診察のうけかた
はじめに
初めての病院では、皆さん緊張なさるでしょう。何よりもなんといわれるか、また、こんなことをいったら、おこられるんじゃないか。いろいろな心配事があると思います。基本的には、なんでも気楽に相談することですが いろんな事があります。私のクリニックに限らず、病院での基本的なルールをまとめました。
目 次
外来
リハビリテーション
運動療法の注意:やりすぎは禁物
受診回数 :どれくらいの間隔でくればよいか
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医師への症状の伝えかた
5W1Hをはっきりとすることです。お医者さんがイライラするのは、当然そのお医者さんが悪いのですが、しかしその原因の半分は患者さんにもあるのです。あまりにも要領の得ない、症状のつたえかたをされると、こちらも、困ることがあります。
▼悪い例
「どうなさいましたか」
「腰が痛いんです。朝が起きるときに痛くて、薬を他の病院で、もらったんですがなおらなくて、」そのあといかに痛いか、細かく説明する。
「痛いのはいつからですか」
「ずっと前からです」
「具体的にどうぞ。」
[ずっと前からです]「*****」
「何か思い当たることはありますか」
「特別ありません」
「仕事はなんですか。前の日は日曜でしたね」
誘導尋問するとやっと思い当たることをいってくれる。
「下肢は痺れますか」
[足はそんなではないんですが、腰が痛くて痛くて」
聞いたことと違うことを、さきほどと同じ事を伝えようとする。大事なことは「いつから、」痛くなったか、またその原因として、「思い当たることが あるかどうか」です。質問に、いかに正確に要領良く答えられるか、貴方にとって大事なことは、医者にとって無駄な情報でもありえます。貴方が言い忘れたことは、こちらにとって、必要な情報であるかもしれません。難しいですね
▼善い例
「どうしましたか」
「腰が3月ころから痛いんです。すこし重いものをもった気がするんですが」
「下肢の痺れはありますか」
「ありません」
これで腰痛に関する、こちらの必要とする、情報は得られました。たった2つの会話で終わりです。腰ならあとは職業もあります。すわる職業なら、それは要因になり得ます。悪い例は、標準的な物で、患者さんの9割はこんな感じです。それほど悪くはないんですが、要するにこちらが必要とする情報を得るのに,会話が数センテンス以上必要で、無駄が多いということです。いつから痛いのかと聞いた場合に「ずっと前から」では困るのです。発症の原因と期間で,医師の考え方や治療法が大きく変わります。いかに無駄な修飾をとって、大事な事をつたえられるか。難しいのですが、要領のよい、賢い患者さんになって、うまく病院を利用してください
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はじめての診察時の注意
最初の診察時は、下記の注意を守ってください。脱衣かごの中に、患者着と、胸当て用の前かけを用意しています。患者着は、後ろ開きです。前と後ろを間違わないで下さい。また診察時、四肢は必ず左右を比較します。
くびが痛いとき
くびが痛いときは、うでを肩まで出さなくてはいけません。上半身は、原則として裸になっていただきますが、胸を出したくない方は、前かけをつけてから、患者着をきてください。肩が出る下着なら、つけたままで構いません。必要に応じて、下肢も診察する場合があります。
かたが痛いとき
肩が痛いとき、左右を比べますので、上半身裸になります。胸を出したくない方は前かけをつけてから、患者着をきてください。肩が出る下着はつけたままで構いません。
ひじが痛いとき
肩まで両腕をだしてください。でないときは患者着をきてください。
手首が痛いとき
肘上までは両手を出してください。衣服の関係でどうしても出せない方は、患者着をきてください
背中が痛いとき
くびも必ず同時に診察します。原則として、上半身は裸になっていただきます。胸を出したくない方は、患者着をきてください
胸が痛いとき
上半身は原則として裸になっていただきます。胸を出したくない方は、前かけをつけてから、患者着を反対に前びらきで、きてください
腰が痛いとき
こしが痛いときは、必ず、両方の股関節以下も診察します。従って靴下をぬぎ、下着だけになっていただきます。下着を出したくない方は、患者着をきてください。上半身は裸になる必要はありません。腰が出せるようなっていれば構いません
