前編 外保連試案の理論と実際



第1章 基本的考え方
[1]試案の基本的性格
 1.社会保険診療報酬において、(イ)現行の手術報酬は医療技術のうち最高度の
   価値をもつ手術技術の評価を適切に組み込んでいない。(ロ)それぞれの手術
   所定点数の間に明らかな不均衡を内蔵し、全体としての一貫性を欠いている、
  (ハ)所定点数の定められている手術術式項目の呼び名、分類に不備不明な事
   が多く、(ニ)準用という形式を多用し、穴埋め的に糊塗している点が目立つ。
   本試案では、現行の手術報酬に関する上述の諸欠点を是正し、均衡のとれた
   合理的な手術報酬を求めることを根本方針とした。したがって、平成6年以
   前の手術報酬を改正するための提案を試みることが主目的である。
 2.手術に関する点数表の体系に合理性を与えるため、本試案では手術の基礎要
   素である
   (1)手術技術度区分
   (2)手術直接協力者数
   (3)手術所要時間
   を重視し、すべての手術術式について、これらを基礎資料として整備し、基
   礎的計算因子として利用した。
 3.診療報酬である手術報酬の構成要素を分析し、算定方式を確立する可能性の
   ある部分と、確立不能と判定される部分とに大別した。前者を「手術基礎報
   酬」、後者を「手術付加報酬」と考え、取扱うこととした。
   本試案における基礎報酬の算定は、執刀者人件費、協力者人件費および手術
   間接経費を定めた算出方式により算出し、それらを合計する方式によってい
   る。付加報酬には人件費に関する調整分おび技術料相当分、経常利益、その
   他が含まれるが、これらは一括して「基礎報酬に付加される報酬分」と考え、
   基礎報酬に定率を乗じて算出され、加算される方式を採用した。
 4.本試案において試算一算定一結論された手術報酬は、それぞれの手術術式の
   もつ基礎要素(手術技術度区分、手術直接協力者数、手術所要時間)を包括
   して判定した手術総合評価に一致するもので、これをもって手術報酬改定の
   提案とした。
   (注)この案の指数は、平成6年度を基準にしたものである。したがって、
     実用する場合は、人件費や物価の経時的変動を考慮し、金額に換算する
     操作が必要である。
[2]手術報酬についての基本的理解
 1.手術に付随する麻酔、輸血、ギプス等の診療報酬は手術報酬とは別個のもの
   とする。
 2.手術に際し使用される衛生材料および薬品の費用は、直接物件費として手術
  料金とは別個に算定され、請求出来る。
 3.通常、特殊装置に関する減価償却は特に取り上げられない。但し、そのよう
  な装置の使用を不可欠とする手術については、別途に適当な評価を与えること
  により解決される。例えば、顕微鏡手術、超音波手術、冷凍手術、レーザーメ
  ス使用・内視鏡的手術あるいは腹腔鏡下手術等のごとき場合は、特別な料金が
  加算算定できる。しかし、顕微鏡手術と光凝固術か併施される場合は前者の料
  金のみを加算する。
   その他、医学・医術の進歩により、今後加算すべき項目が多くなると思うが、
  煩雑をさけるため本書はこれにはふれず、専ら手術報酬の基本的算定方式につ
  いて検討することにした。但し、必要に迫られればこの限りではない。
 4.できるだけ煩雑を少なくするため、なるべく一々の術式にとらわれず、疾患
  の根本手術のごとく、総括的表現法を多く用いることにした。例えば鼠径ヘル
  ニアの手術料金は如何なる術式によっても同一に評価されている。
 5.単位手術として手術学的に一貫した計画のもとに行なわれる手術の報酬は、
  手術創、手術野の如何を問わず、その手術の所定料金のみになる。
  その手術の必要に応じて付加される簡単な手術操作技術については加算する
  ことは許されない。
   計画的に時期を異にする手術については、その都度単位手術としての料金を
  加算することができる。
 6.同時に2つ以上の単位手術を併施する場合は、手術創、手術野の如何を問わ
  ず、主たる手術の所定料金に、併施される手術の所定料金の70%を加算する。
   但し、その総合計が主たる手術の所定料金の3倍額を越える時は3倍額で打
  ち切る。
 7.対称器官についての手術は片側手術を単位手術とし、それに応じる手術報酬
  を定めることを原則とする。
   但し、対称器官両側同時手術を建前とする手術術式では、術式欄に(両側)
  と添書きし、それぞれの単位手術として手術報酬を算定する。
 8.所定料金の定められていない手術料金の換算は従来の準用制度による。
  準用制度で処理される手術項目は、可及的速かに、正式項目として所定料金
  を設定するものとする。
 9.緊急のため保険医療機関の表示する診療時間外に行なわれる手術の場合は、
  適当な加算を必要とする。
   時間外とは、午後6時より翌朝午前8時までをいい、そのうち午後10時より
  翌朝午前6時までを深夜とする。
 10.新生児、乳児および幼児に関する手術の料金は、所定料金に適正な加算を必
  要とする。
 11.妊娠後半期における胸部(後腹膜腔を含む)の手術の料金は、適正な加算を
  必要とする。
 12.腫瘍という表現は、良性腫瘍物(ポリープ、嚢胞、母班などの腫瘍類似物を
  含める)を示すことにし、悪性新生物の場合は悪性腫瘍と表現し、明確に区別
  する。
 13.悪性腫瘍手術の区分を「単純」と「広汎」とに分けて取り扱う。
   「単純」とは主病巣の切除、摘出あるいは切断を主とした手術で、特にリン
  パ節清掃を殆んど行わないものを示す。
   「広汎」とは主病巣の切除、摘出あるいは切断と同時にリンパ節清掃を行な
  うものを示す。
   但し、例えば商面、口腔などの悪性腫瘍で、原発巣の手術と同時に局所リン
  パ節清掃を行った場合は広汎と理解するが、更に全頸部廓清術を併施した際は、
  6の項に準じて後者の手術料金の70%が加算できる。
 14.真皮埋没縫合法を伴う創閉鎖を行った場合、顔面、頸部では100分の100を、
  またその他の露出部にあっては100分の50を加算する。
 15.広範囲熱傷に対する植皮術の算定は部位を7局所(顔面・頭部・頚部、右上
  肢、左上肢、右下肢、左下肢、胸腹部、背部)に分け、それぞれの局所におけ
  る植皮面積を加算し、各部位ごとに所定点数を算定する。
 16.培養及膚片作成の費用は別途算定する。
   豚皮、牛皮などの異種移植や人工皮膚移植は処置扱いとする。
   なお、自家移植術と併施した場合は自家移植術の所定点数により算定する。
  ただし、20%以上の広範囲熱傷の場合に限るものとする。
 17.身体外表の変形につき、単なる美容上のためのものでなく、医師が社会生活
  上治療の必要性ありと認めた場合、また身体の機能的改善を主な目的とする場
  合は、保険給付の対象とすることができる。
 18.第3版及び3版追補においては、最近一般化してきた内視鏡下手術報酬を外
  保連の立場で取り上げたが、第4版試案ではその後更に多くの手術が一般化さ
  れていることを鑑み、取り入れることにした。
 19.クリーンルームを使用した場合は50%加算する。ただし手術室NASAの規
  格及び対象疾患は別に定める。
[3]基凄資料の整備
手術報酬の設定に必要な基礎資料として、次の4項目に関する表を作成した。
 1.手術術式の分頚とコード番号
  (1)現在施行されている手術術式で、手術報酬設定が必要と考えられるものを、
    すべてを収録した。
    大部分は単一疾患にたいする「単位手術」であるが、一部にはしばしば組
    み合わせ施行される「複合術式」も採用してある。
  (2)「移植術」という表現は移植を主体とする手術手技が総合されているもの
    とする。
  (3)術式毎のコード番号化の要領
    外保連試案第4版を作成するにあたり、手術項目以外に処置および生体検
    査部門を含めることにしたので、コード番号を6桁とした。
    (イ)最初の2桁は大区分番号で、臓器組織区分を示す(外保連試案の目次
       後編手術項目分類と手術報酬の臓器組織区分コード番号00〜68を用い
       る)。
    (ロ) 01 穿刺(試験)  02 穿刺(吸引)  03 穿刺(注入)
        04 止血      05 結紮      06 縫合
        07 縫縮      08 クリッピング 
        10 切開      11 切離      12 焼灼
        13 凝固      14 掻爬      15 剥離
        16 開窓      17 試験開腹    18 試験開胸
        19 試験開頭
        20 ブジー     21 拡張      22 挿入
        23 導入      24 留置      25 整復
        26 固定      27 固着      28 充填
        29 塞栓
        30 異物除去    31 結石摘出    32 試験切除
        33 切除      34 摘出      35 切断
        36 郭清      37 穿孔      38 結石破砕
        40 採取      41 開放      42 拡大
        43 捻除      44 縮小
        50 吻合      51 造設      52 修復
        53 再建      54 移行      55 被包
        56 閉鎖      57 矯正      58 授動
        59 減荷
        60 接合      61 置換      62 減圧
        63 延長      64 制動      65 シヤント
        70 形成      71 植皮      72 皮弁
        80 移植
        90 娩出
        00 その他
    (ハ)最後の2桁は小区分内での一連番号を示す。
       なお、外保連試案第4版においては、手術、処置および生体検査の統
       一性を表すために、手術(S)、処置(T)、生体検査(P)を示す
       (S)、(T)、(P)をI nitial cord として付記する。
 2.手術技術度区分
 (1)手術技術度区分は、執刀者が自らの主体的判断で手術を施行することがで
   きるという基準を、その専門領域における経験年数をもって示したもので
   ある。
   ある患者に、ある手術を施行する場合、症例毎に難易の差のあることは当
   然であるが、あくまで平均的な難易の程度を基準とし、その手術の技術度
   区分としてある。
   換言すれば、誰でもできるというものでなく、術者がその手術を自主的に
   遂行し得る十分な知識、技術、経験を具備するのに必要な平均的年数を表
   したものである。
 (2)手術技術度により手術術式を、第1群より第10群までの普通群と、それ以
   上の特群とに分類した。
   普通群では第1群より第10群までは順次に段階的に難度が上昇するものと
   考える。特群に属する手術術式は、それぞれの設備および技術難易度にば
   らつきが大きく、普通群のように段階的区分が簡単にはできない。しかし、
   保険給付という観点に立って数群に区分して取り扱う方針とした。
 3.手術直接協力者数
 (1)手術執刀者以外で、手術に直接協力する医師および看護婦の平均所要人数
   を直接協力者数として、各手術術式毎に定める。
 (2)医師は手術介護者の数、看護婦は手洗いおよび外回りを含めた数とする。
 4.手術所要時間
 (1)手術時間は手術開始より手術終了までの執刀者の平均所要時間に、手術前
   後に術者が消費する若干の時間を加え、手術所要時間として、各手術術式
   毎に定める。
 (2)取扱いの便宜のため、1/4 時間(以内)、1/2時間(以内)、1時間(以
   内)、1.5時間(以内)、2時間(以内)、3時間(以内)、4時間(以
   内)、5時間(以内)、6時間(以内)および6時間超とする。
   6時間超の時間区分の取扱いについては別に定めることとするが、多くは
   6時間区分までに収まる。
   (注)2、3、4は、すべて「平均的なものをもって、手術料算定資料と
      し、利用する」という趣旨で設定されたものである。従ってそれ以
      外の場に応用することは不適当であると考える。


