エボラ出血熱

ver 2015/3/20
since 2014/10/30
本田整形外科クリニック 本田忠


知っておきたいエボラ出血熱の基本情報(動画)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg10883.html

接触者とは
「患者が「症状を発症した後」に,患者やその血液および体液,排泄物または組織に曝露した者」とする.
急性期のEVD患者の「体液との直接的接触」は発症リスクを高める。
二次感染者の全てが一次感染患者と「直接接触」していた。
エボラの感染経路
 ヒトからヒトへの感染は血液,体液,排泄物等との直接接触により,空気感染は否定的である.
感染源として体液や排泄物があげられ、血液、唾液、便、精液、涙、母乳等がそれにあたる。また、吐物も感染源となると考えるべきである。なお尿は含まれていない。
接触予防策、飛沫予防策に加えて眼の防護具を装着することが最低限必要である。
西アフリカ諸国におけるエボラ出血熱の流行に関するリスクアセスメント(2014年10月31日現在)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora.html

フローチャート
「特定又は第1種感染症指定医療機関」以外の医療機関を万が一受診した場合
発熱を呈する患者に過去1か月間の渡航歴を確認。
○発熱と滞在歴が確認できた場合は、エボラ出血熱疑似症患者として保健所へ届出。検体採取はしない

医療機関での感染予防(ファクトシートより)
 推定される診断名に関係なく、患者を世話するときに医療従事者は、常に標準的な予防対策を講じる必要があります。これらには、基本となる手指の衛生、清浄な空気の換気、個人用の防御具の使用(飛沫または感染物質などとの接触を防御するため)、安全な注射の実施、さらには安全な埋葬の実施が含まれています。
 エボラウイルスの疑いまたは確定した患者を世話する医療従事者は患者の血液と体液との接触を防ぐために、さらなる感染管理の対策をとる必要があります。1m以内でエボラウイルス感染者と接するときには、医療従事者は顔面の防御(フェイス・シールド、医療用マスクとゴーグル)、清潔かつ非滅菌性で長袖のガウン、手袋(いろいろな処置を行うための滅菌手袋)をつける必要があります。
 検査施設の勤務者にも危険があります。エボラ感染の検査のために人や動物から採取された検体は、訓練を受けた職員が取り扱うべきであり、十分に設備が整った検査施設で処理すべきです。


フローチャートその1


フローチャートその2


フローチャート
エボラ出血熱に関する検疫及び国内における対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000066099.html
(別紙1)厚生労働省結核感染症課長通知「エボラ出血熱の国内発生を想定した行政機関における基本的な対応について(依頼)」(平成26年11月21日))
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10906000-Kenkoukyoku-Kekkakukansenshouka/0000066106.pdf
(別紙2)厚生労働省結核感染症課長・検疫所業務管理室長通知「アフリカにおけるエボラ出血熱発生への対応について」(平成26年11月21日)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10906000-Kenkoukyoku-Kekkakukansenshouka/0000066101.pdf
別紙3)エボラ出血熱の感染が疑われる入国後の患者が見つかった場合の情報開示方法
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10906000-Kenkoukyoku-Kekkakukansenshouka/0000066102.pdf
過去
エボラ出血熱の国内発生を想定した医療機関の基本的な対応について(H.26.10.24)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/ebola/26chi3_192.pdf
http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003341.html
エボラ出血熱について (ファクトシート)
http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/10091357.html
エボラ出血熱とは http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora.html


疑似症患者対応


大原則
エボラ出血熱について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=204993
エボラ出血熱は、インフルエンザのように容易に飛沫感染する可能性は非常に低く、患者の体液に直接接触することにより感染するとされております。このため、まず、国民の皆様には、冷静な対応をお願いしたいと思います。
 もう一点のお願いは、もし流行国に渡航し帰国した後、1か月程度の間に、発熱した場合には、万一の場合を疑い、地域の医療機関を受診することは控えていただきたい。まず、保健所に連絡をし、その指示に従っていただきたい。感染症指定医療機関への受診につなげるようにいたします。

◇エボラ出血熱疑い症例について(続報)(H.26.11.8)
http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003341.html
  重ねてお願いしているところですが、検疫を通過してエボラ出血熱の疑い患者が一般の医療機関を直接受診する可能性も否定できないことから、各医療機関におかれましては、以下の対応の徹底をお願い申し上げます。
(1)発熱症状を呈する患者には必ず渡航歴を確認すること。
(2)当該受診者について、発熱症状に加えて、ギニア、リベリア又はシエラレオネの過去1 か月以内の滞在歴が確認できた場合は、エボラ出血熱の疑似症患者として直ちに最寄りの保健所に届け出て、当該医療機関では検体の採取等は行わないこと。
(3)上記3 国の過去1 か月以内の滞在歴を有し、かつ発熱症状を呈する患者から電話の問い合わせがあった場合は、当該患者に対し、最寄りの保健所へ連絡するよう指導すること。


まん延国の定義2014/11/13
医療機関の受付・待合室で使用できる「渡航歴確認シート」
http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003375.html

以下よりは狭まった:コンゴは終息宣言
エボラまん延国2014/11/6

一類感染症の治療に関する専門家会議平成26年10月24日(金)
資料2 エボラ出血熱の現状(PDF:186KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000063123.html


鑑別はまん延国渡航歴だけ
インフルエンザが流行すると、エボラ出血熱とのふるい分けに混乱が生じると予想される。発熱という点でエボラ出血熱とインフルエンザの初期症状は似ている

エボラウイルスに感染すると、2日から21日の潜伏期間を経た後、
・頭痛
・倦怠(けんたい)感
・筋肉痛
などの症状が出るとされている。さらにその後、
・嘔吐(おうと)
・下痢
・胸部痛
・出血
などの症状が現れる。ただ、感染者が出血をする可能性はそこまで高くないとされている。
医師が警告「エボラの症状がインフルエンザと酷似」
プレジデントオンライン2014年11月3日(月)18:21
http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_13777.html
万が一に備えて知っておきたいエボラ出血熱の症状と感染経路
マイナビニュース2014年10月28日(火)13:16
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_1068095.html


実際に外来受診した場合の対応

まんえん国への「渡航歴」と「発熱」があれば、「何もしない」で保健所に連絡する。

院外掲示の徹底
院外掲示用ポスター
印刷してお使いください(なお日医雑誌2014年12月号で配布されます。)クリックすれば拡大します。

http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003375.html

院外掲示文例:まん延国の地図を併記する
エボラ出血熱について
1)ご心配な方は、まず当院へ「電話」で御相談ください。
申し訳ございませんが、「院内に入る」ことはご遠慮ください。
腰痛とかであれば、院外でご自分の自家用車内等で診察します。
2)エボラ出血熱の蔓延国である、ギニア、リベリア、シエラレオネ又はコンゴ民主共和国、その他の蔓延国からの「帰国者」か、または、「帰国者へ接触」後、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の症状がある場合は、当院では「受入れ不能」です。
3)「直接」受診はしないでください
 「当院」または「最寄りの保健所」へ、まず「電話」で御相談ください。
4)疑わしい時は、人との接触を避け「自宅待機」をお願いします。
連絡先
当院電話 :0178-44-8737
八戸保健所:三八地域県民局地域健康福祉部保健総室
〒039-1101   八戸市大字尻内町字鴨田7
電話:0178-27-5111(代表)  FAX:0178-27-1594
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ha-hoken/hachinohehokennjyo-top.html


接触者対応

参考文献
エボラ出血熱に関する検疫及び国内における対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000066099.html

各施設での実際の対応について
 
受付等でPPE等をつけないで1m以内に接触した場合:高リスクであり、3週間自宅待機とする

受付のガードが重要:PPEなしの無防備な接触者=欠勤者を最小限にする
 1m以内でエボラウイルス感染者と接するときには、医療従事者はクラス4のPPE。具体的には顔面の防御(フェイス・シールド、医療用マスクとゴーグル)、清潔かつ非滅菌性で長袖のガウン、手袋(いろいろな処置を行うための滅菌手袋)をつける必要があります。
 誤って受診される方が来るたびに、PPEなしであれば、欠勤者が増えていく可能性があがる。なお1m以上であればサージカルマスク程度で十分。(エボラは空気感染ではなく接触感染です。防水性のあるマスク=サージカルマスク)

1)一般医療機関を「直接」受診することが多い
 「まず保健所に連絡」は残念ながら遵守されない
2)院外掲示は無視され読まれない
3)まん延国渡航歴は隠す可能性が高い
  窓口でしいて聞かないと答えない。これまでの擬似患者の受診行動からは、残念ながら院外掲示は効果が低いようです。概ね無視される。よって掲示物だけで内部の対策がことたれりとはいかない。

受付で熱発者には全員渡航歴を聞く(掲示物無視によるすり抜けが一定頻度ある)
 受付でクラス4のPPE装着なければ、高リスクとなり欠勤を余儀なくされる。しかし受付がクラス4のPPEをつけるのは現実的ではない。
1)受付を透明なカーテンかアクリル樹脂で覆う
 距離が1m確保できればガードは不要ということになるが、距離を開けるのは実際は困難。効果も不安。よって、できれば隔壁を置いて、物理的に直接飛沫がこないようにする。
 そのために受付を「透明なカーテン」で覆うか、「アクリル樹脂」を受付に置く。カーテンのほうが安価である。
 診察券の出し入れ口だけあける。飛まつをブロックできるように最小限のPPE(マスクと手袋)で可とする工夫となる。
2)院外掲示で徹底:効果は低いが行う例参照
 すり抜けを最小限にするためにとにかく目立つようにする。
3)診療所でもクラス4のPPEを準備する。
 受付が日常的にクラス4を着ける。これは不可能に近いであろう。
<速報>
一般市中病院に来院した西アフリカからの帰国者における熱帯熱マラリアの一例(掲載日 2014/10/16)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/malaria-m/malaria-iasrs/5082-pr4173.html
しかし、いくつか問題点も認められた。
(1) 来院時は渡航者との認識がされず、対応した事務員や問診をとった看護師、当直医がPPE装着をせずに患者に接触している。
(2) 受診時にはEVDが鑑別に挙がっていなかったため、検査室への検体(血液)運搬や検査時に、通常の血液検体として扱っていた。検体を介した感染拡大のリスク因子となりえた。
(3) 病歴からは初期から熱帯熱マラリアが濃厚に疑われたが、リスクマネジメントとして確定診断されるまでは接触・飛沫感染対策を想定したPPE装着での診療を行うべきであった。
(4) 搬送先の病院が受け入れる準備をするまでは、自施設にて対応する必要があるため、どこで(陰圧室など)待機するか、だれが患者ケアを行うかなど具体的に決めておく必要がある。
海外渡航が身近になっている現在では、本患者が初めに訪れた医院や当院のように、感染症指定医療機関でなくても渡航者が来院する可能性がある。そのなかにはEVDのように、感染性のある重篤な疾患が含まれるかもしれない。日頃からの発熱患者に対するトリアージや感染対策が重要である。

