2005年八戸市健康まつり:第3回市民フォーラム |
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年月日;2005年10月2日日曜 時間13:40−15:10 場所;八戸市公会堂大ホール 講師;埼玉県立大学保健医療福祉学部教授 坂田悍教(さかだたけのり)先生 講演:13:40−14:40(1時間) 質疑応答:14:40−15−10(30分) 司会:本田整形外科クリニック 本田忠 |
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八戸市健康祭り講演会抄録 寝たきり予防――高齢者の体力について――― 埼玉県立大学保健医療福祉学部 坂田悍教 2015年度では第1次ベビ―ブ―ム世代が高齢者の中心となり、高齢者が3,500万人の高齢化社会となる。高齢化率は27.8%を示し、20〜65歳の生産人口比は2:1となり、保健医療福祉のみならず財政や経済的問題とまでなってきています。健康寿命の延伸、寝たきりや介護予防は、高齢化社会を乗り切るために折に触れて引用されているキ-ワ―ドとなっています。本講演では、健康寿命と運動の効果、寝たきりの主な要因である転倒と骨折予防のための高齢者の体力、骨粗しょう症について述べます。また、会場の皆様に自分自身の体力を評価していただきます。 寝たきりの原因として脳血管障害、老衰(加齢症候群)、認知障害、骨折・転倒、心臓疾患があります。これ等の疾患の罹患は、健康寿命を損ないます。健康寿命の延伸のためには、老化や習慣病の予防が大切で、運動不足の解消、食生活の改善、社会参加などが重要となります。肥満、高血圧、高脂血症、骨粗しょう症などは、運動不足、不適切な食生活、飲酒・喫煙、ストレスなど不適切な生活習慣より派生します。これ等生活習慣病の予防には、第1に運動、2番目に食生活の改善、3番目に禁煙が挙げられます。これ等を基本に初めて薬などの効果も生まれます。運動の効果については、@より良い身体組成(体脂肪率の減少)、A代謝率の増加(肥満防止)、B腰痛予防、肩こり、C関節痛の予防・関節の機能改善、D骨粗鬆症・転倒の予防、E効果的なグルコ-ス利用(糖尿病予防)、F消化管移送時間の短縮、G安静時血圧の低下、H血中脂質の改善、I達成感、ストレスの除去、爽快感などの効果があり、生活習慣病の予防に非常に大切です。 また、地域在住高齢者における転倒・骨折に焦点を当て、大腿骨頚部骨折の現状、高齢者の転倒の特徴、転倒における身体・環境因子の影響、転倒に対する開眼片脚起立の意義、転倒の予防対策などについて述べます。地域高齢者の年間転倒発生率は26.9%(男性25.9%、女性27.5%)で年齢とともに転倒率の増加を示した。転倒は、“滑った”、“躓いた”が多く、後期高齢者では腰部・臀部の直接打撲が多くなり、大腿骨頚部骨折のリスクの増大がみられます。神経痛・不眠症・貧血が高い転倒率を占めし、より高い精神活動を行っている住民、背骨の変形の少ない高齢者に転倒は少ない。転倒事例の9.9%に骨折を認めています。 転倒者の体力を見ると左右開眼片脚起立・10m障害歩行速度、6分間歩行距離で有意に低下し、多数回転倒群では、視力・視野、重心動揺等も大きな転倒因子となっています。高齢者の転倒の身体的要因として歩行能力、立位バランス・下肢筋力の低下が挙げられ、転倒の目安として開眼片脚起立時間の測定が日常生活の中で容易に、また簡便に行える評価法の一つとして有用であります。開眼片脚起立時間として65〜69歳40秒、70〜74歳30秒、75〜79歳20秒、80〜84歳10秒程度の開眼片脚起立時間が可能な体力の維持が、転倒を防止する体力です。この起立時間は、日常生活の自立度を高く維持するために最も高く評価されている歩行能力とも一致し、歩行・移動を確保する上での目標値としてあげられます。これ等の50%程度の低下は、転倒しやすく、歩行形態の変化に繋がります。 寝たきり予防として在宅で行う体力の維持には、@片脚立ち訓練、A下肢の筋力増強運動(大腿四頭筋強化)を行い、多くの地域虚弱高齢者に訓練効果を認めています。健康寿命の延伸のためには、運動と社会参加(人とのつながり)を協調したい。 |
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略歴 氏名:坂田悍教(さかだたけのり) 生年月日:昭和20年6月17日60歳 現職 勤務先 専門領域 学歴・職歴 主な研究業績 基礎的研究 主な臨床的研究 学会・研究会活動他 |
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