第2章 具体的仕組みの検討に
        当っての考え方
[1]手術術式の普通群と特群の取り扱い
  1.基礎資料の整備の項ですでに述べたが、手術技術の難易の質によって、手術
    術式を普通群と特群とに大別した。
  2.普通群について手術料算出の方式を確立し、それにより得られる手術報酬算
    出値をもとに特群手術の手術報酬算出方式を、普通群とは全く異なる方式を
    設定して計算した。
[2]手術報酬の構成と内容の検討
  1.手術報酬は次の各項の総和に相当するものと考える。
    T 手術費……手術の直接費用に相当するもの
    U 手術室管理運営費……手術の間接費用に相当するもの
    V その他の費用
    W 経常所得
  (1)、(2)、(3)を合計したものが経費である。
  2.その内容を項目分類し、経費部分を人件費と間接経費とに編成替えすると、
    表1のような関係となる。


   (注1)引当金
         人件費引当金は、月俸給のほかに必要とされる賞与、厚生費、退
        職金等について、あらかじめ計上される費用である。
         その他の引当金としては、手術に関しては(イ)将来の不測の危険
        に対する保障、(ロ)将来の発展を生む為の手段、などに対するもの
        がある。
   (注2)租税公課と法人税等
         固定資産税、都市計画税、不動産所得税、法人事業税などの都道
        府県、市町村に納める税金。
         法人税等とは、税引前所得に課せられる法人税と住民税である。
   (注3)税引後所得
         手術活動の必然的な成果としての経常所得から法人税等を差引い
        た残りで、真の利益である。
         この利益の処分は自由であるが、目的に沿って内部留保(積立準
        備)の分と、外部に配分される分とにわかれる。
[3]人件費の内容の検討
  1.人件費の算出には、諸手当を含む俸給として、一般的に月例的なものに、賞
    与・厚生費・退職金などの臨時的なものの割分を加算する方式をとる。
  2.手術に特別関係のある執刀者および協力者の人件費には、そのはかに手術技
   術料の評価が加味されなければならない。
  3.本試案では執刀者および協力者の人件費を
     (1)国家公務員医療職俸給をもとに算出される人件費
     (2)算出上の不備を補足するための調整費
     (3)手術技術料の評価
    の総和に相当するものと考える。
  4.人件費算出上の不備について
  (1)本試案において組込まれている人件費算出法では、計算のもとに国家公務
     員俸給表一医療職第1表を利用している。
      医師俸給に関して最もまとまりある資料であり、これに代わる適当なも
     のが他に見当たらないからである。
      しかし、国家公務員給与ベースは、民間のそれと比較すると概して低く、
     特に医界においては差が著しい。
     それによって生じる算出上の落差は、調整されなければならないもので
     ある。しかし、具体的に適正な格差補正分を算出することは不可能である。
  (2)さらに、次のような矛盾も含まれる。
     社会保険診療の報酬はすべて対物報酬である。手術報酬についていえば、
     “この手術にはこれだけ支払う”ということで、“この人か執刀したから
     これだけ支払う”ということではない。
      本試案における執刀者人件費の算出方法でも“この手術は臨床経験]年
     の医師が執刀する技術度のものであるから、執刀者人件費の算出はその年
     数を計算根拠として算出する”という仕組みである。
      実際の場で手術を執刀する医師の経験年数は、試案の仕組みとは全く無
     関係で、一般的にいって、はるかに経験年数の豊かな執刀者が、ずっと経
     験のすくない医師が執刀したとして計算される執刀者人件費しか支払われ
     ないことが日常的になっている。この落差分は調整されなければならない
     ものである。しかし、具体的に落差補正分として算出することは不可能で
     ある。実際の執刀者の経験年数がすべて異なるためである。
  (3)協力者人件費の場合も、前項(2)と全く同様の問題を抱えている。
      本試案の協力者人件費の算出は後章に詳述されるが、方式確立上の策と
     して、平均的な経験年数を用いた。
      しかし、実地臨床の場においては、前項(2)と全く同様に、現実に介助す
     る医師および看護婦の経験年数は仕組みのそれをかなり上廻るものである。
      この落差分も調整されなければならないものである。しかし、(2)と全く
     同様な理由で、具体的に補正分を算出することは不可能である。
  5.手術技術料の評価
  (1)手術技術料は執刀および介助により発揮される技術に対する評価である。
     それぞれの人件費に包括せられるべき性質のものである。
      したがって、当事者に支払われるもので、人的経費の一部分として経費
     に包括せられなければならない。
  (2)一般に、人件費には受給者が就業中に発揮する技術行為に対する評価が盛
     り込まれていると解釈される。
      したがって、医師の場合にも、その人件費算出値には医師技術の平均評
     価値が含まれていると理解される。
      しかし、各種医療技術のうち最高の評価に値する手術技術評価が含まれ
     ているとは考えられない。手術技術と医師平均技術の評価の差が格段のも
     のであることは自明のことで、この格差に関する分が手術技術料として正
     当に評価され、人件費に盛り込まれなくてはならない。
  (3)従来より、いずれの領域においても技術報酬の問題は解決がむづかしく、
     手術技術料についても例外ではない。要は、無形の技術を金額に算出する
     ことに根本的に無理があるためである。
     手術報酬算出における手術技術料の評価の具体的仕組みを確立することは、
     むしろ不可能と考えられる。したがって、執刀者の場合、協力者の場合も、
     算出可能な単純人件費計算を算出し、それに一定の率をもった技術料相当
     分を加算する。という便法を採用しなければならない。
[4]手術報酎算出のための項目の再編成
  1.以上の検討にしたがって、本試案では手術報酬の項目分類を手術報酬に適合
    するよう再編成を試みた。その要点は、算出可能と考えられる項目部分をま
    とめて手術基礎報酬とし、その他の算定困難と考えられる項目部分をまとめ
    て手術付加報酬(基本部分につけ加える部分という意味)とすることにある。
  2.手術報酬の内容を手術報酬算定に適合するように表2の如く再編成した。


