員はこのほど、「保険給付と
保険外給付の現状と展望に関する研究報告書」で一定ルール下で混合診療を容
認することや高度医療に容易にアクセスするための第二医療保険制度の創設を
提言した。
川渕氏は昭和36年に創設された現在の皆保険制度について、「新しい医療技術
や画期的新薬が保険適用されるまでのタイムラグが大きいため受診機会が制限
されたり、保険診療ルールの混乱が原因と見られる事例が後を絶たない」とし
て、保険給付と保険外負担のあり方について提言を行った。
川渕氏は報告書で現行の医療保険制度の見直し、新しい補完的医療保険制度の
創設の両面から@保険診療と保険外診療の組み合わせを一定のルール下で可能
にA高度医療・新医療技術へのアクセスを容易にする第二医療保険の創設B選
定療養と生活習慣病の長期療養に「私保険」を導入C新興感染症の防止・予防
対策のためのリスク管理基金創設D医療費削減効果の大きい医療技術へのイン
センティブ導入の検討Eアメニティなど生活サービス部分の費用徴収ルールの
確立−の6点について提言した。
このうち、混合診療を一定ルール下で容認することについては、「混合診療の
ルールを作ったうえで。混合診療に道を開くことで、新しい医療技術や医薬品、
従来技術や医薬品の保険適応外の利用などの診療の基礎的部部への保険給付を
保障し、治療方法に複数の選択肢を用意することによって、患者の選択に基づ
く医療に少ない負担でアクセスが可能になる」と混合診療容認の理由を説明し
ている。
第二医療保険制度の創設については、「高度先進医療や臓器移植、遺伝子治療
など直ちに保険適用とならない新しい治療方法であっても、それに代わる治療
法が認められない場合には、医療費の一定割合を別建ての公的な第二医療保険
制度でカバーする方法が必要だ」としている。これは、「差額ベッドや金歯な
どの贅沢医療にだけ適用されるべき差額徴収システムが高度先進医療にまでも
適用されていることは問題だ」として、重症で高度医療を受けなければならな
い患者ほど、手厚い給付が必要との理由からだ。
一方、生活習慣病による長期療養の「私保険の導入」については、「従来型の
医療保険では蔓延する慢性疾患に対して、これまで通りの給付率を維持できな
い。糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の予防や長期の治療には個人の努力と
投資が不可欠となる」として、私保険としての第三医療保険制度の創設を提案
している。
出来高とまるめ
○混合診療の定義
厚生省の見解は点数表に明示してあること以外は書いていないことでもすべて
違法です。基本的には差額ベットなどのアメニテイ部分に限局している。○治
療の選択性を確保すべきとの問題
1)患者さんのきままなニーズに答えるとい うこと
健康とは何かということでしょうね。健康の定義を拡げちゃうと、健康保険で
はなくなってくる。カバーしきれない。交通事故も自由診療ですが、あれは加
害者がいるから自賠責が存在する。一応健康保険の適応外。アメニテイはカバー
する必要性は薄い。そこはお金を自由にとるべき。病気とは異る。ニーズのま
まに医療をすればそれは任意保険の自由診療の世界でしょう。健康保険にはな
じまない。あくまで最大多数の最大幸福を目指す福祉の概念から外れる。それ
は医療とは別な枠組みとなる。サービス産業のなかの医療サービスとなる。こ
れでは制度は維持できないし、弱者救済とは程遠い制度となる。福祉国家の基
礎にするわけにはいかないでしょう。
2)混合診療の禁止の再確認
問題交通事故に自賠責が存在するごとく、健康保険にはアメニテイ部分の任意
保険をつくったらどうなるか?
