院内OA化について

目標
OA化の最終目標は、合理的な経営です。いかにして自分の診療所の経営を、明確にシ

ステム化できるか。毎月の患者の動向、診療内容の変化が、ダイナミックに把握できるように
自分の経営者としてのトレーニングになるように。毎月、一度、深夜に点数早見表と、処置料とか、手術料

とか、レセコンデータと、在庫データを、まとめてレポートにして、計時的にグラフでつきあわせると、いろい

ろ見えてきます。対策もたてやすくなります。

院内にはどういうデータが有るか
医業経営に必要なデータといえば
1)経営分析:各種統計、マーケットリサーチ(患者数動向、地区別)
2)各種帳票 日誌 新患簿、レントゲン台帳、リハ台帳、検査台帳、
手術簿
3)在庫管理 値引き表、月次在庫(薬、消耗品)
4)給料計算
5)保険点数早見表:自分で作ると、点数表が精読できました。
6)院内仕事マニュアル(消毒、処置、接遇、取り決め)
全ての仕事はマニュアル化する。婦長がいなくても、新人でも
マニュアルを見れば、仕事はまちがいなく出来るようにする。
7)経理

分析に必要ソフト
全て、表計算のみでは行なうのは少しつらいようです
使用ソフトは
1)データベース、
2)専門ソフト:経理、給料
3)表計算
が3種の神器でしょうか。
ワープロは自然にこれらをやれば覚えます。この順番に覚えれば
よいと思います
いずれにしても、実務に精通した方がやらないと*****
考え方は要は最初に仕事があって、 その仕事はどのプログラムで

楽に作れるか(ミニ・マックス)
それははたして便利なものか。
今までの馴れた方法よりよいか
実際スタッフが使ってくれるか(入力はスタッフですから)
それをどのように組み合せるかでしょうか(入力の手間を省く)
いずれにしても、今回、院内データをデジタル化しようとして
全てやってみて、有利だと思ったのは、レセコンにほとんど全ての
売り上げデータが入っているのです。これは一般店舗に比べて、非常
に楽です。データが初めからデジタル化されているので、OA化しや
すい分野だと思いました。

 レセコンについて

 機種選定はやはり、最初はその地区でシエアの大きいものにすべきです。
事務がベテランなら遊んでみるのもよいと思います
パソコンへの入力データを、レセコンから吸い上げられればもっと楽で
しょうが、レセコンの融通の聞かなさにも参りました。高いし
現在のメーカーの値段設定は不当です
エンドユーザーたる医者はもっとメーカーへ要求すべきです
事務が使用して、医者が直接タッチしないのが、まだまだサイレントな
理由でしょうが、出力帳票は、あまり経営に役立つような分類はされて
いません。
医師会でも、もっと生活に密着した、レセコンを取り上げるべきです

使いこなすコツ
大原則:使いこなすかどうかは、コンピューターの前に坐る時間に比例
する
1)ワンマシン・ワンジョブ
仕事上では、利用頻度高ければ、これがよい。
2)マニュアルを読む
人にきく前に、マニュアルを読む
マニュアルは辞書。
最初、通読する。用語を覚えるのみ
仕事に取り掛かったら、必要な部分のみ読む
3)定期的にバージョンアップする
ハードはソフトにあわせる。
ソフトが遅くなったらあきらめる
大体5年がメド
4)部内で専門家を養成する。思い切って、専門部署を作る

購入のコツ
1)メーカー
アフターケアを考えたら、専門メーカーが無難
自信がある方はどれでもよい
2)ソフトで考える
業務上使いたいソフトを相談。それからハードを選ぶ
ハードは売れ筋がよい。売れていないハードは信頼性低い。
現在はPC、MAC、IBMコンパチ
2)ソフト
多種多様あり、選ぶのは困難である。
同一業種の人から情報を集める
メーカーにきく。できれば、さわってから選ぶ。
最新のソフトにこだわる必要はない
使い込んだソフトが一番よい。
同じメーカーでそろえるとよい。データのやり取りが楽なように
他メーカーでも、データのやり取りが出来るかどうか確認
3)汎用ソフト
部内に詳しい若い人がいたら、汎用ソフトが一番応用がきく
部内でソフトを作るのが一番よい。外注は高くつく
人材がいなければ、外注する。その場合は、要求を明確に
あいまいな、要求は不可。仕事をパソコンにあわせるのも
必要 細部にこだわると失敗する。