  3.表2の検討
    手術報酬算定手段として採用した基礎報酬と付加報酬という区分と、従前か
    らの経費の取得という区分との関係が明らかに読みとれる。両区分の関係は、
    (1)手術経費の部分を、「算出可能な項目の部」と「算出不能な項目の部」
       に区分し、
    (2)「算出可能な項目の部」を基礎報酬と呼び、
    (3)「算出不能な項目の部」と「所得の部」を包括して、付加報酬と呼んだ。
    (4)したがって、次の関係が成立する。
       手術経費+手術所得=手術基礎報酬十付加報酬
    至型撃墜   手術所得十経費の算出不能分   付加報酬
    ──── < ───────────── = ────
    手術経費   手術経費ー経費の算出不能分   基礎報酬
  
       所得    付加報酬
     ∴ ──比 < ────比
       経費    基礎報酬

    (5)手術報酬算定の具体的仕組みに関係することである。
[5]手術報酬の算出手順
  1.第1段階は普通群について、第2段階は特群について、第3段階として普通
    群と特群との算出額をつき合わせる順序になる。
  2.普通群においては、基礎報酬額を定められた方式により算出し、ついで一定
    の比率を基礎報酬額に乗じて付加報酬額を包括的に算出し、両者を合計した
    ことで手術報酬額を決める。
     付加報酬に含まれる項目は、どれ一つとっても説得力のある算出結果を得
    ることがむずかしいと考えられる。
  3.すべての手術術式について、手術報酬額を算出する手順は、
  (1)普通群手術の報酬額の算出
   (イ)執刀者人件費の算出
   (ロ)協力者人件費の算出
   (ハ)間接経費の算出
   (ニ)基礎報酬額の算出…………(イ)+(ロ)+(ハ)
   (ホ)付加報酬額の算出…………(ニ)×]%
   (ヘ)手術報酬額の算出…………(ニ)+(ホ)
      以上から、doctor feeとhospital feeの算出も可能である。
  (2)特群手術の報酬額の算出
  4.次章においては、それぞれの算出方式を具体的に決定し、手術報酬額の算定
    を可能にする。


第3章 具体的仕組み
 [1]執刀者人件費の算出方式
   1.ある手術に関する執刀者人件費は、その手術に定められた手術技術度区分と
     手術所要時間を基礎資料として、
     ┏医  師┓   ┏医 師 経 験 年数┓
     ┃    ┃ × ┃        ┃ × [所要時間]
     ┗給与係数┛   ┗給与・技術度指数┛
     により算定される。
   2.医師給与係数は、初任医師に関する年間総給与額を年間実働総時間数で除し
     て得た数値(円/時)を当てる。
   3.医師経験年数給与指数は、国家公務員俸給表叶−医療職第1表をもとにし、
     医師初任給(1級4号俸)を指数1.00とした時の、それぞれの経験年数に応
     じる指数を使用する。
 [2]直接協力者人件費の算出方式
   1.直接協力者人件費の算出は、協力者数に応ずる条件設定にしたがって、協力
     者個々についての算出額を合計して決定する方式とする。
   2.協力者数に応ずる条件設定を第4版試案では、次のように設定する。
   (1)医師1:看護婦1の割合を基準とする。但し、協力者第5人目からは医師
      の増加として取り扱うこととする。
   (2)第3版試案までは協力者医師の経験年数が考慮されていないことを鑑み、
      後述のように調整率に変え、協力者数増加指数を用い算定することにした。
   3.直接協力者のそれぞれの人件費は、
      ┏ 協力者 ┓   ┏協力者増加┓
      ┃    ┃ × ┃     ┃ × [所要時間]
      ┗給与係数┛   ┗ 指 数 ┛
     により算出され、その合計値がその手術の協力者人件費として算定される。
   4.直接協力者給与係数は、医師及び看護婦の初任給(月額手当を含む)の平均
     値を原資とし、その単位時間当りの額(円/時)をもって当てる。
 〔3]手術間接経華の算出方式
   1.手術間接経費に包括せられる減価償却費、医療機器等修理費、建物維持管理
     費、公課、金利、その他などにつき、必要な経費を算出する代りに、全体を
     建物設備的経費と、手術室の運営稼働的経費に分配して算出する方式を採用
     する。
   2.手術室の建物設備は、手術室の構造、広さ、設備の程度、その他の諸条件に
     よって、施設毎に千差万別であるが、全体的に見渡して、次のような数クラ
     スのモデルを設定することができる。
     (初級) 技術度区別第1群および第2群の程度の手術に必要とする設備と
          しての外来小手術室。
     (上級) 全身麻酔を利用することの多い技術度区分
          第4群〜第10群の手術に必要とする設備としての入院手術室。
     (特級) さらに高度の技術度区分である特群の手術に必要な高等特殊手術
          室。
     以上の各クラス手術室に関する建物設備的経費を算出し、参考資料とする。
   3.つぎに、各クラス手術室とも、取り扱う手術の技術度区分が上昇するにつれ
     て利用する備付器材は次第に高度化、多様化する実態から、運営稼働的経費
     については技術度区分群の上昇にしたがい段階的に増加するものと考える。
   4.以上の2の3とを抱き合わせて考えると、単位時間当りの手術間接経費は、
     最も簡単な設備および器材で実施可能である技術度区分第1群の場合に最低、
     それより区分群が上に進むにつれて次第に増加する、と考えるのが妥当であ
     る。
     本試案における手術間接経費の算出の方式は、その線に沿って設定された。
   5.手術間接経費は、
                 ┏手術技術度区分┓   ┏手術室占有┓
     [手術間接経費係数]× ┃       ┃ × ┃     ┃
                 ┗ 間接経費指数 ┛   ┗ 時 間 ┛
     により算出される。
   6.手術間接経費係数は、上級手術室を使用して実施される手術技術度区分第10
     群につき算出される間接経費額を当てる。単位は円/時とする。
   7.手術技術度区分毎の間接経費指数は、区分第10群のそれを1.00とし、それぞ
     れの区分に応ずる指数を別途にさだめ使用する。
   8.手術室占有時間数は、その手術に定められた所要時間に定率加算をすること
     により別途に決められる。ただし、その加算時間は最長2時間までとする。
     付加報酬
 [4] ───── の比率の決め方
     基礎報酬
      所得
   1. ─── の比率を参考にする。
      経費
   (参考1)社会保険診療課税の特例措置について
    手術報酬問題も保険診療の枠内で論議される性質のものであるから、特例措
     置の経費と所得の関係の数字を参考資料とすることができる。
     特例措置では、医療における経費と所得を、
      必要経費     72     所得      28
     ────── = ─── → ───── = ───
      医療報酬     100     医療報酬    100
     としている。従って、
       所得      28
     ────── = ─── = 38.89%
      医療報面     72
     この数字関係は現在なお論議されているところではあるが、何れにしても税
     制に関するもので、そのまま手術報酬算定に持ち込むわけにはいかない。
   (参考2)産業界における損益計算の利益率について


