日本の医療は世界一

本田整形外科クリニック 本田忠
2008/12/15


日本の医療の特徴は
 日本の医療は(1)国民皆保険(2)現物給付(3)フリーアクセスの3つの優れた特徴を柱に、国際的に見て低額な医療費で、高水準で安心できる医療サービスとなっています。
 現在の国民皆保険制度ができたのは、昭和36年です。この制度ができるまでは、お金がないため医療費が払えず、病院にかかれなかったり、大変な思いをした人がたくさんいました。いつでも、どこでも、だれでも平等な医療を受けられる皆保険の始まりです。国民皆保険制度が始まってから、日本人の健康指標は大きく改善しました。

日本の医療は世界一
 世界保健機構(WHO)が発表しているデータによると、日本の健康寿命は世界一、健康達成度の総合評価も世界一です。しかも、国内総生産(GDP)比の医療費は、米国が世界一高いのに対し、日本は18位と、ずっと低い医療費で、達成しています。これは先進国中の最低です。安い医療費で、これらの優れた成果を達成していることが分かります。

世界の医療の実態
 日本の医療が世界一といっても、それほど実感がないかもしれませんが、医療に関して、日本では当たり前と思っていることが、外国では当たり前ではありません。
 日本では、予防注射の知らせが役所から自動的にきますが、米国ではきません。日本では救急車は無料ですが、多くの国では有料です。医療機関の受診にも種々の制約があります。
 日本では皆保険制度で、だれもが平等に必要な医療が受けられますが、米国では加入している保険の種類(支払っている保険料の多い少ない)で、医療の内容に差がつきます。無保険者は5000万人います。お金がなければ医療は受けられません。
 米国や英国、ドイツ、フランスなどの欧米の先進国に出張しているわが国の企業の駐在員や家族の人たちが、病気になると一時帰国し、日本の病院で手術や治療を受けています。諸外国の医療は大変問題が多いようです。

危ういバランス
 日本の医療保険制度は本来は世界一優れたもので、次世代にも受け継がれるべきものなのです。それはしかし少ないハード(医療機関)とソフト(医師)で、かろうじて支えている実に危ういバランスの上になりたっているものです。


参考文献 日本医師会健康交叉点No56