後発医薬品について

本田整形外科クリニック 本田忠2010/12/25


 後発品とは先発企業の特許(概ね20年)の切れた医薬品(先発品)を、後発企業が製造販売する「ほぼ」同じ成分の薬のことです。「ジェネリック医薬品」ともよばれます。

後発品の情報はオレンジブック総合版ホームページで:日本ジェネリック製薬協会
後発品について品質の再評価情報などがのっています。

現在の普及状況:「後発医薬品使用状況調査」2011年12月8日
1)保険薬局における、後発医薬品の調剤率は、2010年8月で処方せんの45.9%
2)医師による「後発医薬品への変更不可」指定
 後発医薬品への変更が認められない場合のみ「変更不可」欄に医師が署名します。
「署名あり」は33.0%、14.1%は「後発医薬品を銘柄指定している」

患者さんは「値段の安さ」よりも「効果」や「副作用の不安の少なさ」で選択しています。
 後発品は先発品より安いですが、先発品とまったく同じではありません。先発医薬品と、製造工程が違ったり、添加物などの副成分が異なることがあるために、若干「品質に不安」があることや、「安定供給されない」などの問題などがあります。
患者さんへのアンケート(上記調査)によれば、患者さんが希望しなかったために後発医薬品に変更できなかった事例が約4分の1あります。
1)説明を行ったが、患者さんが後発医薬品の使用を希望しなかった
 最も多かった理由は、これまで使っていた薬(ラベルの色や剤形など)を変えることに抵抗があった 28.0%
2)後発医薬品へ変更したが、その後、先発医薬品に変更した患者さんの理由
 「後発医薬品の使用感が合わなかったため」、「効果に疑問があったため」、「体調不良になったため」などが目立ちました。
3)後発医薬品を使用するに当たって重要なこと(図192、複数回答)
 「効果があること」や「副作用の不安が少ないこと」が、「窓口で支払う薬代が安くなること」や「少しでも医療費を節約できる」ことよりも上位になっています。

 先発品か後発品のいずれを選ぶかは、医師のだす処方せんで特に「変更不可」としない限りは、「患者さんご自身の選択」に委せています。かかりつけの医師や薬剤師と相談して賢い選択をなさってください。




参考
オレンジブック総合版
http://www.jp-orangebook.gr.jp/
後発医薬品
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E7%99%BA%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81
効能効果、用法用量等に違いのある後発医薬品リスト平成22年12月24日現在
日本ジェネリック製薬協会調べ
http://www.jga.gr.jp/pdf/Effect%20correction%20list.pdf
平成22 年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成22 年度調査)
後発医薬品の使用状況調査 結果概要(速報)(平成22年12月8日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xzin.html