    企業における各段階の利益率(日経新聞社NEEDS 平成6年度)

   (注1) 経常所得        経常利益
      ─────── の比は、────── の比に内容的に最も近い。
        手術報酬       売上総利益

   (注2)手術報酬の内容は、製造業よりも非製造業に近似しているので、こ
       こで最も参考になる数字は、
                経常利益
       非製造業における──────=14.98%
                売上総利益
       である。
            利益     15
       従って、──── ≒ ─── =18%
            経費     85

       である。営利追求を目的とする企業における数字を、そのまま手術
       報酬算定に持込むことは無理であるが、一種の指標ではある。

     付加報酬
   2.───── の比率について
     基礎報酬

   (参考3)   付加報酬      手術所得
          ───── 比 > ───── 比
           基礎報酬      手術経費

   (参考4)特に検討を要する項目について
       次の項目について医療機関の性格によって、全く無関係のものであ
       る。
       a1 租税公課    \
                   >  ………税金関係
       a2 法人税、住民税 /
       b  支払利息       ………金融関係
       c  外部配分所得     ………利益処分規則
    他方、本試案での手術報酬算定の方式づくりでは、それらの条件をすべて満
    たすような設計のもとに作業は進められられている。例えば、税金では税法
    とおりの納税額を、資本については金額を借入金によるものとして計算され
    る支払利息額を、また適当な額の設立準備金と配分利益が含まれる税引後所
    得額を、それらがすべて手術報酬に経常されるように組立ている。
     以上のことは、すべての項目を100%に見込んで算定された手術報酬が、
    ある項目に全く無縁な医療機関にも当てはめられることになるので、そのよ
    うな場合は手術報酬収益に明らかに「だぶつき」現象が表れることになる。
     このことは、実質経費と適正所得の合計による手術報酬を目標とする本試
    案にとって大きな矛盾点である。
     手術付加報酬/手術基礎報酬の比率の決定に際して、この点についての配
    慮も必要となる。
   3.まとめ
    この問題を数理論で解決することは不可能である。不定要素が多数入り込ん
    でいるからである。
     参考(1)、(2)、(3)、(4)をもとに、諸般の事情を充分に考慮、必要な
    らば試案を繰り返し、その結果を慎重に検討することが求められる。
 [5]特群における手術報酬の算出方式
  1.特群手術の報酬は
    ┏同じ協力者数と┓
    ┃同じ所要時間の┃ × ┏特群区分毎の┓
    ┗10辞手術の報酬┛   ┗ 対10群指数 ┛
    により算出される。
  2.特群区分毎の対10群指数の決め方
   (1)まず同じ協力者数の第1群より第10群に至る手術シリーズで、単位時間当
      り報酬額を算出し、それをもとに第10群指数を1.00とした場合の各区分群
      の対10群指数を求める。
   (2)ついで、特群手術の協力者数が4〜6人という実態をもとに、それぞれの
      協力者数毎の各区分群の対10群指数のばらつきを観察し、協力者数の基準
      を設定し、その協力者数の場合の各区分群の対10群指数を参考因子として
      採用する。
   (3)ついで、第10群より上に第11〜20群という仮設群を想定し、これらの区分
      群に与えられる対10群指数を、前項の普通群の対10群指数を参考とし、次
      のグラフに示される要領で適正に決定する。

   (4)特群区分1〜6群を仮設区分群11〜20群のいずれかに同定することにより、
   特群区分毎の対10群指数を決める。
  3.以上により、特群手術区分 −協力者数−所要時間の組合せ毎の手術報酬
   の算出は可能となる。
 [6]手術総合評価および手術報酬の決め方
  1.本試案では、手術報酬の算出の基礎因子である技術度区分、直接協力者数、
    手術所要時間を各手術毎に定め、これらの計算因子とする算出方式を設定し、
    手術報酬を算定する方式を採用した。手術術式に与える手術報酬の評価を可
    能な限り合理的、かつ均衡を保つようにしたからである。
  2.その結果、とにかく一定の方式で試算することのできる仕組みをまとめるこ
    とができた。この算出法で得られる試算値は、現時点における適正な手術報
    酬として提案可能なものと考える。
     そして、それは手術に対する総合評価として扱うことのできるもので、手
    術の基礎因子(技術度区分−協力者数−所要時間)の組み合わせに与え
    られる総合的評価を判定したものに数値の端数を整理して手術料金を決定す
    る。


第4章 原資と試算
[1]執刀者人件費について
  1.執刀者人件費は
   ┏医  師┓   ┏ 医師経験年数 ┓
   ┃    ┃ × ┃        ┃ × [所要時間]
   ┗給与係数┛   ┗給与・技術度指数┛

  2.医師給与係数の決め方
  (1)医師給与係数は、初任医師に関する年間総給与額を年間責任実働時間で除
     して得た数値(円/時)を当てる。
  (2)初任医師の年間総給与額については
    @ 初任医師の俸給月額としては国家公務員俸給表−医療職第1表におけ
      る1級4号俸を基準とする。
    A 初任医師の給与月額は、俸給月額に諸手当月額を加算したものによる。
      (平成6年度)
        俸給月額(1級4号俸)────────────── 250,500円
        扶養手当(妻のみ)─────────────── 16,000
        調整手当[(俸給月額十扶養手当)]×10% ─── 26,650
        住居手当 ─────────────────── 27,000
        初任給調整手当 ──────────────── 159,600
       ──────────────────────────────
                    合 計          479,750円
    B 初任医師年間総給与額の算出には、月額給与以外の諸人件費(賞与、厚
      生費、退職金など)を加える必要がある。その割合は
         初任医師月額給与        1.0
         賞 与 月 割         0.26…………(資料1)
         厚 生 費 月 割       0.18…………(資料2)
         退 職 金 月 割       0.04…………(資料3)
                   計     1.48≒1.5
    C 初任医師年間総給与額は、
          479,750円×1.5×12月
  (3)医師の年間責任実働総時間数は、
    @ 年間勤務日数として、土、日曜102日、祝祭日12日、有給休暇20日、年
      末年始6日の合計140日を 365日より差し引いた 225日をとる。
    A 勤務日め1日実働時間を6時間とすると、
    B 年間実働総時間数は、
         225日×6時間=1,350時間
  (4)以上の原資を基にすると、医師給与係数は
         479,750×1.5×12
        ────────── = 6,400円/時
            1,350  
  3.医師経験年数に応ずる給与指数の決め方
    第3版試案においては、国家公務員俸給表を基に(昭和62年度)、1等級7
    号俸(医師初任給)を指数1.00としそれぞれの経験年数に対応する給与指数
    を算出している。しかし、この試算は経験年数による手術技術が反映されて
    いないため、新たに医師経験年数給与・技術度指数を導入し、以下の執刀者
    人件費の算出を行った。[(注)参照]
  4.執刀者人件費の試算
     [医師給与係数]×[医師経験年数給与・技術度指数]×[所要時間]




