日本臨床整形外科医会 受診回数調査 (2002年2月分)

【背景】


 平成14年4月の診療報酬改定により、再診料の逓減制が導入された。
 従来は、再診料は、何回目であっても同じ点数だったものが、月の4回目以降は、半分の点数になった。(下の表 参照)

 診療所の場合

再診の内容

再診料の点数

改定前

全ての再診(何回目でも)

 74 点

改定後

月の1回目の再診

 81 点

2回目・3回目の再診

 74 点

4回目以降の再診

 37 点


 整形外科の平均受診回数は、月4回台であるので、4回目以降の再診料を半分に逓減しても、再診料全体の減少は少ないという説明があったが、はたして、実際はどうだろうか。
 下の表のように、再診回数が多いほど、点数が半分になる4回目以降の再診も多くなるので、多数回再診の患者さんが多いほど、再診料全体の減少は、大きくなる。
 従って、再診料逓減制の影響を知るには、平均受診回数だけでは不確かであり、受診回数の内訳を詳しく把握する必要がある。

再診回数

再診料の内訳(:81点  :74点  :37点) 

逓減される再診の回数

 4回

1回分

 8回

5回分

12回

9回分

16回

13回分

【調査の目的】

 再診料逓減制の影響を正確に知るために、再診料の種類(:81点  :74点  :37点)別の再診回数とその割合を調べる。

【調査の方法】

 JCOA会員の整形外科医療機関に対して、平成14年2月の受診回数アンケート調査を行った。


【結果】
170施設から回答が得られた。

【ポイント】                【詳細】


【ポイント】

●再診の種類(月の1回目、2・3回目、4回目以降)別の延べ再診回数とその割合

 再診料が半分となる「4回目以降の再診」は、全体の51.1%と、約半分を占めた。

  一つの医療機関あたりの平均

再診の内訳

延べ回数
(回)

割合(%)

月の1回目の再診

 699.8

23.2%

2・3回目の再診

 773.9

25.7%

4回目以降の再診

1,537.9

51.1%

合計

3,011.6

100.0%

 

再診の延べ回数

割合


●再診料逓減制の影響

 改定前(何回目でも74点)と、改定後(再診料逓減制)の点数による合計点数を比較した。
 再診料の合計点数は、改定前 222,855 点に対し、改定後 170,850 点 となり、
 52,005 点 (23.3%) と大きく減少した。

再診料の合計

再診の内訳

延べ回数
(回)

改定後(再診料逓減制)
の場合

改定前の場合

1回点数

合計点数

1回点数

合計点数

月の1回目の再診

 699.8

81 点

56,681

74 点

51,783

2・3回目の再診

 773.9

74 点

57,266

57,266

4回目以降の再診

1,537.9

37 点

56,904

113,807

合計

3,011.6

170,850

222,855

再診料合計点数の減少


●再診料逓減制を開始する再診回数を変えた場合の試算

 「4回目以降の再診」は、再診全体の51.1%と半分も占めるため、再診料逓減制による
点数減少が23.3%と大きすぎる。
そこで、逓減制を開始する再診の回数を変えた場合、再診料合計点数の減少がどう変わ
るか、試算した。
 その結果、再診料の逓減が「8回目の再診以降」の場合、減少率は、10.7%
12回目の再診以降」なら、4.0% と小さくなった。


 試算の結果

再診料逓減制の対象

全再診に
占める割合

再診料の
合計点数

合計点数の
減少率

 4回目以降の再診

51.1%

170,850

-23.3%

 6回目以降

36.2%

187,407

-15.9%

 8回目以降

25.8%

198,987

-10.7%

10回目以降

18.2%

207,529

-6.9%

12回目以降

12.4%

213,895

-4.0%

改定前

222,855

 X回目以降の再診が全体に占める割合


再診料逓減制が、X回目以降の再診になった場合の再診料合計点数


以上の場合の再診料合計点数 減少率











 