エボラ可能性の男性、町中の医院に…医師も困惑
http://mm.m3.com/r/4qjqI-dUi-5XJ.html
 「エボラ出血熱だとは全く疑わなかった」。男性が受診した医院の男性医師(50)は7日夜、読売新聞の取材に対し、困惑した表情で語った。
 医師によると、男性が医院を訪れたのはこの日午前10時過ぎ。10分ほどの診察中、男性はリベリアへの渡航歴を言わなかったという。検疫所から昼頃に照会があった時には男性は既に帰っていた。医師は「空港から離れた個人病院に患者が来るとは想像もしていなかった」と振り返った。

接触者の分類

勤務を中止し,経過観察を慎重に行う必要がある.心理的ケアも重要であり,必要に応じてカウンセリングを行う.
・潜伏期間における感染リスクはきわめて低いので,経過観察を行う場は自宅でも病院でもよい.病院で経過観察を行う場合は,プライバシーの保てる個室に入院させることが望ましい.
・高リスク曝露が発生した場合には,保健所,自治体,厚生労働省結核感染症課とも早期に情報を共有することが望ましい.


接触者が以後勤務か欠勤かの判断
 受付等で適切なPPEなしで1m以内で接触した方は高リスクですから自宅待機で欠勤としてください
高リスク者とは
 必要な感染予防策なしで、「症例」の概ね1 メートル以内の距離で、診察、処置、搬送等の業務に携わった医療関係者や搬送担当者
高リスクの場合は欠勤を要する
・「高リスク接触者」については、不要な外出を避けることについて協力を求める。
 また、38℃以上の発熱又は体熱感等を認めた場合は、保健所に連絡し指示を待つよう説明する。
低リスク接触者とは
 必要な感染予防策を実施した上で「症例」の診察を行うなど、 「高リスク接触者」に該当しない「症例」に関わった医療関係者や搬送担当者、「高リスク接触者」に該当しない「症例」の同居者・友人・同室者等と する。
低リスクの場合は欠勤は不要
・「低リスク接触者」については、前述の健康観察のみとし、外出制限等の特段の対応は不要である。
必要な感染予防策とは
 クラス4のPPE(エボラの場合は空気感染なく接触感染ですからマスクはN95ではなく、防水性のあるマスク=サージカルマスクです。)
 注)「必要な感染予防策」とは、二重手袋、サージカルマスク又はN95マスク、ゴーグル又はフェースシールド等眼粘膜を確実に保護できるもの、感染防護服等の装着であり、「必要な感染予防策なしで」という場合は、上記を装着しなかった、又は正しく着脱しなかった場合(例:脱ぐ際に体液が付着)を指す。マスクについては、「症例」が吐物を周囲に飛散させる状況であるとか、「症例」に対して気管内挿管を行うなどエアロゾルを発生させる処置を行う際は、N95 マスクの装着が必要である。
町田の経緯
エボラ出血熱 疑い患者診察した医師語る 「水際、検証必要」 一般医療機関受診は想定外毎日新聞社 2014年11月13日(木) 配信
http://mainichi.jp/select/news/20141113k0000m040042000c.html
保健所からの要請で、同じ空間にいた可能性がある患者さんのリストを作りました。「もし男性が陽性だった場合、(2次感染の)リスクを負うことになる人たちに行政からアプローチするために作ってください」と言われたので。さらに「医療スタッフは不要不急の外出を控えて。男性の検査結果が判明するまで休診に」と、保健所から要請がありました。
◇今回の経緯
7日午前10時ごろ東京都町田市内の医療機関を受診、「へんとう炎」と診断され帰宅
11時半ごろ 検疫所から医療機関に照会の電話、医師が事実を知る
午後 医療機関は休診を決定、院内を消毒

自宅での経過観察は3週間程度(接触者が無防備であれば欠勤とする)
 擬似患者が誤って自院を訪れた場合、熱発していればすでに発症している(なお無症状、潜伏期間における感染リスクは極めて低い)。接触者の分類からは低リスク―中リスクになる。もし接触者が「PPEで防御」していなければ、勤務を中止して「自宅待機が3週程度」となる。搬送車への同乗でも同様であろう。

低リスク接触者は欠勤は不要
 「適切なPPE」を装着して、1M以内で業務した場合は健康観察のみで「欠勤は不要」です。
・「症例」:「患者(確定例)」、「疑似症患者(二次感染疑い症例)」又は「感染症死亡者の死体」
(エ) PPEありでの「症例」の診察、処置、搬送(「症例」の概ね1 メートル以内で業務)は低リスクとなる。
・「低リスク接触者」とは、「高リスク接触者」に該当しない「接触者」をいう。
 例えば、必要な感染予防策を実施した上で「症例」の診察を行うなど、「高リスク接触者」に該当しない「症例」に関わった医療関係者や搬送担当者、「高リスク接触者」に該当しない「症例」の同居者・友人・同室者等とする。
・「低リスク接触者」については、前述の健康観察のみとし、外出制限等の特段の対応は不要である 。
付録1 低リスク接触者に対するアドバイスシート
Q3:普段の生活で気をつけることがありますか?
A3:普段の生活で気をつけることはなく、通常の活動を継続して行えます。ただし、38℃以上の発熱又は体熱感等が認められた場合、直接医療機関を受診せず、○○保健所に連絡し、指示を受けてください。この場合、外出を控えてください。

欠勤者が増えると困るので、接触者を勤務させたいのでしょうがだめでしょうか。
 感染症の拡大を防ぐには、封じ込んで、接触者を減らす必要があります。感染者や高リスク者が移動すればするほど、接触者がいわばネズミ算で増えていく。一方日常生活制限は極力減らす必要がある。相反する要求を満たすためにリスク分類をして、極力、高リスクを減らしているということかと思います。
 感染者に1M以内に近づいていなければ問題ない。1M以内でもPPEをつけていれば発症リスクはゼロに近い。低リスクとなる。しかしPPEをつけていない、1m以内の接触者たる「受付等」は原則欠勤とすべきでしょう。リスクは低いにしてもゼロではない。いい加減にやって、最悪院内感染がおこった場合は、かなり糾弾される羽目となるでしょう。。ヘタすれば閉院に追い込まれる。。
いずれにしろ、それなりのPPEがあらかじめ院内に備え付けられていなければ、かつそれを受け付けが実行していなければ画餅でしかない。
搬送車が来るまで時間がかかる
 どこで待機いただくか。フローチャートでは院内待機となっているが、できれば院外が望ましい。自家用車か自宅か。
院内は触ったところは全部消毒。院内ビデオでチェックする必要ある。
搬送車への同乗について
 PPEさえきちんとしていれば、同乗者は3週間の経過観察のみで、勤務制限は必要ないとされているが、暴露リスクはあがる。同乗は必要最小限とすべきであろう。下手をすると、搬送車への同乗者は自宅待機3週間となりかねない。
 
エボラ搬送手順(八戸保健所確認事項)
1)搬送車は市内にあるので待機時間は短い
疑似患者自身もクラス4PPEをつけて搬送。医師は原則保健所で準備する。
2)院外で自車等で待機が望ましい。臨機応変とする。
3)盛岡までパトカー先導で2台体制で行く。PT側には医師を含め4名乗車
4)検体は、もう一台(2名)で盛岡駅までで、新幹線で搬送する。
5)搬送車は第一類病院駐車場で消毒する。
アイソレーションデバイスはあるのか:ストレッチャーや車いすのカバー付き
 あるが、今回は接触感染なので使用しない。重いので搬送車に要する人員が増えて逆に接触者が増えてしまう。患者さん自身も通常のクラス4のPPEとする。
重症者対策は設備等もありまた別途検討している。
出動した医療機関で、PPEの医院側への配布はあり得るのか
 十分ではないので配布は無い。


以下は疫学調査における擬似患者定義でチャートの定義とは異なる

・積極的疫学調査の対象となるのは、「症例」及び「症例」の「接触者」である。「無症状病原体保有者」と接点があった者については、発症後に感染力があることから、本調査の対象としない。
・「接触者」は、「症例」との接触の程度により、以下のように「高リスク接触者」と「低リスク接触者」に分類する。
「症例」が公共交通機関等を利用している場合の対応については、後述する。
・「高リスク接触者」とは、「症例」が発病した日以降に接触した者のうち、以下のa 〜d のいずれかに該当する者である。
a 針刺しや粘膜への曝露などで、直接ウイルスの曝露を受けた者
b 必要な感染予防策なしで、「症例」由来の血液、唾液、便、精液、涙、母乳等に接触した者
c 必要な感染予防策なしで、「症例」の検体処理を行った者
d 必要な感染予防策なしで、「症例」の概ね1 メートル以内の距離で、診察、処置、搬送等の業務に携わった医療関係者や搬送担当者
注)
b における「必要な感染予防策」とは、二重手袋、サージカルマスク又はN95マスク、ゴーグル又はフェースシールド等眼粘膜を確実に保護できるもの、感染防護服等の装着であり、「必要な感染予防策なしで」という場合は、上記を装着しなかった、又は正しく着脱しなかった場合(例:脱ぐ際に体液が付着)を指す。マスクについては、「症例」が吐物を周囲に飛散させる状況であるとか、「症例」に対して気管内挿管を行うなどエアロゾルを発生させる処置を行う際は、N95 マスクの装着が必要である。
c の検体処理とは、検査室等において検体を取り扱うことを指し、適切に梱包された検体の輸送に携わった者は「接触者」に含めない。検体処理における「必要な感染予防策」は上記b の記載に準ずるものに、必要なバイオセーフテイー設備下での取り扱いも加える。
d については、特に、「症例」が未診断の段階では、医療従事者・搬送担当者が曝露状況について十分な記憶がない可能性もあるため、血液、唾液等との接触が明確でない場合も含めた。