(注)給与指数は卒後3年を1.00(平成6年度、1級4号俸を基礎とする)とし、
   それぞれの卒後年数に該当する俸給を1級4号俸の額で除して求める。
   技術度指数は、経験年数1年(卒後3年)を1.00とし、3年毎に 0.5ずつ
   上昇させ、その間を比例配分して求める。
   従って給与・技術度指数は給与指数×技術度指数で求める。
   外保連試案第3版の執刀者人件費については、卒後年次の医師俸給にて技
   術度区分に給与指数で算出している。しかし、この算出方法は各卒後年次
   に対する医師の経験年数による手術技術度を適正に反映させていない。従
   って第4版試案では卒後3年目を1.00とし12年目迄の手術技術度を比例配
   分し手術技術度指数とした。
   給与指数と技術度指数を乗じて給与・技術度指数とし、これに給与係数を
   乗じ各技術度区分における執刀者人件費とした。


 [資料1]賞与月割(0.26)の算出の根拠
  1.国家公務員期末手当等の割合
     期末手当(俸給月額+扶養手当+調整手当)×4.0ヵ月
′    勤勉手当(俸給月額十調整手当)     ×1.2ヵ月
   2.国家公務員医療職の賞与期末手当
     期末手当(250,500十16,000十30,050)×4.0 =1,172,600
     勤勉手当(250,500+26,650)    ×1.2 = 332,580
    ────────────────────────────
                     計     1,505,180
   3.賞与月額(月収換算率)の算定
     1,505,180÷12÷ 479,750=0.26


 [資料2]厚生費月額(0.18)の算出の根拠
  1.国家公務員(平成6年度)の平均厚生費(月当り)の対現金給与(含賞与)
    比率は13.9%
  2.月額給与に対する厚生費月割率は
         1.0+0.26
    13.9%×─────── ≒17.5%=0.18
           1.0
 [資料3]退職金月額(0.04)の算出の根拠
  1.国家公務員退職支給率の対月収換算値は、大学卒、勤続10年、自己都合で退
    職の場合、 4.6ヵ月分である。
  2.それを月額給与に対する比率に換算すると、
      4.6月 
    ─────── ≒ 004
     10年×12月
[2]協力者人件費について
  1.協力者人件費は
    [協力者給与係数]×[協力者数増加指数]×[所要時間]
  2.協力者給与係数の決め方
   1)医師および看護婦のそれぞれ経験年数3年(医師は卒後5年)の給与の平
     均値を原資とし、協力医師および協力看護婦それぞれ1人が任に当たった
     場合の1時間当たりの額(円/時)をあてる。
   2)医師は経験年数3年(卒後5年)の執刀者人件費を当てる。
     9,280円/時
   3)看護婦は勤務開始後3年目の給与月額(平成6年度国家公務員医療職俸給
     表(三)2級4号)より次の様に決める。
       俸給月額 192,600円
       調整手当  19,260円
      ────────────
       合計   211,860円
     時給は、総給与年額/年間実働総時間数=
          211,860×1.5×12/1,350= 2,820円/時
   4)したがって、協力者給与係数は、9,280+ 2,820=12,100円/時となる。
  3.協力者数増加指数の決め方
   協力者数の増加に応じた実際の協力者職種配分に沿って協力者数2(医師
   1:看護1)から6(医師4:看護婦2)迄の費用を算出し、グラフ上から
   得られた近似曲線から各協力者数での指数を決める。指数は協力者数2
   (12,100円)を1.00として算出する。協力者数1の人件費は、この近似曲線
   を外挿して求める(図1、表3)。


  4.協力者数に応ずる協力者人件費合計の試算
    [協力者給与係数]×[協力者数増加指数]×[所要時間]
    第3版試案の[3]人件費の内容の検討の4、人件費算出上の不備について
    うち(3)めように、協力者人件費の算出方式確立上、協力数に応じて自動
    的にその経験年数が決まるよう仕組まれている。しかし実施臨床の場におい
    ては、現実に介助する医師および看護婦の経験年数はそれよりかなり上廻る
    ものと指滴している。
    第4版試案では、これらを考慮し現在適正と思われる医師の臨床経験年数を
    加味した方式を用いた。即ち協力者数に関しては手術難易度に関係なく、そ
    の施設の構成医師および看護婦の勤務状態に応じて決めているのが現状であ
    ると思う。従って協力者はその数の増減に関係なく平均して、卒後5年目の
    医師と卒後3年目の看護婦が当る事とし、協力者数2(医師1:看護婦1を
    基準とし)から6名(医師4:看護婦2)迄での費用を算出し、グラフ上
    (図2)から得られた近似曲線から各協力者の指数を用いた。なお、協力者
    数1名の場合は医師が当る場合と看護婦が当る場合を考慮し、近似曲線を外
    挿して求めた。また、医師人件費の算出には執刀者医師人件費の算出と同じ
    給与・技術度指数を用いた。


[3〕手術間接経費について
  1.手術間接経費は
           ┏ 技術度区分 ┓ ┏ 手術室 ┓
  [間接経費係数]×┃      ┃×┃    ┃
           ┗間接経費指数┛ ┗占有時間┛
    により算出される。
  2.手術間接経費係数め決め方
  (1)手術間接経費係数には、上級手術室において技術度区分第10群の手術が行
     われる際に必要とする間接経費額(円/時)を当てる。
  (2)区分第10群の手術を対象とした1時間当り間接経費は、
              (手術部年当り間接経費)
       ─────────────────────────────
       (年間実働日数)×(手術室1日稼動時間)×(年間平均利用率)
  (3)手術部年当りの間接経費は
      手術部年当り費用の槻算表        (資料3)
      開設費用の概算表       (資料6および付表)
      建物維持管理費設定根拠         (資料7)
      医療機器修理費率設定根拠        (資料8)
      金利年額算定根拠            (資料9)
     などの参考資料をもとに、次のように概算される。
       減価償却費            2,151.9万円
       医療機器等修理費         1,522.4
       建物維持管理費           594.5
       公 課               373.1
       金 利              2,032.4
      ──────────────────────────
                  合計    6,674.3万円
  (4)(2)の算式の分母の項目は次のように取り扱う。
       年間稼動日数(365−120)= 245日
       手術室1日稼動時間     7時間
       年間平均利用率       50%
  (5)間接経費係数は、次のように算定される。
       66,743,000円
      ──────── = 7,783.4円/時
       245×7×0.5
  3.手術技術度区分間接経費指数の決め方
  (1)手術技術度区分第10群の間接指数を1.00とし、その他の群のそれに応ずる
     指数を決める。
  (2)まず第1群の次の方式に従って決める。
   (イ)第1群の間接費指数は、第1群について1時間当たり間接経費と第10群
      のそれとの比率により算定される。
   (ロ)第1群の1時間当たり間接経費は、第10群のそれと同様に次式により算
      定される。但し、算定根拠としての原資の一部は第10群の場合とは別の
      ものになる。
                (外来手術室年当り間接経費)
      ─────────────────────────────────
      (年間実働日指数)×(外来手術室1日稼動時間)×(年間平均利用率)
   (ハ)外来手術室年当り間接経費は
       外来手術室年当り費用の概算数      (資料10)
       外来手術室開設費用の槻算数       (資料11)
       建物維持管理設定根拠          (資料7)
       医療機器修理率設定根拠         (資料8)
       金利年額算定根拠            (資料9)
      などの参考資料をもとに、次のように概算できる。