股関節が痛いとき
またが痛いときは、必ず、両方とも診察します。従って靴下をぬぎ、下着だけになっていただきます。下着を出したくない方は、患者着をきてください。
膝関節が痛いとき
ひざが痛いときは、必ず、両膝とも診察します。従って靴下をぬぎ、下着だけになっていただきます。下着を出したくない方は、患者着をきてください。
足関節が痛いとき
あしくびが痛いときは、必ず両方のひざうえまで、だしてください。出せないときは、患者着をきてください
足が痛いとき
足が痛いときは、靴下をぬぐ程度で結構です。
保険証関係
Q「保険証を忘れたのですが見ていただけますか」
A「差し支えありません。ただ、とりあえず自費でお願いします」
Q「保険証をコピーで持ってきたのですが」
A「さしつかえありません」
ただしあとで、本物をもってきてください
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受診回数
Q「次にいつくればよいのですか」
A:傷がないとき:薬がなくなったとき。
ただ薬があっても、のんでも効果なく徐々に痛みが増強するとか、なんらかの症状の悪化があるときは早めに来てください。
傷があるとき:1日おき。ガーゼ交換が必要です。休みがあるときは前日にも来てください。傷がなおれば(標準で2週程度)、そのあとは薬がなくなったとき
労災患者 :労災の場合は、最低1回/2週以上は受診しないといけません。それ以下だと、基準局から打ち切られる恐れがあります。
受診期間
Q「いつまで通えばよいのですか」
A「原則として症状がなくなるまで」
外傷や腰痛や肩関節痛等、痛みの場合は、症状がなくなれば、特に医師の指示がない限り、通院する必要はありません。交通事故や労災などで、受診した場合は、必ず、あとで保険会社や監督署から、書類が回ってきます。その時に勝手に止められると、書類作成上、困ることがあります。最後の受診のときに、何らかの意志表示が必要です。もうよくなったから終わりにしたいとか。
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診察時間について
Q「子供を学校へいかせる前に見ていただきたいのですが」
A「考慮します。ご相談下さい」
朝早くでも、なんとか都合して、診察します。ただ予定があるので、ご相談下さい。
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診療予約について
Q「こんで困るので、予約をしたいのですが」
A「1週間以内まで受け付けます」
診療予約は、受付で再来時のみ診療時間内だけ受け付けます。電話は不可です。期間は1週間後までです。1時間単位で申し込みください。予約時間の10分前までにおいで下さい。たとえば、来週の金曜日10時に予約したなら、9時50分前までにおいで下さい。受付で「予約しています」と、必ずお伝えください。遅れた場合は、1時間程度遅れることがあります。
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往診について
Q「自宅まで来て、診察して欲しいのですが」
A「応じます。ご相談下さい」
どうしても、患者さんをつれてこれないときは、往診を行ないます。ただ御存知のごとく、自宅にいったのでは、なにも、診察道具がありません。せいぜい血圧計と、聴診器程度です。不十分な診断、治療になります。できれば初回だけはクリニックにつれてきて欲しいのですが。ある程度調べて、正確な診断がつけば、2回目以降は、状態が変らなければ、いつでも往診に応じます。
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訪問看護について
Q「本人をつれてこれないので、定期的に自宅に往診して欲しいのですが」
A「応じます。ご相談下さい」
どうしても、通院できないときは、訪問看護とリハビリを行ないます。その場合は曜日を決めて、定期的に看護婦さんか理学療法士がみまわり、ときどき医師が診察をするということになります。ただし、初回だけはクリニックにつれてきてください。2回目以降は、状態が変らなければ、よいと思います。
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急病について
Q「診療時間外ですけれど、見ていただけますか」
A「応じます。電話でご相談下さい」