・「低リスク接触者」とは、「高リスク接触者」に該当しない「接触者」をいう。
例えば、必要な感染予防策を実施した上で「症例」の診察を行うなど、「高リスク接触者」に該当しない「症例」に関わった医療関係者や搬送担当者、「高リスク接触者」に該当しない「症例」の同居者・友人・同室者等とする。

「接触者」の曝露様式と必要な感染予防策の有無によるリスクレベルの区分を以下のとおり、表にまとめる。

(「接触者」への対応)
・「接触者」に対する精神的配慮、人権侵害、風評被害への配慮は常に必要である。
・「低リスク接触者」については、前述の健康観察のみとし、外出制限等の特段の対応は不要である。
38℃以上の発熱又は体熱感等を認めた場合は、まず保健所に連絡し、外出を控えた上で、保健所からの指示を待つよう説明する。
「高リスク接触者」については、不要な外出を避けることについて協力を求める。
 また、38℃以上の発熱又は体熱感等を認めた場合は、保健所に連絡し指示を待つよう説明する。
「高リスク接触者」のうち、特に、針刺し事故など、エボラウイルスに曝露されたことが明白である場合の経過観察の方法については、厚生労働省に相談し、特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関等での経過観察も考慮する。
・「低リスク接触者」、「高リスク接触者」に対するアドバイスシートの案文は、それぞれ付録1,2 を参照。
・症状がない「接触者」(高リスク・低リスクを問わず)の家族、周囲の者(同僚等)については、特段の対応は不要である。


・「症例」については、基本情報・臨床情報・推定感染源・「接触者」等必要5な情報を収集する(添付1、2-1、2-2及び2-3)。発症日から特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関において適切に入院されるまでの行動歴を聞き取る。なお、発症日は、突然の高熱で始まることが多いとされることから、発熱日と読み替えることもできる。「症例」からの情報収集が困難である場合は、その同居者や家族等から情報収集を試みる。
・「症例」が飛行機に搭乗していた場合は、「症例」と同じ飛行機に1メートル以内の距離で同乗した者や、症例が搭乗した飛行機の担当客室乗務員、清掃員等についても、上記のリスクレベルの表に従ってリスクを評価する。「症例」が公共交通機関や人が集まる場所等で嘔吐等があった場合は、感染伝播のリスクを評価した上で、メディア等を活用し接触した者の情報を収集することも選択肢となりうる。公共の場所における対応については、Q&Aを準備する。
・「症例」が受診した医療機関が複数あり、当該医療機関を管轄する保健所が複数にまたがる場合は、それぞれの医療機関内の調査は当該医療機関を管轄する保健所が、保健所間で連携を図りながら実施する。
・「接触者」は、曝露の程度により、前述のとおり「低リスク接触者」と「高リスク接触者」に振り分ける。発熱又は体熱感等の症状があった場合、直接、医療機関を受診せず、保健所に相談することを指導した上で、最終曝露から21日間、保健所が健康状態を1日2回確認する(健康観察)。(添付3)
・「接触者」のうち、健康観察中に38℃以上の発熱又は体熱感等を認めた者は、保健所医師の診断のもと、「疑似症患者(二次感染疑い症例)」として入院勧告・措置を行った上で、エボラウイルス特異的検査を実施し、その結果を踏まえ、必要な調査と対応を行う(以下の「接触者への対応」も参照)。検体輸送については、「ウイルス性出血熱−診療の手引き−第1版(平成23年度〜25年度厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)我が国における一類感染症の患者発生時に備えた診断・治療・予防等の臨床的対応及び積極的疫学調査に関する研究)」を参照する。
・無症状の「接触者」は、エボラウイルス特異的検査の対象とはならない。

接触者のリストアップ
 擬似患者が発生したら接触者のリストアップが求められる。
擬似患者と同時期に院内にいた患者さんのリストアップ
レセコン;ORCAは受付時間と会計時間は入力できるようにはなっている。
会計時間を入れているところは一般的
受付時間を入れているところはレア。
対策
 防犯をかねて玄関をCCDカメラで録画することをお勧めする。
なお玄関に時計をおいて録画で写るようにしておく
1)靴の取り違えがなくなる。すぐチェックできる
2)防犯に使える
3)接触者リストアップが比較的正確にできる
病院のような動線が複雑なところでも監視カメラは有用

参考文献
付録3 国立感染症研究所ウイルス性出血熱実地疫学調査における個人防護具の着脱
2014年11月13日
エボラ出血熱に対する積極的疫学調査実施要領〜地方自治体向け(暫定版)
http://www.nih.go.jp/niid/images/epi/ebola/1113-01.pdf
2014年11月13日 エボラ出血熱患者調査に係るフローチャート
http://www.nih.go.jp/niid/images/epi/ebola/1113-02.pdf
CDCの新しいエボラガイダンス
■[エボラv]CDCの新しいエボラガイダンス
http://d.hatena.ne.jp/neko_no_sippo/20150426/p1


PPEと消毒(具体的な製品は末尾の各論で)
リスクレベル4で行う
表A7-1
●リスクレベルに応じた個人用防護具の選択


日本医師会
エボラ出血熱に対する個人防護具(暫定版)


PPEの実際
 手袋二重、防水性使い捨てガウン、キャップ、シューズカバー、保護メガネ/フェイスシールド、液体防護性を備えたサージカルマスク(エアロゾル発生時にはN95/DS2 レスピレーター)
PPE(個人防御具)についてのよくある質問(2014年10月27日 暫定版)
http://www.dcc-ncgm.info/topic-%E6%84%9F%E6%9F%93%E9%98%B2%E5%BE%A1%E5%85%B7/%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E9%96%A2%E9%80%A3-%E6%84%9F%E6%9F%93%E9%98%B2%E5%BE%A1%E5%85%B7-ppe/

◇医療機関におけるPPE 配備の現状調査について
http://www.med.or.jp/japanese/members/bunsyo/data3/chiiki3/26chi3_193.pdf
*今回エボラ出血熱を想定したPPE とは
 手袋二重、防水性使い捨てガウン、キャップ、シューズカバー、保護メガネ/フェイスシールド、液体防護性を備えたサージカルマスク(エアロゾル発生時にはN95/DS2 レスピレーター)
別添(『ウイルス性出血熱ー診療の手引きー第1 版』平成23 年度-25 年度厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業)我が国における一類感染症の患者発生時に備えた診断・治療・予防等の臨床的対応及び積極的疫学調査に関する研究より)のリスクレベル4 を参照。
◇「ウイルス性出血熱―診療の手引き―」第1版(厚生労働科学研究)
  ⇒ http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003348.html
7-1 選択にあたっての要件
・ 個人用防護具には,手袋,呼吸用保護具,保護衣(ガウン・エプロン),シューズカバー,アイガード(フェイスシールド,保護メガネなど)などがある.汚染された表面,飛沫,噴霧,血液・ 体液,エアロゾル粒子との接触を防ぐため,これらを着用することで露出している皮膚のすべてを完全に覆うことができ,かつ,その個人用防護具は十分な性能を備えた用具でなければならない.
・個人用防護具の材質は,液体の浸透を防御する性能が高く,血液・体液やエアロゾルへの曝露を防ぐものでなければならない.たとえば,サージカルマスクは液体防護性(米国FDA 規格のASTM F1862 など),ガウンは液体防御性能基準(米国医科機器振興会AAMI 基準でレベル2以上)などで評価される.
・吸入性の曝露はVHF 感染と強い関連性はないが,患者と直接接触する者は,高性能の防護能を備えた呼吸用保護具を装着するのが適切である.通常,国家検定規格DS2 以上(米国NIOSH 基準でN95 相当以上)の認証を受けた性能をもつ使い捨ての防じんマスク(N95/DS2 レスピレーター)を使用する.使い捨て呼吸用保護具は再生使用型の呼吸用保護具と異なり,除染する手間が省けるため,より実用的である.
・呼吸用保護具の着用者は,密着性を確認するユーザーシールチェック(フィットチェック)を毎回着用前に行う.また,事前に定性式または定量式のフィットテストを行い,着用者の顔面への密着性の高い呼吸用保護具を選定しておく.各自のフィットテストの結果は記録保存する.
・エアロゾルが発生する処置が必要な場合には,呼吸保護の能力が高い電動ファン付呼吸用保護具(Powered Air Purifying Respirator:PAPR) を着用する.通常,伝播経路が不明な空気感染性病原体による感染予防にはPAPR が用いられている.
・患者と直接接触しないスタッフの呼吸用保護具は,サージカルマスクでよい.
7-2 着 脱
・個人用防護具は,曝露の可能性がある臨床場面に先立って着用し,曝露源から離れてから着脱する.たとえば,感染症病室の前室などで着脱を行う.
・使用後の個人用防護具が周囲の環境に触れて汚染の原因となるなど,個人用防護具がさらなる汚染源となってはならない.
7-3 廃棄・除染
・使い捨て個人用防護具は使用後,専用廃棄容器に入れ,感染性廃棄物として焼却処理する必要がある.再生使用型個人用防護具を使用せざるを得ない場合には,保管する前に適切な方法を用いて除染する.消毒などの除染方法は,VHF に有効であり,除染により個人用防護具の性能が損なわれず,再利用に際して危険性がないことが実証されなければならない.
7-4 保守・保管
・個人用防護具は,不慮の損傷や汚染を避けるために,適切に保管されなければならない.
・使用頻度の低い個人用防護具は,突然の使用に備えて防御性の劣化がないかどうか, 品質保持期限の観点から在庫調査や在庫管理の対象とすべきである.電動ファン付呼吸用保護具(PAPR) は,定期的に(少なくとも月に1 度)入念に検査・試験し,保守する必要がある.試験記録は,試験日から少なくとも5 年間は保管する.
7-5 トレーニング
・個人用防護具を使用するスタッフは,交差感染を防ぐための正しい着脱順番など, 着脱手順(特に外し方や脱ぎ方)の訓練や,呼吸用保護具のフィットテストなどを事前に実施する.
・個人用防護具をいつ使用すべきか,廃棄方法,あるいは必要があれば除染・保守・保管方法に関して明確な手順を定め,訓練を定期的に行う.