       減価償却               293.5万円
       医療機器等修理費           244.4
       建物維持管理費            173.3
       公 課                164.9
       金 利                387.7
      ──────────────────────────
                   合計    1,263.8万円
   (ニ)ロ)の算式の分母は次のように取り扱う。
       年間稼動日数(365−120)= 245日
       1日稼動時間         5時間
       年間利用率          50%
   (ホ)技術度区分第1群の1時間当り間接経費は、
        12,638,000
       ─────── = 20,630円/時
        245×5×0.5
   (ヘ)第1群の間接経費指数は、
        20,630
       ───── ≒ 0.27
        77,834
  (3)第10群指数1.00、第1群指数0.27を上下の基点として、それぞれの技術度
     区分群に対応する指数を表5のように段階的に決定する。


  4.手術室占有時間数の決め方
    基礎資料として定められた手術所要時間に一率に30%加算することにより、
    それぞれの手術の占有時間をきめる。
    但し、30%加算が2時間を超す場合は2時間で打ち切られるので、所要時間
    7時間以上の手術では一率に2時間加算とする。


  5.手術間接経費の試算
     [間接経費係数]×[群別間接経費指数]×[手術室占有時間]
    =77,834円/時×[群別間接経費指数]×{1.3×[所要時間]}
    =77,834円/時×1.3×[群別間接経費指数]×[所要時間]
   (4.手術室占有時間数の決め方において、手術時間6時間まで30%の定率
    加算を認めるが、所要時間7時間以上の場合は定数加算2時間とするとあり、
    従い7時間以上の場合は1.29、8時間は1.25、9時間は1.22、10時間は1.20
    となり、各自それぞれ間接経費(円/時)の試算が必要になる)。
    6時間までの係数=77,834円/時×1.30=101,184円/時(30%加算)
    7時間の係数  =77,834円/時×1.29=100,406円/時(2時間加算)
    8時間の係数  =77,834円/時×1.25= 97,293円/時(2時間加算)
    9時間の係数  =77,834円/時×1.22= 94,957円/時(2時間加算)
    10時間の係数  =77,834円/時×1.20= 93,401円/時(2時間加算)


[4]普通群における手術報酬額の試算
 1.基礎報酬額を、執刀者人件者費、協力者人件費および間接経費のそれぞれの
   試算額を合計することにより求められる。


 2.付加報酬額の試算
   付加報酬
  ────── 比率及び試算の検討をもとに、諸般の資料を参考として、包括的
   基礎報酬
   に付加報酬率を30%と決める。


   以上より試算した手術報酬額の、手術技術度、協力者数および手術所要時間
   による早見表一覧表を作成して使用に便宜を与えた(普通群の手術報酬試算
   一覧表を参照)。

(注1)費用を詳述するならば保険料(火災保険、医師賠償保険など)や手術衣、洗
    濯料、消耗品など色々あるが、ここでは特に触れないものとする。
(注2)区分第10群の難易度の高い手術を行なう施設規模では手術室が単独で活動で
   きるのでなく、管理事務部門、機器整備(士)、あるいは中材など各種の部
   門がこれを支えている。従ってここに触れていないか本来は診療報酬点数の
   ない部門の費用は、これを利用する場合において配賦を負担するのが原価の
   考え方である。念のため注記する。


(注)開設費用は土地の取得から実際に病院が開院するまでの期間費用であるから、
   その期間が何年になるかは重要である。つまりここでは総ての資金を借入れ
   による設定であるから当然その間に金利が発生し、土地には課税され、一般
   管理費用がかかる。従って具体的に建設を検討する場合は上記以外に土地の
   保有経費として年当り土地取得費の10%(税法上可)位を見込んで置く必要
   がある。


〔医療機器等明細〕 区分第10群相当
 手術室付帯設備
   (1)無影灯            250万円
   (2)手術台            500万円
   (3)手洗装置           330万円(3名用)
   (4)手術用椅子           10万円
   (5)手術用顕微鏡(移動型)    900万円
   (6)電気メス(パイポーラ)    230万円
   (7)移動型]線装置       1,500万円
   (8)オートクレイブ       1,700万円
   (9)手術用機器類等       1,500万円
  ───────────────────────
         合   計      6,920万円



(資料5〕 建物維持管理費設定根拠
 資料:「最新ビルの経営と管理」(ビル経営研究会編)
    「ビルの建設・経営・管理」
(イ)管理料(共益費:清掃、空調、設備運転、保守、動力など)
    設定単価  6,099円/坪・月・専用面積
        (6,099円は昭和62年度→平成6年度までの物価スライド制による)
(ロ)維持費(設備更新、改修、修繕など)
    建築費の1% 21,358万円×0.01= 213.6万円
(ニ)合計維持管理費
     69.39坪×0.75/専用面積×0.6099万円×12カ月= 380.9万円
                          合計 594.5万円/年


(資料6〕 機器修理費設定根拠
  厚生省の機器修理費率は昭和54年以降公開されないため、止む得ず外保連試案
 第3版(昭和62年度)の資料を用いた。すなわち22%とした。



(資料7) 金利年額算定根拠
1.土地購入費等
  (6,939万円+6,939万円×0.7×0.09(税))×0.07= 516.3万円
2.建築費等
 (1)建物(償却対象分)
   (9,184万円×0.9+9,184万円×0.8×0.09)×0.07037= 628.2万円
   同(残存価格対応分)
    9,184万円×0.1×0.07=64.3万円
 (2)設備(償却対象分)
  (12,174万円×0.9+12,174万円×0.8×0.09)×0.10989=1,300.3万円
   同(残存価格対応分)
   12,174万円×0.1×0.07=85.2万円
 (3)医療機器等
  @ 償却対象分    6,920万円×0.9×0.24389=1,518万円
  A 残存価格対応分  6,920万円×0.1×0.07=48.4万円
  B @+A= 1,567.3万円
3.合 計    4,161.3万円
4.減価償却費引当分控除
  4,161.6万円−2,151.9万円=2,009.7万円
 (注)開設費用全額を借入金でまかなうものと仮定し、その耐用期間中に、元利
    均等返済を行うものとして計算した。金利は7%とする。


