一部負担金について

本田整形外科クリニック本田忠 2011/1/4


医療費の内訳
 平成20年度の国民医療費は34兆8084億円で、病院で50.2%、診療所で24.4%。歯科で7.4%、薬局で15.5%使用しています。その内訳は人件費が48.1%。薬代が21.9%。材料費が6.2%。その他光熱費など諸経費です。医療費の半分は病院で使われかつ人件費です。赤字である公的病院の合理化は公務員給料をどうするかという問題です。ちなみに医師の給料は人件費の10%以下です。
点数制度
 診療報酬は、公定価格である診療報酬点数表により、個々の医療行為ごとに、1点単価10円で計算されます。個々の点数は物価や医業経営実態調査を参考に2年毎に改定されます。
具体的な点数
 初診料は外来で初回の診療時に算定する点数で、1回につき270点。再診料は二回目以降の診療時に一回毎に算定する点数で69点です。いずれも簡単な検査、処置等の費用が含まれています。その他、検査料、薬剤料と加算され、保険医療機関は、その合計額から患者さんの一部負担分を差し引いた額を審査支払機関から受け取ることになります。再診だけであれば690円ですから、床屋さんへかかった金額より安い設定です。
査定
 医療機関から請求しても、そのまま認められるわけではありません。審査支払基金で認められないものは支払われません。近年査定は厳しいことになっています。
一部負担金は3割が限度
 一部負担金が4割を越せば、受診抑制も起こり、公的保険の意味合いはなくなります。また良くある誤解ですが、窓口で支払う一部負担金が上がっても、医療機関の収入が増えるわけではなく、国の補助金である公費が減るだけです。医療機関の収入の増減はあくまで全体の改定率で決まります。ここ10年は経済情勢により、マイナス改定でした。1年前にやっとプラス改定となりました。医療費抑制政策により、かなり厳しい経営状態となっています。






我が国の医療保険制度について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken01/01.html