PPEに関するWHO指針
 首と頭を露出しない。目だし帽にする
Personal Protective Equipment in the context of Filovirus disease outbreak response Rapid advice guideline
http://www.who.int/csr/disease/ebola/en/
5e. Head cover
Recommendation 11
All health workers should wear a head cover that covers the head and neck while providing clinical care for patients with filovirus disease in order to prevent virus exposure
Conditional recommendation, low quality evidence for effectiveness of head cover in preventing transmission

PPE:CDCガイドラインFact Sheet
For Immediate Release: Monday, October 20, 2014
Contact: Media Relations(404) 639-3286
Tightened Guidance for U.S. Healthcare Workers on Personal Protective Equipment for Ebola
http://www.cdc.gov/media/releases/2014/fs1020-ebola-personal-protective-equipment.html
The Centers for Disease Control and Prevention (CDC) is tightening previous infection control guidance
PPEの脱ぎ方
●脱ぐ順番がとても重要
●表面の手袋、ガウン、フェイスシールドが最も汚染
これらを最初に脱ぎ捨てること
●マスクやゴーグルを触る前に、手袋を捨てること
●擦式アルコールを頻回に有効に活用すること

脱ぎ方の実際
NCGM エボラ出血熱対応PPE 訓練動画

https://www.youtube.com/watch?v=GQtY878yCT8
Donning and Doffing of PPE for Ebola Isolation Units
https://www.youtube.com/watch?v=N6F61J93FvE
操作手順 SARSの院内感染対策
http://www.kansensho.or.jp/meeting/kanren_past/sars3.pdf


エボラ出血熱の消毒
 厳重な消毒が必要である.患者の血液・分泌物・排泄物,およびこれらが付着した可能性のある箇所を消毒する
●80℃・10 分間の熱水
●抗ウイルス作用の強い消毒薬
0.05 -0.5%(500 -5,000 ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭*,または30 分間浸漬
アルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)で清拭,または30 分間浸漬
2 -3.5%グルタラールに30 分間浸漬**
**グルタラールに代わる方法として,0.55%フタラールへ30 分間浸漬や,0.3%過酢酸へ10 分間浸漬があ げられる.

1 エボラ出血熱
1)はじめに
 1976 年に,スーダンとコンゴ民主共和国(旧ザイール)で確認されたウイルス性出血熱の一種で,高熱と出血傾向などを主症状とする急性感染症である。感染源は動物(自然宿主)と考えられている。
2)感染経路1,2)
a 患者の血液の誤刺
b 患者の血液,尿,糞便,吐物および分泌物などへの接触
c 患者との濃厚接触
3)患者への対応
原則として入院。第一種感染症指定医療機関(各都道府県に原則的に1か所)への入院を勧告する。
4)患者環境および観血的処置時の対策
 血液や体液などに起因する汚染拡散に留意する。そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
 シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないような防御を行って臨む。
5)医療従事者への注意1,2)
 エボラウイルスはエンベロープと呼ばれる膜を持つウイルスであり,消毒薬抵抗性は高くない。しかし,エボラ出血熱の致死率は53〜88%と高いことから,厳重な消毒が必要である。また,消毒の際は手袋,ガウンおよびシューカバーなどを着用して行う。患者に咳嗽があれば,マスクやゴーグル(p.125 参照)なども着用する。 なお,患者病室から物品を運び出す際には,プラスチック袋で二重に密閉し,外側を0.05%(500ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
6)汚染物の消毒・滅菌1-8)
(1)対 象
a 患者の血液,分泌物および排泄物
b 患者が使用した物品や病室
(2)消毒薬
 患者の体液や排泄物などの消毒には,次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン,ピューラックス,テキサント,ハイポライトなど)やジクロルイソシアヌール酸ナトリウム顆粒(プリセプト顆粒)を用いる。また,金属製小物などにはグルタラール(グルタルアルデヒド :ステリハイド,グルトハイド,サイデックスなど)などが適している。なお,アルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)も使用可能である。
感染症法に基づく消毒・滅菌の手引きについて。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140815_02.pdf

・確定例(リスクレベル4)における対応を示す.
9-1 リネン
・急性期には使い捨てのリネンを使用することが望ましい.使用後は感染性廃棄物として廃棄する.
・再使用する場合は,熱水洗濯または0.05 ー0.1%次亜塩素酸ナトリウムに30分間浸漬する.
9-2 食 器
・使い捨ての食器を使用する.使用後はビニール袋に入れ,感染性廃棄物として廃棄する.
・残食の液体成分は医療用凝固剤で処理した後,廃棄する.
9-3 トイレ
・患者が自立している場合には,感染症病室内の専用トイレを使用してもらう.
・ポータブルトイレ・差し込み便器を使う場合には,排泄物を受ける部分に使い捨ての紙バッグをセットして使用する.使用後は医療用凝固剤で処理した後,ビニール袋に入れ,感染性廃棄物として廃棄する.
・オムツはビニール袋に入れ,感染性廃棄物として廃棄する.
9-4 清 掃
・感染症病室の清掃は個人用防護具の着用や廃棄物の処理に特別な訓練を受けた従事者が行う.
■患者血液・体液で汚染されていない場合■
・床は乾式モップで清拭後,湿式清拭を行う.
・高頻度接触面は70%エタノールまたは0.05%次亜塩素酸ナトリウムで清拭を行う.
■患者血液・体液で汚染された場合■
・吸収剤の入ったカバー(オムツなど)で汚染部位を覆う.
・カバーで汚染部位を拭き取り,ビニール袋に入れ,感染性廃棄物として廃棄する.
・汚染部位を次亜塩素酸0.5%ナトリウムで消毒し,2 分以上待ってからペーパータオルで拭き取る.
・大量の血液・体液で汚染された場合は,エプロン,ゴム長靴・ゴム手袋を個人用防護具の上に着用する.カバーの上から0.5%次亜塩素酸ナトリウムを追加してもよい.


搬送について
搬送車への同乗した場合、1m以内はハイリスク。レベル4のPPE装着前提で3週程度の経過観察が必要になる。欠勤は不要

搬送に必要な物品:


6 移送に必要な標準的な機材
(1) 標準予防策に必要な機材
ディスポーザブルの手袋(ラテックスグローブ・ゴムグローブ)
ガウン(消毒可能な綿製前掛け型・つなぎ型・不織布製)
マスク(N95 マスク・サージカルマスク)
保護眼鏡(ゴーグル・フェイスマスク)
リネン類(消毒可能なシーツ)
ディスポーザブル防水シート
(2) 消毒用物品
ぺーパータオル
消毒用エタノール
次亜塩素酸ナトリウム
手洗い用エタノール・塩化ベンゼルコニウム(ウェルパス・ショードック)
グルコン酸クロールヘキシジン(ヒビスコールA 液)
(3) 廃棄物処理用物品
医療用感染性廃棄物容器(廃棄時フタが固定されるもの)

(4) 移送車
 感染症の患者の移送に当たっては、移送のポイントで述べた4 項目が遵守されることが必要である。従って、移送に使用する車についてもそれらが守られる構造であることが望ましく、特に移送中の安全の確保、移送後の消毒については移送車において重要な点となる。この点を踏まえ、資料に感染症専用の車両及び現在の救急車等を改造した場合の2 通りについてモデルを示したので参考にされたい。

(4) 疾患別移送の実際
a)ウイルス性出血熱
 一類感染症のうちエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病及びラッサ熱については概ね臨床症状からは鑑別が難しく、区別して対応することには困難であるため共通の対応とする。
 まずウイルス性出血熱については、以下の疫学的事項を把握する。
 ウイルス性出血熱は、発熱・頭痛を初発症状とし、重症インフルエンザ症状が主で、重症化すると出血症状が出現し、ショックに陥る疾患である。クリミア・コンゴ出血熱を除き、サハラ砂漠以南の西アフリカ・中央アフリカヘの渡航者で、マラリアや腸チフスが否定された不明発熟の患者の場合に特に注意が必要である。エボラ出血熱は、1976 年から1979 年にコンゴ・スーダン、1984 年アイボリーコースト、1995 年コンゴ、1996 年ガホン・南アフリカなどの諸国で発生しており、現地での集団感染の発生に注意が必要である。宿主ではないがチンパンジーとの接触も要因として挙げられており、この分野の業者、研究者も高危険群となる。クリミア・コンゴ出血熱は、東欧諸国・中央アジア・中近東・インドアジア大陸・中国北西部で、ダニや野生の鳥、野兎に加え、ヤギ・ヒツジ・子牛など家畜がウイルスを保有しており、潜伏期は7 日以内である。マールブルグ病の疫学は不明であるが、サハラ砂漠以南の東アフリカ・西アフリカと考えられている。この地域から輸入された実験動物を扱う研究所・研究者からの発生が危惧される。ラッサ熱は、サハラ砂漠以南の西アフリカにおける風土病であり、この地域から帰国して3 週間以内に発熱がある場合は、この疾患の可能性がある。鑑別診断としてはマラリア・腸チフスであり、感染防御は接触感染予防策となる。上記の感染機会があり、高熱を主症状とし、口腔・歯肉・吐血・皮膚・結膜・鼻腔・消化管の出血症状をともなう場合、接触感染予防策及び飛沫感染予防対策をとる。