(資料10〕 外来手術室金利年額算定根拠
 1.土地購入代金利
  {(2,727万円+2,727万円×0.7×0.09)}×0.07= 202.9万円
 2.資産償却分(90%)の元利均等償却による額
  建物(47年){(1,182万円×0.9)+1,182万円×0.8×0.09}×0.07037
                             = 80.8万円
  設備(15年){(1,182万円×0.9)+1,182万円×0.8×0.09)×0.10979
                             =126.3万円
  医機(5年)   1,111万円×0.9×0.24389=243.9万円
 3.資産償却しない分の借入金(7%)
  建物 1,182万円×0.1×0.07=8.3万円
  設備 1,182万円×0.1×0.07=8.3万円
  医機 1,111万円×0.1×0.07=7.8万円
 4.合計(金利及び償却)   678.3万円
  以上の合計額は、償却の場合の元金を含む故、償却資産の定額償却の場合とし
 て資料10の1の算出額との差、
      678.3万円−293.5万円=384.8万円
 が支払う金利であり、資料8の5に記入した。

[5]間接経費計算根拠
1.土地価格設定根拠
 ☆62年度資料設定単価   267千円/u
  62年度以降の地価の上昇率は六大都市住宅地価指数上昇率によった。
                             (62=100)
 年度│ 62 │ 63 │ 元年 │ 2年 │ 3年 │ 4年 │ 5年 │ 6年
───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───
 指数│ 100 │ 123 │ 142 │ 189 │ 192 │ 158 │ 129 │ 118 

  ∴ 267千円/u×1.18= 312千円/u(1,031千円/坪)
             ★ 264千円/u→ 312千円/u
                          資料:(財)日本不動産研究所
(注)診療報酬点数が全国平均の原価をとっているとすれば、土地価格も全国平均
  でなければならない。但し、その場合は土地のみならず物価、人件費とも都市
  と地方で大きな価格格差ができ診療報酬点数そのものも全国的には公平を欠く
  ことになる。従って、このことには特に意を用いず前回までの設定と同じ根拠
  を継続した。


2.建設費単価設定根拠
 ☆62年度資料設定単価   207千万円/u
  62年度以降の単価の変動は建設省の建設工事費デフレーターによった。
 年度 │ 62 │ 63 │ 元年 │ 2年 │ 3年 │ 4年 │ 5年 │ 6年
────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───
 指数 │ 100 │ 103 │ 109 │ 114 │ 118 │ 121 │ 123 │ 122
  ∴ 207千万円/u×1.22= 253千万/u(836千万/坪)


3.建物維持管理費設定根拠
 ☆62年度資料設定単価   5,350/坪・月 専用面積
(イ)管理料(供益費:清掃、空調、設備運転、保守、警備、動力など)
   設定単価(a)5,350×1.14= 6,100
   14%の上昇率は昭和62年〜平成6年の消費者物価指数による。
            ★ 5,350円/坪→ 6,099円/坪
(ロ)維持費(設備更新、改修、修繕など)
   建築費の1%    ★1%→同
(ハ)合計維持管理費
    69.39坪×0.75/専用× 6,099円/専用単価×12月= 3,809千円

〔参考〕建設省試算L C C(LIFE CYCLE COST)
 建設省官庁営繕部試算のLCCは、耐用年数を65年(ビルの耐用年数)とした
 場合、当初建設費とその後の維持費の比率を1:6の割合になるとしている。


 上記資料により年平均維持管理費は 600%÷65年= 9.2%となる。


4.医療機器備品修理費設定根拠
 ☆昭和57年度外保連設定率   25.5%
  前回の上記設定率は国立病院年報49年〜53年の実績からとったものである。そ
 の後この資料は厚生省の内部資料となり公にされていない。従って他に根拠に足
 るデルタが求められないため、最近の資料としてK病院の57年〜62年の実績を採
 用したが、1病院に片寄らないためと前回迄の資料が貴重な資料なのでその中間
 22%をとった。今回も国立病院年報が53年以来公にされていず、従って外保連第
 4版でも22%とした。


5.医療機器単価設定根拠
  医療機器は最近の医学の日進月歩に鑑み、平成6年度の定価および購入価格を
 考慮し、適正な単価を設定した。
 (注)機器単価の数位、値上がり率即ち平均値上かりを考慮していない。


6.耐用年数設定根拠
  建物は鉄筋コンクリート作りを総合し想定し。病院耐用年数を47年をとる。
  資料:大蔵省「減価償却資産の耐用年数に関する省令」
            ★47年
  従って、元利均等償却法 x=金利、n=耐用年数
       x(1+x)
    f=────────  f47=0.0730074
      (1+x)−1

7.公課設定根拠
   登録免許税(国税)       50/1000
   不動産取得税(都道府県税)   40/1000  土地、建物双方にかかる
   固定資産税(市町村税)     14/1000
   都市計画税            3/1000  土地、建物双方にかかる
   国税、都道府県税は全国一率、市町村税は徒渉の違いはあるが問題になること
   はない。

              ┏━━━━━━━━━━━┓
            ★ ┃  0.09 → 0.09  ┃
              ┃  0.09 → 0.09  ┃
              ┃  0.017 → 0.017  ┃
              ┃  0.017 → 0.017  ┃
              ┠───────────┨
              ┃  双方 → 双方  ┃
              ┗━━━━━━━━━━━┛


8.金利設定根拠
   金融公庫金利やプライムレートは公定歩合の変動によって一定せず、加えて民
  間金融の条件は個別審査によるなど調達資金の内容を特定できないので、これま
  では10%としていたが、最近の変動を考慮し7%とした。
              ┏━━━━━━━━━━━┓
            ★ ┃  10% → 7%   ┃
              ┗━━━━━━━━━━━┛

付記  間接経費の計算根拠(資料の説明)


1.手術室の場合
 A.基 本
   土地購入 6,939万円:30.3万円/u× 229u= 6,939万円
   建築費、建物費(容積率100%):
         8,404万円(建設工事費)+ 776万円(廊下部門その他)
                             = 9,180万円
   設備費: 3,021万円(電気工事費)+ 3,804万円(空調工事費)
         + 2,930万円(衛生工事費)+ 2,416万円(壁面設備)
                             =12,171万円
   医療機器類購入費合計:5,784万円
   公 課 土地取得税:評価70%、税率9%
         6,939万円× 0.7×0.09= 437万円

    建物登録税:評価80%、税率9%
     21,351万円×0.8×0.09=1,537万円          14
    固定資産税:評価(土地80%、税率90%)、固定資産税 ───
             3                 100
     (都市計画税、───)
             100
           土地  6,939万円× 0.7× 0.017=82.6万円
           建物 21,351万円× 0.8× 0.017= 290万円
 B.計算因子
  借入金利     7%とする
  資産の償却、夫々の耐用年数の間に90%償却し、10年を残存する。
    償却の耐用年数:建物47年、設備15年、医療機器5年



  建物等の維持管理費:(イ)管理費(a)6,099円/月(ロ)維持費、建設の1%
  医療機器等の修理費:購入費の22%
  動産災書保険料は計算しない。


2.初級(外来)手術室の場合
 A.基 本
   土地購入費  90u× 303千円=27,272万円
   建設費:建物(容積率100%)11,820千円
       設備        11,820千円
   医療機器類購入費合計    11,110千円
   公 課 土地取得 27,272千円× 0.7×0.09=1,718千円
       建物登録 23,640千円× 0.8×0.09=1,702千円
   固定資産税(土地)27,272千円× 0.7×(0.014+0.003)= 324千円
        (建物)23,640千円× 0.8× 0.017= 322万円
 B.計算因子
   借入金利    年7%
   資産の償却   償却後の残存価格10%
           償却する部   90%
   償却の耐用年数 建物47年、設備15年、医機5年
   元利均等償却法に計算のfactor

