Ca製剤

カルシウムの一日の必要量は、1200mgです。食事で500−600mg
はとっていますので、薬剤その他で600mg補えばよい。
 現在保険適応になっているのは3種です。無機塩の方がCa合有量は多い
ところが、無機塩は吸収が悪い。そのために有機塩にしている。有機塩にすれば
今度はCa合有量が少ない。胃液の酸性度とかの条件もあり、薬剤比較データ的
には一定していない。
結論的には有機塩でCa合有量が多いものということになります。
すると乳酸カルシウムということになる。ところが乳酸カルシウムは粉で
のみずらいし、胃腸障害が非常に多い。それでしかたなくアスパラCaを使用して
います。6錠ではまったく足りませんがやむをえない。栄養補助食品とわりきり
その他の食物でとることではないでしょうか。あとは吸収率が悪いので食直後に
とるとかの工夫は必要かもしれません。

                   原子量     1mEQ    1g
カルシウム Ca++       40     20 mg   50 mEq

                 1日CA600mg摂取  保険適用 アスパラCA(1錠中26mg)     23錠      6錠(156mgCA) 乳酸カルシウム(1g中130mg)   4.6g      2-5g(260-650mg) リン酸水素カルシウム(1g中233mg) 2.6g      3g(699mg)
カルシウム血中濃度(参考:今日の治療指針1999)  総カルシウム:(血清)8.5〜10.3mg/dL  イオン化カルシウム:(血清)4.5〜5.6mg/dL(2.2〜2.8mEq/L) カルシウムについて 経口カルシウム製剤の種類とカルシウム含有量と用量         ------------------------------------------------------------------------ 薬品名 (剤形・メ-カ-)      Ca含量 溶解度(g/dl) 用法・用量  ------------------------------------------------------------------------ ◇無機化合物 ------------------------------------------------------------------------ *沈降炭酸カルシウム(末) 40%  0.0056 1回0.3〜1.0g   (三晃)(分類:234) 1日 3回 グリセロリン酸カルシウム(末) 19% 1回 1〜2g (保栄) 1日 3回 リン酸水素カルシウム(末) 23% 不溶 1回 1g (各社) 1日 3回 △塩化カルシウム(末) 35% 83.3 1回 1g     (各社) 約5.0%水溶液にして服用 1日 3回 医薬品以外:牛骨粉、ボレ−末(牡蛎殻粉末)、真珠貝末、AAカルシウム(牡        蛎殻電解物)、AAAカルシウム(カルシウム+海草成分)   ------------------------------------------------------------------------ ◇有機化合物 ------------------------------------------------------------------------ 乳酸カルシウム(末)       13% 7.9 1回 1g     (各社)         1日 2〜5回 グルコン酸カルシウム(末) 9% 3.85 1回 1g   カルチコ−ル(大日本) 1日 3回 L−アスパラギン酸カルシウム(錠)13% 1回 1〜2錠   アスパラ-CA 200mg(田辺) 1日 3回 医薬品以外:CCM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)          ------------------------------------------------------------------------- *:カルシウム剤は薬効分類 321である(*印以外) △:一般に経口不適  一般に有機酸のカルシウム塩は、一定量の製剤内に元素としてのカルシウムの含 量が少なく、服用量が多くなる。例えば、 1gのカルシウムを摂取しようとするな らば、乳酸カルシウムでは 7gを服用しなければならない。グルクロン酸カルシウ ム、アスパラギン酸カルシウムなども同様に多くなる。この点から言えば、炭酸カ ルシウムなどの無機酸のカルシウム塩が有利で、2.0〜2.5gの中に 1gのカルシウ ムを含む。  カルシウム含量が一番多いのは、炭酸カルシウムであるが、腸管からの吸収率と 併せた治験デ−タでは各製剤間の比較は一定していない。水溶性の高いもの程、吸 収率はよいと推定されるが、一方、水に対する溶解度に差はあっても、吸収率に有 意差はないという (1)カルシウムの吸収  厚生省では 1日のカルシウム摂取量を 600mg以上摂取するように指導しているが、 摂取されたカルシウムが全部腸から吸収されて利用されるわけではない。カルシウ ムの吸収は、摂取した人の状態と食物の種類によって大きく左右される。  小腸からのカルシウムの吸収はよくない。腸液がアルカリ性であるから、不溶性 の塩を生ずるからである。 腸管におけるカルシウム吸収は、小腸の広い部位で行われるが、そのうち十二指 腸から近位空腸(空腸の始まりの方)では能動輸送*により、また回腸では拡散に よって吸収される。特にカルシウムの吸収で重要なのは、十二指腸から近位空腸に おいてであり、活性型ビタミンD3 が促進的に作用して効率をあげる。 *能動輸送:生体では、大切な物質は能動輸送で、必要な物質を必要な量だけ目    的のところまで動かし、生体の中であまりアンバランスがないように能動輸    送する。これにはエネルギ−を必要とする。一方、どこにあってもあまり困    らない物質は、拡散によって自然に輸送される。これを受動輸送という。  食事によって摂取されたカルシウム 600mgとすれば、その半分が吸収されれば最 高で、少ない場合は10%位しか吸収されないという。この吸収されたカルシウムは 血液、組織と交換され、また 200mgが消化液等の内因性物質に混じって腸管に分泌 排泄される(但し、 200mgのカルシウム中50rは再吸収される)。従って、吸収さ れなかった分 300mgと、腸管に分泌されて再吸収されなかった 150mgのカルシウム の計450mgは糞便として排出される。(愛知県薬剤師会 薬事情報室) 文献 http://web.kyoto-inet.or.jp/org/kanpo/3W/Ca0115.html