 一類感染症の患者を、第一種感染症指定医療機関まで移送するには、一般の消防救急よりも長い距離の移動が見込まれる。移送の対象となる者を診療した者は、まず移送可能な患者であるか否かを診断し、管轄保健所へ報告する。移送を行なう場合には、気管内挿管チューブ以外のドレーン類はすべて閉鎖回路とする。失禁する場合は尿道バルーンカテーテルを挿入し、便失禁・下血に対しては紙おむつ着用とする。撥水性ディスポーザブルガウンは、血液体液の流出により予期せぬ汚染につながる可能性があるので注意することが望ましい。
 移送する車両は、感染拡大防止措置が十分図れる構造の車両であることが望ましい。吐血・喀血などで汚染域が拡大しないように機器類や壁面をシートで覆い、床側もビニールシート上に吸湿性のシーツや不織布を敷き、移送後はビニールシートごと撤去し感染性廃棄物として処理する。吐血・喀血・失禁など患者周囲への汚染が明らかなときは、透明ビニールなどで患者空間を作り、同乗移送者が長時間患者空間に曝されないようにする。車両の患者空間の壁面・床は、まずガーゼなどで汚れを拭き取った後、次亜塩素系の消毒剤を用いて拭き、それを水で拭き取ることが原則となるが、疾患ごとの詳細については以下を参照されたい。これらの清掃物品も感染性廃棄物として処理する。
 移送にあたる者は、患者と接触する前に手袋・ガウン・サージカルマスクを着用、吐血・喀血や激しい咳嗽のみられる際には目出し帽型のキャップとフェイスシールドもしくはゴーグルを着用する。床側が汚染される恐れのある時はオーバーズボンを着用し、ゴム長靴かオーバーシューズを着用することが望ましい。汚染した手袋は、その都度替えて汚染域を拡げないように注意する。目に見えなくても血液・体液に汚染されたものはすべて着替えてから車外へ出る患者空間を出入りする場合も、汚染されていないかどうかを同乗者が確認し、汚染されたガウンを着たまま患者空間から出ないようにする。さらに移送を終えたのち病室前室で、手袋を替えたのちゴーグルを外し、キャップを脱ぎ、ガウン・オーバーズボンを脱ぐ。汚染されているときは、介助者に脱がせてもらい、自分の手を後側に回さないこと、汚染した手袋で自分の身体や服を触らないことが重要である。手袋は最後にはずすこととする。
 ラッサ熱以外には予防薬・治療薬がないことから、感染には充分に注意を払う。
 濃厚接触者は3 週間の健康観察が望ましい。この間には性行為などによる二次感染防止を心がけることが必要である。

4 各疾患ごとの移送後の標準的消毒方法
(1)一類感染症:エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱
a 消毒のポイント
 患者の血液・分泌物・排泄物、及びこれらが付着した箇所を厳重に消毒する。さらに、移送車の内部全体も消毒する。
b 消毒法
 移送車内部(血液・分泌物・排泄物の汚染箇所):まずガーゼなどで汚れを拭き取った後に、0.5%(5,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムをしみ込ませたガーゼ類で清拭する。さらに5 分間以上放置後に、消毒用エタノールをしみ込ませたガーゼ類で再び清拭する。
移送車内部(その他の箇所):0.05%(500ppm)次亜塩素酸ナトリウムまたは消毒用エタノールをしみ込ませたガーゼ類で清拭する。金属部分には、消毒用エタノールを用いる。 備品類:高圧蒸気滅菌を行なうか、または焼却処分とする。 c 備考
・ 次亜塩素酸ナトリウム清拭後に消毒エタノール清拭を行なうと、より確実な消毒効果が得られ、かつ次亜塩素酸ナトリウムによる金属腐食を防止できる。
・ 次亜塩素酸ナトリウムは、塩素ガスが粘膜を刺激することから換気に注意する。また、金属腐食性があることに留意する。
・ 消毒用エタノールは、引火性があることに注意する。

移送に携わった者の健康診断及び健康観察
 一類感染症や二類感染症の患者の移送に係わった者に対しては、1 年に1 回程度の健康診断に加え、以下のような健康診断が考えられる。それぞれについて有症状の場合はただちに、また症状のない場合は疾患の潜伏期を配慮したのちに専門医の診察と必要に応じて細菌培養検査や血液検査を行なう。また、行動制限等を伴うことなく、専門医のもとで発症の有無を観察する(健康観察)期間を設けることが望ましい。
1) ウイルス性出血熱患者を移送した場合
血液・体液に汚染されなかったとき・・・・・・・・3 週間の健康観察
血液・体液に創部や粘膜が汚染されたとき
ラッサ熱・エボラ出血熱・マールブルグ病・・・・3 週間の健康観察

8 移送に必要な体制
 都道府県は、感染症法に基づいて入院する感染症の患者を適切な移送車で移送する体制を確保する。移送は、運転者を含む最低2 人の体制で行なうこととし、2 人の内1 名は、感染症に関する一定の知識を有する者とすることが望ましい。移送に携わる者は、ジフテリアなど必要な予防接種をあらかじめ受けておくことが重要である。なお、必要に応じて医師が同乗する。いずれにしてもこのような対応に携わる医療チームは、前もって知識・訓練等を受け対応に習熟した者が加わっていることが必要である。
 なお、今回一類感染症に追加された重症急性呼吸器症候群(病原体がSARS コロナウイルスであるものに限る)、痘そう(天然痘)に関しては、まだ完全に確定していないが、ともに感染形態としては飛沫感染と接触感染が主で、空気感染に関しては、否定的である。機内における空気はフィルターを用いた空気清浄が行なわれているが、乱流の発生が想定され、また湿度は10%前後であり、高度乾燥状態にあるため、主として飛沫感染であるがより注意が必要である。
感染症の患者の移送の手引きについて
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140815_01.pdf

医師の同乗:救急車の利用
 あくまで保健所の責任において医師を準備する
エボラ出血熱患者等の移送に係る消防機関の協力について(H.26.12.2)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/ebola/26chi3_224.pdf
保健所等は、その責任において移送車両に医師を同乗させること等により、患者及び移送に当たる職員を医学的管理下に置いた上で移送を行うこと。
・ 保健所等は、移送が終了した後の移送に当たった職員等の健康管理、車両の消毒及び廃棄物の処理を行うこと。


中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者搬送における感染対策2014年7月25日現在 国立感染症研究所感染症疫学センター 国立国際医療研究センター病院国際感染症センター
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/4859-patient-transport-mersandh7n9.html
1)中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者(疑似症患者を含む)
 気管内挿管されていたり酸素マスクを装着している場合を除き、患者にサージカルマスクを着用させる。呼吸管理を行っている患者に対しては、感染対策に十分な知識と経験のある医師が付き添う。自力歩行可能な患者に対しては歩行を許可し、そうでない場合は車いす、ストレッチャーを適宜使用して車両等による搬送を行う。搬送に使用する車両等の内部に触れないよう患者に指示をする。呼吸管理を行っている患者に対しては、感染対策に十分な知識と経験のある医師が付き添う。自力歩行可能な患者に対しては、歩行を許可し、車いす、ストレッチャーを適宜使用して車両等による搬送を行う。搬送に使用する車両等の内部に触れないよう患者に指示をする。
2)搬送従事者
 搬送従事者は、全員サージカルマスクを着用する。搬送車両等における患者収容部で患者の観察や医療にあたる者は、湿性生体物質への曝露があるため、眼の防御具(フェイスシールドまたはゴーグル)、手袋、ガウン等の防護具を着用する。 気管内挿管や気道吸引の処置などエアロゾル発生の可能性が考えられる場合には、空気感染予防策として N95マスク(もしくは同等以上のレスピレーター)を着用する。搬送中は適宜換気を行う。搬送中は周囲の環境を汚染しないように配慮し、特に汚れやすい手袋に関しては、汚染したらすぐに新しいものと交換する。手袋交換の際は、手指消毒を行う。使用した防護具の処理を適切に行う。 特に脱いだマスク、手袋、ガウン等は、感染性廃棄物として処理する。この際、汚染面を内側にして、他へ触れないよう注意する。
3)搬送に使用する車両等(船舶や航空機も含む)
 搬送従事者、患者のそれぞれが、必要とされる感染対策を確実に実施すれば、患者搬送にアイソレーターを用いる必要はない。患者収容部分と車両等の運転者・乗員の部位は仕切られている必要性はないが、可能な限り、患者収容部分を独立した空間とする。患者収容部分の構造は、搬送後の清掃・消毒を容易にするため、できるだけ単純で平坦な形状であることが望ましい。ビニール等の非透水性資材を用いて患者収容部分を一時的に囲うことも考慮する。車両内には器材は極力置かず、器材が既に固定してある場合には、それらの汚染を防ぐため防水性の不織布等で覆う。患者搬送後の車両等については、目に見える汚染に対して清拭・消毒する。手が頻繁に触れる部位については、目に見える汚染がなくても清拭・消毒を行う。使用する消毒剤は、消毒用エタノール、70v/v%イソプロパノール、0.05 〜0.5w/v% (500〜5,000ppm) 次亜塩素酸ナトリウム等。なお、次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、換気や金属部分の劣化に注意して使用する。
4)その他
 自動車による搬送の場合、原則として、患者家族等は搬送に使用する車両に同乗させない。船舶や航空機等の場合は、ケースに応じて適宜判断する。搬送する患者が中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者であることを搬送先の医療機関にあらかじめ伝え、必要な感染対策を患者到着前に行うことができるようにする。搬送の距離と時間が最短となるように、あらかじめ手順や搬送ルートを検討しておく。搬送する段階では中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)罹患を想定せずに搬送を終了し、のちに患者が中東呼吸器症候群(MERS)・鳥インフルエンザ(H7N9)患者であると判明した場合は、感染対策が十分であったか確認をする。搬送における感染対策が不十分であったと考えられた場合は、最寄りの保健所に連絡のうえ、搬送従事者は「積極的疫学調査ガイドライン」等に従った健康管理を受けることとなる。搬送時に準備する器材の一覧表については、付表1を参照のこと。