   建物等の維持管理費 (イ)管理費@ 6,099円/坪、月
             (ロ)維持費 建設費の1%
   医療機器等の修理費 購入価格の22%

(追補1〕
 以上のごとき間接経費の計算根拠の他に、次のごとき計算法も考えられるので、参
考のため付記しておく。
 手術部年当り費用の計算(資料5に代わるもの)
1.減価償却法
  (償却すべき資金の金利を含めて元利均等償却する)
   建物 (1,182万円× 0.9)+(1,182万円×0.7×0.09×0.07304)= 74.5万円
   設備 (1,182万円× 0.9)+(1,182万円×0.8×0.09×0.10979)= 126.1万円
   医機  1,111万円× 0.9× 0.24389= 243.9万円
                   小計  444.5万円


2.建物維持管理費
 (イ)69.13坪×0.75/専用× 6,099円/坪・月×12カ月= 3,795千円
 (ロ)2,364万円×0.01=23.6万円


3.医療機器等の管理修理費
    1,111万円×0.22= 244.4万円


4.その他の金利(減価償却しない年間金利)
   土地 (2,727万円十 2,727万円× 0.7×0.09)×0.1= 287.9万円
   建物(残存分)1,182万円× 0.1×0.07(金利)= 8.3万円
   設備(残存分)1,182万円× 0.1×0.07(金利)= 8.3万円
   医機(残存分)1,111万円× 0.1×0.07(金利)= 7.8万円


5.公課(固定資産税、都市計画税等)
    6,939万円× 0.4× 0.017= 47万円(土地)
    9,184万円× 0.8× 0.017= 125万円
                   合計1,776.9万円

(追補2〕
 外来手術室年当り費用の計算(資料10に代わるもの)
1.減価償却費
 (償却すべき資産の金利を含めて元利均等償却)
   建物 (10,000千円× 0.9+ 630千円)×0.073004= 703千円
   設備 (10,000千円× 0.9+ 630千円)×0.109794= 1,057千円
   医機  1,111万円× 0.9= 1,000千円
                          小計 2,760千円


2.建物絶持管理費
(イ)27.27坪×0.75/専用× 6,099円/坪・月×12カ月=1,497千円
(ロ)20,000千円×0.01= 200千円


3.医療機器等の修理管理費
   11,110千円×0.22= 2,444千円


4.その他の金利支払(償却しない分の年間金利)
   土地(27,270千円+17,200千円)× 0.1= 4,447千円
   建物(10,000千円十 720千円)× 0.1=1,072千円
   設備(10,000千円+ 720千円)× 0.1=1,072千円
   医機 11,110千円× 0.1× 0.1=111千円


5.公課(固定資産税、都市計画税)
                 合計 47.2万円+ 290万円= 337.2万円

〔6]特群における手術報酬額の試算
 1.特群手術の報酬額の算出は、
    ┌同じ協力者数と┐   ┌特群区分毎の┐
    │同じ酪馴寺間の│ × │      │
    └10群手術の報酬┘→  └対10群指数 ┘
 2.普通群シリーズにおける各区分群の対10群指数{(手術報酬額(円/時)/
  対10群指数)}は協力数6人の場合を基準として利用することに決める。
 3.普通群シリーズの対10群指数の上昇曲線を参考にして、仮設群第11〜20群の
  対10群指数を次のように決める。


 4.特1群〜特6群の対10群指数を次の如く決める。





普通群および特群の
手術報酬試算早見一覧表

追加.開心術補助手段
T.人工心肺実施料(人工心肝回転料算出試案)
 1.人工心肺購入費       30,000千円
 2.医機器(5年)償却分(90%)の元利均等償却による額
      30,000×0.9×0.2438= 6,585千円
 3.医機器の償却しない分(7%)の借入金利
      30,000×0.1× 0.7 =  300千円
 4.医機器修理費
      30,000×0.15    = 6,600千円
     ─────────────────
         計       7,948千円
    年40回回転使用するとして
                   1
      円/1回 = 7,948,000× ── = 198,700円
                  40
 5.人件費(回転に必要な)
   5年経験医師2人 ┐
   所要時間1.5時間 ┘としても6,960×2= 13,920円
    付加報酬
   ────── として30%加算
    基礎報酬
        198,700+13,920     = 212,620円
   1回回転報酬として
      (212,620×0.3)+ 212,620 = 274,410円
 6.監視調整人件費として毎3時間      21,060円


U.大動脈内バルーンパンピング実施料
 1.装置購入費            16,233千円
 2.医機器の償却ならびに修理費合計=  5,365千円
   年 130回使用するとして(外科以外にも使用)
                1
    円/1回 5,365,000× ───  = 41,270円
                130
 3.人件費(監視調整に必要な)
   5年経験医師1人 ┐
   所要時間3.5時間┘として4,640×3.5= 16,240円
    付加報酬
   ────── として30%加算
    基礎報酬
        41,270十16,240     = 57,510円
   1回施行料として
        (57,510×0.3)+57,510= 74,763≒74,760円
 4,監視調整人件費として毎3時間 13,920円

後 編  手 術 項 目 分 類 と 手 術 報 酬


(内容)手術術式便覧(外保連試案)
    手術術式の分顛とコード番号
    手術技術度区分
    手術協力者数
    手術所要時間





注  意
    その他、超音波手術、冷凍手術、関節鏡下手術、光凝固術、
    レーザーメス使用等の適応が判然としない部分が多いので
    チェックを省略した。




         (00)皮膚・皮下組織

                               技  協  所
                               術  力  要  手術料(円)
                               度  者  時
                                  数  間
                               群

     創傷処理
00.06.01  1.長径 5cm未満(筋、臓器に達しない)     1 − 2 −1/4  14,890
00.06.02  2.長径 5cm未満(紡、臓器に達する)      2 − 2 −1/2  39,250
00.06.03  3.長径 5cm以上(筋、臓器に達しない)     1 − 2 −1/2  29,790
00.06.04  4.長径 5cm以上(筋、臓器に達する)      2 − 2 − 1   78,490
00.06.05  5.長径10cm以上(筋、臓器に達しない)     2 − 3 − 1   83,370
00.06.06  6.長径10cm以上(筋、臓器に達する)      2 − 3 −1.5  125,060


     皮膚切開
00.10.07  1.小(長径10cm未満)             1 − 2 −1/4  14,890
00.10.08  2.大(長径10cm以上)             1 − 2 −1/2  29,790


     デブリードマン
00.14.09  1.小(長径10cm未満)             1 − 2 −1/2  29,790
00.14.10  2.大(長径10cm以上)             2 − 2 − 1   78,490
00.14.11  3.関節に達するもの              3 − 2 − 1   96,330


00.34.12 皮下異物摘出術、皮下血腫除去術          2 − 2 −1/2  39,250
00.34.13 筋肉内異物摘出術                 4 − 3 − 1  117,870
00.33.14 皮膚、皮下組織試験切除術             2 − 2 −1/2  39,250


     表在性血管腫摘出術(顔面、頭部、その他露出部)
00.34.15  1.長径3cm未満                 5 − 3 − 1  131,950
00.34.16  2.長径3cm以上6cm未満             7 − 3 − 2  315,640
00.34.17  3.長径6cm以上                10 − 3 − 2  366,680


     表在性血管腫摘出術(その他のもの)
00.34.18  1.長径3cm未満                 4 − 3 − 1  117,870
00.34.19  2.長径3cm以上6cm未満             5 − 3 − 2  263,900
00.34.20  3.長径6cm以上                 7 − 3 − 2  315,640


     深在性血管腫摘出術(顔面、露出部)
00.34.21  1.長径3cm未満                10 − 3 − 2  366,680
00.34.22  2.長径3cm以上6cm未満            特1 − 4 − 4  812,360


外保連試案(理学療法)

(理学療法)