研修医制度について



本田整形外科クリニック 本田忠 2011年12月6日



1)地域全体で研修する
 一つの病院のみで完結することなく、中小病院や僻地診療所、施設など、希望により地域内の様々な形態の施設を回る。一つの病院での研修はたかが知れてい る。医療の機能を理解するために地域の医療の実態を把握できるようにする。
2)「医育機能」と「派遣業」が一体化していないと人材派遣業は機能し ない。  
 研修後、地域内の病院等に医師を「適正に配置する」必要があります。そのためには「医局の人材派遣機能」を有効にする必要があるでしょう。細かい規制を かけることなく、研修後はなるべく大学に医師が集まるようにするためのインセンティブをつけるだけでよいのかもしれません。
 研修医制度は「医育の質」だけ考え、医局のもつ「人材派遣機能」を一切無視していた。研修後大学へ戻るシステムになっていない。これでは地域の医師の偏 在を防ぐことはできない。結果として偏在により地域の病院が医師不足となった。医局のように「医育機能」と「派遣業」が一体化していないと人材派遣業は有効にならないと思われます。医育を考慮しない、適正配置のみを考えた医師テラスはまず機能しない。
日本医師会の提案
 研修医制度は百家争鳴です。まとまりづらいので議論のたたき台としてよいかと思います。いずれにしろ、強制や規制ではなく、できる限り自然なインセン ティブで行う必要があると思います。
研修システム
1.医師研修機構
都道府県ごとに「医師研修機構」を設置する。
 各都道府県の「医師研修機構」を束ねる「全国医師研修機構連絡協議会」を設置する。都道府県ごとの臨床研修医募集定員数を設定する。
2.臨床研修センター
各大学に「臨床研修センター」を設置する。
研修修希望者は、原則として出身大学の「臨床研修センター」に登録し、研修先についての希望を提出する。研修希望先の地域は問わない。







参考
医師養成についての日本医師会の提案−医学部教育と臨床研修制度の見直し−(第2版)
2011年4月20日社団法人 日本医師会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wrcw-att/2r9852000001wrlr.pdf