感染者搬送で密閉できる車椅子
車椅子型アイソレータ(陰圧タイプ)CIW-1500N 
http://youtu.be/udT8cvZLzLc
http://www.nihonika.co.jp/sin_enza.html
密閉できるストレチャー
陰圧キャリングベッド CIB-2000S
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=4STzIC5DXso
http://www.nihonika.co.jp/h/p/kansen/cib-2000s.htm
和歌山)エボラ熱 県、専用搬送車購入読売新聞 2014年11月21日(金)
http://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20141120-OYTNT50225.html
専用車2台を購入する
密閉構造式の車いすも2台を導入。
患者はこの車いすに乗せ、そのまま専用車に積み込んで運ぶ。


廃棄物処理
9-5 廃棄物の処理
・一類感染症の医療廃棄物は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律,廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル,廃棄物情報の提供に関するガイドラインに基づいて実施される.
・感染症病室からの廃棄物はすべて感染性廃棄物として処理されなければならない.
・一類感染症患者の診療に伴う廃棄物については,密閉性のある耐貫性専用容器にバイオハザードマークのついたビニール袋,または段ボール箱でさらに外装する.
・液体は医療用凝固剤を使うなどして,漏れないように注意する.
院内でオートクレーブした医療廃棄物は非感染性廃棄物として処理できる.
・特別管理産業廃棄物管理責任者は事前に処理業者と廃棄物の処理法について話し合っておく.
環境省のマニュアルに沿って行う
廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル
http://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual.pdf
4.3 施設内における保管
1 感染性廃棄物が運搬されるまでの保管は極力短期間とする。
2 感染性廃棄物の保管場所は、関係者以外立ち入れないように配慮し、感染性廃棄物は他の廃棄物と区別して保管しなければならない。
3 感染性廃棄物の保管場所には、関係者の見やすい箇所に感染性廃棄物の存在を表示するとともに、取扱いの注意事項等を記載しなければならない。
◇廃棄物処理におけるエボラ出血熱対策について(H.26.11.5)日医;上記と同文
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/ebola/26chi3_202.pdf

廃棄物の処理


エボラ出血熱とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html
感染症法における取り扱い(2014年8月現在)
全数報告対象(1類感染症)であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければならない。
届出基準はこちら
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html
エボラ出血熱とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora.html
エボラ出血熱の国内発生を想定した医療機関における基本的な対応について(依頼)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20141024_01.pdf
◆エボラ出血熱に関する情報
◇エボラウイルス病に関する緊急決議(WMA)
  ⇒ http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003342.html
◇エボラ出血熱関連都道府県医師会宛て通知(日本医師会)
  ⇒ http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003341.html
  ◇エボラ出血熱に関するQ&A(厚生労働省作成)
  ⇒ http://www.med.or.jp/jma/kansen/ebola/003340.html


エボラ患者に90cm以内で「中リスク」米指針読売新聞 2014年10月29日(水) 配信
 【ワシントン=中島達雄】米国内でエボラ出血熱の発症者が相次ぎ、複数の州が独自の検疫強化策を発表するなど混乱が続いていることを受け、米疾病対策センター(CDC)は27日、連邦政府としての統一的な運用指針を新たに策定し、発表した。
 新指針は、発症リスクの高低によって対象者を4段階に分類。発熱などの症状ありの場合と、症状なしの場合に分け、隔離や経過観察などの措置を示した。
 西アフリカの流行国などで患者の血液などに直接触れた「高リスク」の人は症状が出ていなくても、旅行や大勢が出入りする場所への出入りが禁止された。患者に3フィート(約90センチ)以内まで近付いた「中リスク」の人も、状況によっては旅行などを禁じる

「ウイルスは消毒液で死滅。過度な心配の必要ない」 エボラ熱医療に従事した千葉県の看護師・大滝さん千葉日報 2014年10月28日(火) 配信
 西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱。シエラレオネで医療活動に従事した看護師の大滝潤子さん(38)=大網白里市=は「防護服はサウナのように暑く、体力を奪われた」などと過酷な日々を振り返った。日本での患者発生への警戒感が強まる中、「空気感染はしないので過度に心配する必要はない」とも話し、冷静な対応を呼び掛けた。
 国際的な活動で知られる「国境なき医師団(MSF)」の日本事務局は、6月末以降、3人の看護師を順次、西アフリカに派遣。大滝さんは8月3日から9月10日までシエラレオネ東部のカイラフンにある治療センターで働いた。
 地元や、各国から派遣された医療スタッフ計約50人態勢で、約60人の入院患者を担当。毎日患者が亡くなり、新しい患者も5人ほど来る。一緒に働いていた現地の看護師もエボラ出血熱にかかり死亡した。
 医療従事者への二次感染を防ぐため、入院患者がいる隔離エリアに入る際は防護服にマスク、ゴーグルを装着し、1回の作業は最長でも1時間に限られた。患者の吐しゃ物や排せつ物にはウイルスが含まれるため、手袋をしていても触れる時は恐怖を感じた。
 「少しのミスが命取りになりかねない。作業を終えるたびに必ず手を洗うとともに、手で顔を触らないよう癖をつけていた」
 どこにウイルスが付着しているか分からないため、隔離エリア以外でも、他人に触れたり、触れられたりしないよう心がけていたという。
 「防護服の暑さで体力を奪われた上、毎日患者の死に接して精神的にもきつかった」と話す大滝さん。これまでMSFの派遣でイラクやヨルダン、南スーダンでの医療活動を経験しているが「今回が一番過酷だった」と振り返る。
 日本に帰国後は、1日2回体温を測って体調に異常がないか注意し、万一に備えて受け入れ態勢のある病院の場所を確認するなどしたという。
 米国や欧州にも感染が飛び火する中、日本政府は水際対策を強化しているが限界はあり、国内で患者が見つかる可能性はゼロではない。
 大滝さんは「エボラウイルスは消毒薬で死滅する。手洗いなどの通常の感染症と同じ対策を取れば、過剰におびえる必要はない」と話した。


PPE各論:お勧めセット

感染症対策用保護具キット:タイベックのキット:売れすぎて欠品。この上に前着をつけることも


実際のクラス4の当院のタイベックのキット
2年で入れ替えとなる


ICK-2 新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、SARS等感染症対策用保護具
http://www.bougofuku.com/goods/sars/
ICK-3 新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ等感染症対策用保護具
http://www.bougofuku.com/goods/sars/ick3.htm
タイベックは、デュポン独自のタイベック素材を使用した化学防護服です。T・U・V型の3種類があり、新型インフルエンザ等の感染症対策をはじめ、アスベスト等の粉じん対策、工場内作業や農作業など、幅広い用途に使用できます。
http://tyvek.co.jp/pap/category/products/tyvek_softwear/

クラス3のPPE次善の策
 デッドストックを作らないように。とにかく安く

アイソレーションキャップ:ごく普通のキャップ



サージカルガウンマスク付き:手術着のマスク付


ゴーグル;アイシールド付きマスク。マスクと一体になっている。


 実際つけてみた。フィルムのカーバー範囲は広い。上部は額部中央までで、キャップをかぶれば前面は覆われる.横も広い。案外曇らないから、日常で、もっと使ってよいかも。おすすめ。

ディスポアイシールド:使い捨てタイプ


ファーストレイト アイソレーション・キャップ
http://www.askul.co.jp/v/6273/
アイシールド
フェイスガード付マスク:マスクと一体型。160mmHgですから防水も良好。目だし帽タイプもあるが。後述している。
http://www.hakuzo.com/img/item/311/main1.jpg?1414646511
シールド付フェイスマスクA
http://www.hakuzo.com/product/detail/index.php?id=311
人工血液バリア性21.3kPa(160oHg) 透過なし
ディスポーザブルアイシールド 433480 長谷川綿行
http://www.askul.co.jp/ctg/itemdetail/itemEnlargedImageView/?ctgItemCd=324733&fileType=LL3
サージカルガウン:BENITSURU TEXSEL サージカルガウン (1枚滅菌済)
http://www.benitsuru.co.jp/catalogue_sub/055surgicalgaun/055surgicalgaun.html

お勧めセット:その他
 ディスポのキャップ。首の露出を避けるなら、竹虎のマスク付のアイソレーションガウン(案外製品ない。竹虎にあった)を着てフェイスガード付マスクで二重とする。ガウンが短いからディスポズボン長めのシューズカバー。ディスポ手袋は二重
マスク付のアイソレーションガウン
フェルラック bP00:竹虎。防水性アイソレーションガウン(マスク付)
http://www.taketora-web.com/medical/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E2%84%96100-2/
カタログ
http://www.taketora-web.com/tt-admin/wp-content/uploads/2014/03/22c6b0c4018fdf79eb976a152ebc8cf2.pdf
アンダーウエア:ディスポズボン:ガウンが短いからパンツもあったほうがよいか
http://www.vicre.co.jp/product/pdf/medical.pdf


基本的なこと
感染防止対策(基本的対応:PPEも含めて)B PPE
https://www.youtube.com/watch?v=vSJBCjmOb3o&feature=youtu.be
エボラ出血熱・デング熱への対応6:エボラ出血熱の臨床:臨床症状・診断法・治療法・感染防止対策 - 感染防御の基本
https://www.youtube.com/watch?v=GAI26DPiqQ0&feature=youtu.be
PPEのつけかた
http://www.ppeenq.jrgoicp.org/%E5%80%8B%E4%BA%BA%E9%98%B2%E8%AD%B7%E5%85%B7%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%A8%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B0%E9%9B%86_201102.pdf
http://jrgoicp.umin.ac.jp/related/PPE_PPT_201102.pdf
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/hoken/files/2013seminer_03-1.pdf

PPEの装着法動画:脱ぎ方が大切
NCGM エボラ出血熱対応PPE 訓練動画
https://www.youtube.com/watch?v=GQtY878yCT8
Donning and Doffing of PPE for Ebola Isolation Units
https://www.youtube.com/watch?v=N6F61J93FvE


その他
マスク
エボラの場合;接触感染であるから、N95ではなく「液体防護性を備えたサージカルマスク」でよい。
(エアロゾル発生時にはN95/DS2 レスピレーター)
サージカルマスクは概ね血液不浸透性(液体浸透耐圧)は80mmHgをクリアーしています。念を入れるなら120mmHg以上のものが良いかもしれません。
シールド付きマスクがあります。