急病のときは、どうぞご連絡下さい。ただし、会合等で、医師不在のときは、申し訳ありませんが諦めてください。
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診断書について
Q「診断書をだしましたが、いつできますか」
A「警察へ出す診断書など、簡単な診断書は、すぐ書きます。保険などの診断書は2ー3日かかります」
診断書は医師に出さず、受付で提出してください。診断書が出来あがるまでの期間は、簡単なものはすぐできますが、すこし複雑になれば、2ー3日かかります。医師が不在等のときは、1週程度かかることもあります。ご容赦下さい。担当の事務とよく確認してください。
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転院について
Q「病院を変りたいので、紹介状をお願いしたいのですが」
A「いつでもどうぞ」
御遠慮なくお申し出ください。医師に直接いいづらければ、あらかじめ受付で申し出てください。
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整骨院について
Q「骨接ぎにいきたいので、施術同意書に書いて欲しいのですが」
A「残念ながら、当クリニックでは医師以外には紹介状や同意書は書いていません」
当クリニックでは、専門家のいないところへは、紹介状は書かないことにしています。整形外科疾患は当クリニックが専門医ですので、信頼できる各病気の専門医師のいる医療機関へなら、いくらでも紹介状はかきますが、医師以外への紹介状や、施術同意書への、署名は御遠慮させて下さい。
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血圧について
血圧は自分で自由にはかれます
測定法
1)左腕に緑のマークがくるように巻きます
2)電源の緑のボタンを押します
3)すこし待ってハートマークがでたら加圧ボタンを押します
4)測定値が出るまでじっとしていてください
5)測定値が出たら、終了です。
結果
安静時に最高血圧が150以上 最低血圧が90以上なら要注意です。おかしいときは内科のかかりつけ医にご相談ください
包帯交換について
傷がある場合は、なおるまできちんと1日おきに包帯交換にこてください。2日以上開けることは好ましくありません。また風呂等はぬらさなければ、はいってもかまいません。ただ誤ってぬれることを考慮すれば、受診する直前に入浴することをお勧めします。包帯交換直前6時間以内ぐらいなら、そう心配は要りません。
運動療法の注意
Q「運動がよいといったので、一生懸命やったら、かえって痛くなりました」
A「やりすぎです。ほどほどにしてください」
どんな病気でも、急性期から慢性期になって治癒するわけです。治療の原則は急性期は安静が大切です。慢性期になれば、温めたり、運動が大切です。しかし、病気は実際は、直線的になおっていくわけではありません。最初かなり痛かったのが(急性期)、すこし良くなったからといって(慢性期にはいった)、ちょっと無理すれば、すぐ悪くなります。これを慢性期の急性憎悪といいます。このようなときは、急性期と同じく安静が大切です。慢性期の運動療法は、自分の体力にあわせて、やれる運動だけをすこしずつ、毎日行なうことが大切です。体力がついてくれば、運動の強さをすこしずつ増していくことです。筋肉を鍛えるには、とにかく気長に毎日やることが最も大切です。
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理学療法の受診回数
Q「電気をかけにどれくらいの間隔でくればよいのですか。」
A「症状が重いときは毎日か週に3ー4回。症状が軽くなってきたら1ー2回/週」
痛いときは、電気をかけて、楽になるなら、出来るだけ頻回に来てください。すこし楽になったら、数は減らしていけばよいでしょう。筋肉増強訓練は、本来は毎日行なうものです。体を鍛えるというのは、体調と相談しながら、毎日すこしずつ行なうのがベストです。ただ仕事が忙しいとか、通うのが大変ということがあります。なにも病院で行なうのだけが、リハビリではありません。要は弱っている部分の筋肉を鍛えることです。やり方さえ覚えれば、自宅でも出来るはずです。
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