【詳細】

●調査対象の内訳

対象 合計 170 施設

無床診療所

133

有床診療所

25

200床以下の病院

12

●平均再診回数 4.51 回

平均

4.51

中央値

4.41

最小

1.75

最大

12.19

標準偏差

1.37

●平均再診回数の分布

 医療機関により、平均再診回数には、大きなバラツキがある。

平均再診回数

施設の数

割合

2回未満

1

0.6 %

2回台

14

8.2 %

3回台

49

28.8 %

4回台

58

34.1 %

5回台

28

16.5 %

6回台

14

8.2 %

7回台

4

2.4 %

8回台

1

0.6 %

9回以上

1

0.6 %


●初診と再診の割合

平均

全受診
(初診+再診)に
占める割合

全受診延べ回数

3262.9 回

初診での受診回数

251.3 回

7.7 %

再診での受診回数

3011.6 回

92.3 %

再診患者数

699.8 人


●再診料逓減制の対象となる患者の数

 再診料逓減制では、その月の4回目以降の再診では、再診料が半分となる。
 再診料逓減制の対象となる「再診回数が月4回以上の患者数」の割合は、35.8%であった。

再診回数

患者数(人)

割合(%)

3回以下

449.0

64.2%

4回以上

250.8

35.8%

合計

699.8

100.0%

 一医療機関あたり 再診回数ごとの患者数 分布(全医療機関の平均)

再診回数

患者数(人)

割合

再診回数

患者数

割合

1回

243.7

34.8%

15回

6.6

0.9%

2回

138.3

19.8%

16回

5.6

0.8%

3回

67.0

9.6%

17回

5.3

0.8%

4回

54.1

7.7%

18回

5.6

0.8%

5回

29.1

4.2%

19回

5.2

0.7%

6回

22.2

3.2%

20回

3.9

0.6%

7回

20.1

2.9%

21回

3.8

0.5%

8回

19.7

2.8%

22回

3.6

0.5%

9回

13.4

1.9%

23回

3.8

0.5%

10回

12.3

1.8%

24回

0.1

0.0%

11回

11.1

1.6%

25回

0.1

0.0%

12回

10.2

1.5%

26回

0.0

0.0%

13回

8.0

1.1%

27回

0.0

0.0%

14回

7.2

1.0%


●再診の種類(月の1回目、2・3回目、4回目以降)別の延べ再診回数とその割合

上記の「一医療機関あたり 再診回数ごとの患者数 分布」から、
月の1回目の再診・2回目の再診・3回目の再診〜27回目の再診の延べ回数とその割合を算出した。

再診

全再診に
占める割合

再診

全再診に
占める割合

1回目

24.2 %

9回目

3.4 %

2回目

15.5 %

10回目

3.0 %

3回目

10.5 %

11回目

2.6 %

4回目

8.3 %

12回目

2.2 %

5回目

6.4 %

13回目

1.9 %

6回目

5.4 %

14回目

1.6 %

7回目

4.7 %

15回目

1.4 %

8回目

4.0 %

16回目

1.2 %

17回目以降

3.7 %


ここから、月の1回目、2・3回目、4回目以降)別の延べ再診回数とその割合をまとめると、
下表の通りであり、再診料が半分となる「4回目以降の再診」は、全体の51.1%と、約半分を占めた。

  一つの医療機関あたりの平均

再診の内訳

延べ回数
(回)

割合(%)

月の1回目の再診

 699.8

23.2%

2・3回目の再診

 773.9

25.7%

4回目以降の再診

1,537.9

51.1%

合計

3,011.6

100.0%

 

再診の延べ回数

割合


「4回目以降の再診」が全再診に占める割合は、医療機関により、下図のように、バラツキが大きかった。

 特に、「4回目以降の再診」が占める割合が60%以上の医療機関では、平均以上に、
再診料逓減制による再診料合計点数の減少が大きいと推測される。

4回目以降の再診
が占める割合

施設の数

0%〜10%

0

(0.0%)

10%〜20%

3

(1.8%)

20%〜30%

4

(2.4%)

30%〜40%

20

(11.8%)

40%〜50%

51

(30.0%)

50%〜60%

66

(38.8%)

60%〜70%

25

(14.7%)

70%〜80%

1

(0.6%)