サージカルマスクの基準


サージカルマスクのレベル


N95マスクとの違い


N95マスクについて
今回のエボラ騒動では幸いN95マスクはつけなくてよい。
空気感染であればつけざるを得ない。
慣れが必要なようです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/anursing/kurahara/201411/539569_2.html
N95マスクを装着せずに肺癌病棟に階段で上った場合と、N95マスクを装着して結核病棟に階段で上った場合を比較してみました。すると、興味深いことにN95マスクを装着してもさほどSpO2は下がらないのですが、心拍数と呼吸数が上昇するではありませんか(表)。肺胞低換気に陥ろうとするのを心拍数と呼吸数で代償している状態を目の当たりにしているのかどうか定かではありませんが、少なくとも主観的に息がしんどいと感じていることは明白でした。
 しかし、研修医が結核病棟の勤務に慣れていくにつれて、“N95耐性”ができたのでしょうか、心拍数と呼吸数はほぼ変動しなくなりました。
 普段からN95マスクを装着しなければならない看護師さんは「慣れたら大丈夫よ」と言いますが、装着し慣れていない看護師さんにとってはこのマスクは結構しんどいようです。

つなぎタイプ
感染症予防 防護服 F-T62 フリーサイズ
  http://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%88-%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E4%BA%88%E9%98%B2-%E9%98%B2%E8%AD%B7%E6%9C%8D-F-T62-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA-%E3%80%90%E8%B6%B3%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E4%BB%98%E3%81%8D%E3%80%91-%E9%98%B2%E7%81%BD%E7%94%A8%E3%81%AB%EF%BC%81%E3%80%90%E8%80%90%E8%8F%8C%E6%80%A7%E3%80%91%E3%80%90%E8%80%90%E8%96%AC%E5%93%81%E6%80%A7%E3%80%91%E3%80%90%E8%80%90%E6%B0%B4%E6%80%A7%E3%80%91%E3%80%90%E8%80%90%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%80%A7%E3%80%91%E3%80%90%E8%80%90%E6%B2%B9%E6%80%A7%E3%80%91-%E9%98%B2%E7%81%BD%E6%9C%8D-%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%9C%8D/dp/B004SCZ3M6
つなぎタイプ
http://www.monotaro.com/s/c-25868/
ガウン
http://www.askul.co.jp/s/09-0901-0901003-09010030003/
足カバーなど
http://www.nissho.net/h_n/medical/mskcap.html

マスク
目出し帽タイプ
デンデン帽 CA-105 50枚入リ /1-6622-03
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%BA%E3%83%AF%E3%83%B3-1-6622-03-%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E5%B8%BD-CA-105-50%E6%9E%9A%E5%85%A5%E3%83%AA/dp/B00FRCAQ82/ref=sr_1_41?ie=UTF8&qid=1414662721&sr=8-41&keywords=%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97
フェイスカバーフード(クラス100)
http://www.monotaro.com/g/00250390/
アズワン クリーンフードAS449C(クラス1000) 1枚
http://www.monotaro.com/s/c-86115/

シールド付フェイスマスクA
http://www.hakuzo.com/product/detail/index.php?id=311
●人工血液バリア性21.3kPa(160oHg) 透過なし
http://www.askul.co.jp/p/8295253/
http://www.askul.co.jp/s/09-0901-0901001-09010010005/
http://www.medicom-japan.com/products/goggle_faceshield.html
http://med.saraya.com/ppe/kikakukijun/mask.html
血液不浸透性(mmHg)【FR】
液体(血液)が飛散した場合、どの程度の圧力にまで耐えうるかを示します。
http://www.san-m.co.jp/mask.html
●血液不浸透性(FR)とは?
血圧(80,120,160mmHg)に相当する圧力で合成血液をマスクに当て、マスク内側への合成血液の浸透の有無を肉眼で確認します。
メジャーリーガー
http://www.skyrainbow.co.jp/cgi-bin/sky/siteup.cgi?category=1&page=1
血液・唾液等がマスクに付着することがありませんか?
米国やEUでは医療用マスクにおいて液体浸透耐圧(血液や体液の浸透を遅延する)性能80mmhg以上が求められており、マスク・メジャーリーガーは、その1ランク上の120mmhgをクリアしています。
これは、オペやスケーリング時に口や鼻腔を通して患者さんの血液・唾液等を被冠するリスクを大きく低減することを意味します。
左記の写真は、液体浸透耐圧のテストで、マスク・メジャーリーガーは米国ネルソン研究所で120mmhg試験合格済みです。
サージカルマスク(外科用マスク)
http://www.mask.co.jp/disupo/sagikaku01/disupo01.htm
合成血液不浸透性:(mmHg) 80
血液不浸透性。合格する最低圧力の規格化。
人間の血圧(80mmHg)に相当する流速で合成血液をマスクにふきつけ、マスクの内側への血液の浸透有無を肉眼で観察する。
http://www.mmm.co.jp/hc/medical/pro/mask/faq/index.html
「N95マスク」は「サージカルマスク」とどのような点が違いますか?
「サージカルマスク」を着用する一義的目的は、着用者(医療従事者)の呼気中に含まれ排出される微生物などから患者を守ることにあります。又、耐水性のあるサージカルマスクは着用者(医療従事者)が血液・体液由来の病原体に曝されるリスクを軽減するという目的も兼ね備えています。
一方、「N95マスク」はある種の空気感染源を捕集します。又、感染源が顔面とマスクの隙間から侵入しないよう、顔面に密着するよう設計されています。現在市販されているサージカルマスクのほとんどはN95マスクが備えている捕集効率や密着性を備えていません。したがって、N95マスクで期待される呼吸器感染の原因となる物質の吸入リスク軽減をサージカルマスクに求めることは不適当です。


感染症指定医療機関の指定状況(平成26年11月10日現在)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=204997
未指定の8県はすべて設置すると表明した。ただ時期は未定
【宮城】エボラの疑い患者 7病院で受け入れ提案へ
http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/29/264738/
◆ 東北大病院総合感染症科長の賀来教授に聞く
18年に「1類感染症」専門病床を新設
http://mm.m3.com/r/4kNiA-dUi-5XJ.html
海外でエボラ出血熱の感染が拡大する中、東北大病院(仙台市青葉区)は、「1類感染症」に対応する専門病床(2床)を2018年3月にも新設する。
 専門病床は完成後、宮城県から1類感染症患者を受け入れる「第1種感染症指定医療機関」に指定される見通し。東北では4番目、宮城県内では初の指定となる。
 後発となった背景について、賀来氏は「がん治療、移植などの高度先進医療を担う大学病院に固有の事情」と説明する。重篤な基礎疾患の患者が感染症にかかると重篤化する危険があり、感染症患者の収容は本来、大学病院の医療と相反する面もあるという。
 実際、大学病院が設置する例は少なく、旧帝大の付属病院は現在、1カ所も指定機関になっていない。
青森県立中央病院にエボラ対策病床 青森市、来年3月に工事完了 東奥日報 2014年10月28日(火) 配信

http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/10/28/264410/
 県は、エボラ出血熱など危険性が極めて高い「1類感染症」の患者を受け入れる病床(1床)を、県立中央病院(青森市)に整備する。今春から工事を進めており、来年3月に完了する。三村申吾知事が来年4月、感染症法が定める「第1種感染症指定医療機関」に指定し、病床を稼働させる方針。また、県は来年1月にも、県内の感染症医療従事者対象の研修を実施するなどし対策を強化する。
◆ 秋田県が「1類感染症」対応の病床整備へ エボラ出血熱の発生に備え
http://mm.m3.com/r/4qjqk-dUi-5XJ.html
 専用病棟を新設する場合で約2億円、改築でも数千万円の設備投資が必要とされる。国、県で全額負担するが、病棟までの渡り廊下など補助対象外の施設があり、医療機関側の負担になるとの懸念がある。感染症専門医の確保も課題だという。
 東北で未整備の青森県と宮城県では、青森市と仙台市にそれぞれ新設される方針が既に明らかになっている。