強制の健康保険のカバー範囲は細かく定義しないといけないでしょうが2階建
て保険となる。日医のいうところの「自立投資」の概念はここらなのかといま
ふと思い出しました。
1)確かに患者のお好み次第(選択できる。お好み次第オコノミー)にはなる
少なくとも国民の皆様の多様なニーズには答えられる。もっとも強制保険の健
康保険の「最低限の健康維持」の最低限は何処なのかはもめるでしょうが。
2)国の動き
国の役割の縮小になるかどうかは、最低限の基準のおき場所の問題になる。国
としては強制保険の範囲はきわめて限定してくる。極力民間に移行させてくる
という流れは直ぐできるでしょう。強制保険である健康保険は自賠責のごとく
最小限にはなる。まさしく低医療費政策のお先棒になりえる。
3)保険会社の力の増大
米国型マネジドケアの開始実質の混合診療の解禁にはなる。しかも保険者が国
ではなく、保険会社になるアメリカと同様にはなる。まずは査定はよりきびし
い。また交通事故で悩んでいるごとく、不払い。早期のカットなどで悩むこと
になる。中立性に乏しく信頼関係もない。健康はビジネスであり、福祉の概念
は薄い。保険支払いをめぐる争いは多発する。実質米国のごとく医療の質の低
下が起こる
4)皆保険制度も実質崩壊となるか?
皆保険制度の精神が「皆さんに安価な平等な医療を」という原則ならこれも崩
壊でしょう。任意に入る方は当然すくないし。皆さんには「健康に必要な最低
限の保障は強制保険でカバーします」となる。自賠責ではとうてい足りない。
だから皆任意保険に入るわけですが。いずれにしても民間保険が入ってくれば
これはかなりきびしい戦いになります。これは現在でも整形外科医は日常的に
戦っている。やはりオコノミーにはなりますが、エコノミーにはならない。保
険会社が介入してきて医療のパイが増大すると考えるのは甘いでしょうね。現
在の米国の状況そのもの
○正道をいきましょう
一つ一つ検討すれば保健医療制度、審査、医薬品制度の
改善と国家予算配分の見直しで解決できます。その努力を止め、混合診療を容
認すれば、土台となる保健医療は不完全なまま留められ、自費部分は際限もな
く膨張するでしょう。良心的混合診療論者の思惑をはるかに超えて低医療費政
策の強力な武器になるのは明らかです。
○保険外負担
上記のような限定条件のもとで、この問題をどの様に考えていく のか
1)患者負担を増やしてはならない。それは自分の首をしめる
2)自分の診療をして、低医療政策のなかで持ち出しは困るアメニテイ部分の
拡大は必要かと思いますが最小限でなければならないまた制度内のたとえば医
療材料の問題はルール化で解消すべきと考えます。きちんとした原価にのっと
った医療をすべきである
3)治療材料
例えば、外科で言えば糸の素材、ステイプル。これは、特定治療材料の制度を
変えるだけでよい混合診療解禁などという大問題をもってこなくてもすむ問題
です。ステイプルが必要ならそれを治療材料に入れてもらう運動をするもっと
ももうすこし弾力的に運用してもらいたいとは思いますが無制限とはいかない
でしょう。安価という縛りがある。医療資源は有限なのだから妥協せざるを得
ないところもある。
4)治療の選択性
近藤誠さんのように癌と闘うなというDRのもとでやるか、平岩正樹さんのよ
うに抗癌剤で押さえて、切れるものは切ってどんどん闘えという医者と共闘す
るか、はたまた在宅ホスピス的に往診してくださる篤実な医者を選ぶか。
この松竹梅は許容できますが、これは混合診療とは関係ない治療の選択に過ぎ
ません。自分の好きな選択をする先生の所へいけばよいだけのことでしょう。
もっとも標準的でない治療を施すからには、術者は治療効果を明確に出す責務
はあるでしょうがそうでなければ詐偽になる。鍼灸はきちんとした適応を決め
るべきである。専門家としてはある程度それらの治療の評価は適切にすべきで
ある。また良質の医療情報を発信すべきとは思います。
混合診療について考える
大竹整形外科、大竹進
読売オンライン 治療費と保険 混合診療の現実特集
1.違反の基準があいまい
2.先進医療 一部を保険で
3.「保険適用外」と偽り徴収
4.「表向き」のレセプト病名
5.ルール違反 保険外併用
混合診療を否定する日医の本音 月光
「一定ルール下で混合診療を認めるべき」日医総研
インフルエンザ 今年の情報
混合診療容認の動きと皆保険制度
日医総研が「混合診療解禁」を提言