次亜塩素酸の作り方
不安定だから使い切りが原則

指導:石黒 信久(北海道大学病院感染制御部 診療教授)
http://dl.med.or.jp/dl-med/people/plaza/404.pdf
次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤について教えて
http://www.kao.com/jp/soudan/topics/topics_083.html
次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤は台所用の「キッチン泡ハイター」「キッチンハイター」と、衣料用の「ハイター」です。「キッチン泡ハイター」は、薄めずそのままスプレーして使用します。希釈の目安(例)を下表に示します
その他各種製品の濃度は以下でチェック
大体6%のが多いようです。
塩素系漂白剤の種類と選び方はどうのようにしたらよいのでしょうか?
http://www.kao.co.jp/pro/product/detail/qa/1600_qa.html
http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2008_3_pdf/02.pdf
 次亜塩素酸ナトリウムの効力は、0.1%(1,000ppm)と0.01%(100ppm)のいずれであってもほぼ同等です。いずれの濃度でも、もっとも強い消毒薬抵抗性を示す枯草菌(Bacillussubtilis)の芽胞を30分程度で殺菌できる強い抗菌力を有しています。ただし。汚れの混入による効力低下は、0.01%(100ppm)液の方が0.1%(1,000ppm)液に比べてはるかに大きくなります。したがって、血液汚染などの可能性がある洗濯前のリネンには、0.1%(1,000ppm)液への30分浸漬を行います。
ハイターの使用でも多分よいでしょう。ただし、直射日光下に置かれたり、製造後数年以上経過したハイターでは、かなりの濃度低下をきたしている場合があります。ハイターなどの雑品では、医薬品と異なり製造日時の記載がないため、製造後の経過日数が分からないのが難点です。
http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2008_3_pdf/13.pdf
A39 1.ハイター
消毒後の「水拭き省略」について
 ノロウイルス患者使用後の便座消毒としては、ハイター(1000ppm:市販ハイターの40倍希釈)を用いた十分な消毒後に水拭き、またはアルコール清拭を行うことが理想的です。しかし、人的に困難な場合はハイター消毒後の水拭きを省略することも可能です。ただし、この場合、清拭後のハイター液が完全に乾燥していることが条件となります。完全に乾燥しますとハイター液中の塩素は揮発しますので無害ですが、湿っている状態では遊離塩素が皮膚炎を起こすこともありますので留意して下さい。  また、頻繁にトイレ消毒を行う場合は、塩素臭気排除のためトイレ室内の換気も忘れずに行って下さい。
*注意:長期間水拭きを省略しますと、便座の変色および金属部分の腐食は避けられません。
*汚染物を消毒する際の注意:吐物、下痢便、オムツ等を処理する場合は、手袋とマスクを着用し接触や飛沫による二次感染を防いで下さい。また、処理後はセッケンと流水で十分に手洗いを行って下さい。
2.環境消毒について
 ノロウイルス感染は「食中毒」によるものと、「接触感染やエアロゾル感染」などにより感染する二面性を持ちます。また、感染力は、きわめて強く少量のウイルス(10〜100個)でも感染が成立します。特に飛散した患者の嘔吐物や下痢便は乾燥してもしばらくの間、感染性を保持し二次感染の原因となるため他の利用者が頻繁に触れるテーブルや椅子のハイター消毒(200ppm:市販ハイターの200倍希釈)は、流行期の二次伝播防止に効果的です。一方、非流行期は水拭き、またはマイペットの使用で十分です。
3.食器の消毒について
 ノロウイルス感染症は、嘔吐、下痢などの症状が消失しても通常3週間以上に亘り便中にウイルスが排泄されます。さらに、免疫力の低下した小児や高齢者などでは1〜2ヶ月以上の長期にわたる場合もあります。また、嘔吐の症状が無く、下痢症状を有する患者では排泄後にトイレットペーパーを介して手指にウイルスが付着し汚染されます。介護を必要とするご老人の多くは手指消毒を徹底することが困難であることが多いため二次的に食器や手摺などが汚染されます。このため、流行期には嘔吐または下痢の症状の有無に関わらず食器を消毒することが理想的です。

次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低いと効果有りません
いわゆる「身体に害のない」ものは使えない
除菌ができるもので「人畜無害」というのはあり得ません。よく売られている「弱酸性次亜塩素酸ナトリウム水」は濃度が低くて効果有りません。「身体に害のない」という表記の製品は大体駄目なようです。
混ぜ物がされている弱酸性の次亜塩素酸ナトリウムは、製造と同時に化学反応が起きていますから、有効塩素濃度は一カ月経たないうちに半分以下になり、弱酸性から強酸に変化して行く粗悪品で、購入後暫くすると効果が感じられなくなるばかりでなく、安全な物とは言えなくなってしまいます。
ノロウイルスに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
弱酸性次亜塩素酸水
http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa6411217.html
ノロウイルスはアルコールでは利かないと専門家が言ってました
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1451026254
次亜塩素酸ナトリウムのグレードについて。 高いものから安いものまでありますが...
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1350912668


議論になるところ
外出時出要請の程度
ガイドラインでは自宅待機は「まったく自宅から出ない」等の複数の選択肢から適切な措置を選ぶ となっている。
相反する要求
1)感染を押さえ込むには厳重にして接触者は少ないほうがよい
接触者が増えれば増えるほど健康観察者は鼠算で増えていき管理が困難になる。
2)人権問題もある

高リスク者の自宅待機の場合の行動制限程度
1)感染していたとしても、3週間の潜伏期間の感染リスクは極めて低い
2)毎日の体温チェックなど健康管理や監視ができている
 管理さえできていれば、マスクなどをしての、「必要最小限の日常の買い物等の外出」は、やむを得ないのではないでしょうか
接触者管理
・最小限度の措置という感染症法の趣旨を尊重し,患者に不必要な入院勧告・措置が行われないよう配慮した.
・「潜伏期間における感染リスクはきわめて低い」ので,経過観察を行う場は自宅でも病院でもよい.病院で経過観察を行う場合は,プライバシーの保てる個室に入院させることが望ましい.
【接触者管理の手順】
1. 患者の行動,診療内容などの整理
2. 接触者のリストアップ
3. 接触者の感染リスクによる分類
4. 接触者の健康観察,健康管理
5. 有症時の対応:早期診断,隔離,新たな接触者調査,リスク評価
*リストアップした接触者に職員以外の者(例:他の患者,訪問者,家族など)が含まれた場合には,接触者の分類に従って同様に感染リスクに応じた分類を行い,対応する.
*接触者に含まれる他の入院患者が退院するなど,接触者の追跡管理が病院で実施することが困難な場合 は,速やかに保健所と連携し追跡もれが起こらないように務める.
8-4 健康観察手順
【接触者管理の目的】
・発病の可能性がある期間(潜伏期間),接触者の積極的な健康観察を行い,発病した場合には早期に発見し早期対応を行う.
・健康管理責任者は職員の勤務前の「体温,手指などの創の有無,精神状態を把握」し記録する.
・感染症病室に立ち入る職員は,VHF の接触者として,曝露リスクを表A8-2 に従って分類する.
・健康に不安のある職員は十分な相談が受けられるように配慮されるべきである.
・発熱以外の症状は,VHF を示唆するものでないため勤務可能だが,「前駆症状として,倦怠感,頭痛,筋肉痛などを認めることがある」ことに留意する.
・高リスク曝露の場合,慎重な健康観察を行う上でも勤務を中止することが望ましい.
高リスク(分類3)
患者の血液または体液との直接接触あり
これには以下を含む
・臨床検体の非保護処理
・スプラッシュへの粘膜曝露
・針刺し切創
リスクについての説明, 勤務中止を勧める
説明文書の提供および必要に応じ, カウンセリング、積極的モニタリング
担当者による健康観察(直近の曝露から21 日間体温を自己記録,毎日定刻に担当者が確認
・曝露後予防内服を行う場合は、血液検査を実施
・症状発現時には精査
5-2-3 勧告および措置入院
・都道府県知事は,まん延防止のために必要な場合は,患者に対して十分な説明を行ったうえで,特定感染症指定医療機関または第一種感染症指定医療機関への入院を勧告することができる.患者が勧告に従わない場合は,入院させること(措置)ができる.
・第一種感染症指定医療機関に患者を移送しないまま,入院勧告が行われる場合がある.
・上記の勧告,措置による入院は72 時間以内までとし,引き続き入院が必要な場合は,感染症の診査に関する協議会の意見を聴き,10 日以内の期間を定めて入院の勧告などを行う.以後,同様の手順により,10 日以内の単位で入院期間の延長が可能である.
国境なき医師団、隔離措置に反発 エボラ対策、米各州が外出禁止
http://www.47news.jp/CN/201410/CN2014103101001519.html
自宅からの外出禁止など強制隔離措置は医療関係者を「萎縮」させていると指摘、撤回を求めた。
女性看護師ケイシ・ヒコックスさんは30日、東部メーン州の自宅から州の指示を無視して公然と外出した。

飛行機の同乗
エボラは接触感染であり空気感染ではないこと
 したがってマスクは耐水性のあるサージカルマスクで十分。今回はN95マスクは不要。体液に接触する可能性1m以内の接触でなければよい。
・エボラ出血熱への感染があり得る患者の発生について。
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=204979
国民の皆様へのメッセージ。
○ 疑似症患者は、まだ感染は確認されておらず、検査の結果、陰性となることも十分にあり得ること
○ エボラ出血熱は、体液の接触を除けば、通常、飛行機に同乗しただけで感染するものではなく、同乗していた乗客の感染リスクは極めて低いこと
○ 発症段階で初めて感染力を持つとされており、万が一、感染したとしても症状が現れるのは、早くても2日経過後であることから、疑似症患者の検査結果が判明してから、対応いただければよいこと
○ よって、同乗客におかれては、落ち着いて行動いただきたいこと
なお、厚生労働省健康局では、下記の専用電話で疑似症患者が搭乗していた航空便の乗客の方からのお問い合わせにお答えいたします。
専用電話番号: 03-3595-2191

飛行機の同乗;トイレの問題。
 皮膚に接触すればアウト。なお体液に尿は含まれていない。便はアウト。エボラウイルスは「飛沫であれば90分しか生き残れない」という記述は散見するが根拠文はまだみつけられていない。ベット枠にいないということは、寿命は短いと考えるべきか。
2014年10月31日国立感染症研究所
〇事例の概要
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/vhf/ebora/1094-idsc/5127-ebola-ra141031.html
 過去の調査において、エボラウイルス遺伝子は、EVD患者の血液以外の体液等(急性期患者の唾液、便、皮膚スワブ、涙、急性期及び回復期患者の母乳、回復期患者の精液)で検出されている16,17)。急性期患者の汗、急性期患者の尿、喀痰、吐物からはウイルス遺伝子は検出されていない。 回復期患者から採取された臨床検体(涙、汗、便、尿、唾液、腟分泌物)からのウイルス遺伝子検出はほとんどなかったが、精液での検出頻度は比較的高かった16,18,19)。現時点では、精液以外の回復期の患者検体は感染性がないと考えられる。精液に関する検討では最長発症後101日までウイルス遺伝子が検出されたとの報告があるが、性行為によるウイルス感染伝播については未だ知見が十分ではない。また、死亡したEVD患者の皮膚の真皮には病理組織学的に多量のウイルス抗原の存在、急性期患者の皮膚スワブにはRT-PCRでウイルス遺伝子の存在が示されている16,20)。しかし、急性期のEVD患者との直接的な皮膚接触による感染伝播が患者の皮膚に存在するウイルスによるのか否かはよく判っていない10)。
 ウガンダにおけるEVDアウトブレイクにおいて、患者隔離病棟の環境中の31サンプル(患者病室の床、ベッド枠、使用後の聴診器など)は全てウイルス分離培養、ウイルスRT-PCR検査でウイルス遺伝子が陰性であったことが報告されている15)。従って、エボラウイルスの感染伝播に、病室環境等における媒介物が関与する可能性は考えにくい10)。