管理
仕事の効率を追求する
徹底的に無駄を省く
1)部内の全ての仕事のマニュアル化
全ての仕事手順は、同一器械でデジタル化する。
ワープロは不可。単なる清書器械はいらない
2)データベースの活用
会社内の全てのデータはデータベース化する。
例:消耗品のデータベース化
顧客管理
経理
給料計算
人事管理
在庫管理
見積書発行
住所録
経営分析
3)LANの構築
仕事の効率を追求する。

当院の利用法
ハード:
1)レセプトコンピューター:東芝、 医院会計点数計算システム
2)PC9821XP(486、100MHZ)
配置:院長室。
 3)ノートパソコン(pentnium 75mhz):事務
完全LANは検討したが使用頻度少ない
ノートパソコンが機動性でベスト
   デスクトップとコードでつないで使うのが最も簡単
   たいしたデータ量ではないので、1回/週程度行う。
ソフト:WINDOWで統一。
使用ソフト:ACCESS:データベースソフト マイクロソフト
EXCEL:スプレッドシート
editor:ワープロ
μ-COSMOS:データベースソフト
フリーランス:プレゼンテーションソフト
MS office:予定管理ソフト
弥生会計:会計ソフト
利用状況
日常発生する全てのデータはデジタル化される
院内の全ての物品はデータベース化されている
経営はプレゼンテーションを重視、できるだけグラフ化する
開業当初は私がaccessで凝った画面にしたんですが、今回のver-up
でエラーがでたのと、作り直すのが面倒で、簡単に変更できる、
excelで入力は統一しました。バージョンアップが関門です
 パソコンを扱える職員が育ってきたのも大きい。
データはどれにでも落ちるので、入力は簡単な方がよいと
思いました。
最近はトラブルは職員どうしで解消しています
呼ばれることは減りました
1)日報:ACCESSで作成。事務が入力。
 これは最近excelに変えました
 一人、職員ができるようになったので、作らせました
 ソフトのバージョンアップのたびに、つくるのが面倒になり
 私が訓練した職員が扱えるexcelで統一しました。
2)新患簿:ACCESSで作成。事務が入力
 これもexcelに変更
3)リハ簿:ACCESSで作成。リハが入力
 これもexcelに変更
4)在庫管理:月次在庫
消耗品:EXCEL:婦長が行なう。業者別値引き表つき。
購入は半月在庫分 管理は婦長
薬剤:EXCEL:看護婦が行なう。業者別値引き表つき。
購入は半月在庫分 管理は入力看護婦
5)給料計算
EXCELで作成 院長が行なう
6)経理:簡易帳簿:EXCELで作成:院長が入力
細かい帳簿:弥生会計:事務と院長が入力
最初は弥生会計だけだったが、細かすぎて、流れが
見えないので簡易帳簿を作った(毎月の収入と固定
支出のみ、記載)。これはよかった
7)点数早見表:EXCELで院長が作成。全ての職員がもつ。
ながめながら診療を行なう。
9)レセプト:東芝。院長は触らない。
毎月地域別、年齢別リスト。診療報酬区分をだす
ときどき、薬品別リストを出す。
10)経営分析
レセプトデータをEXCELにうちこみ、患者数、年齢別、
地域別集計や、経営分析を行なう
グラフ化し、スタッフと1回/月分析する。
11)その他、専門分野
1)文献データベース:整形外科専門論文のデータベース。
1万件
2)CAD:側弯症集団健診ソフト
3)CAE:有限要素法:股関節の力学計算。
4)CAM:人工関節のデザイン
5)統計:100種類出来る。論文作成、基礎統計、多変量解析
6)プレゼンテーション:デジタルカメラ、発表スライド作成
7)薬剤データベース:適応、使用法
8)院内物品データベース
9)市内3病院雑誌データベース
10)県内病院電話番号データベース
11)パソコン通信
NIFTY
医師会データベース
COMPUーSERVE :米国データベース:文献検索
利用法x 1)企業の信用調査
2)健康相談
3)開業医の経営相談
4)医師会連絡、紹介状電子メール

最後に
 電子カルテ:
 メリットはいろいろあるが、見てきた印象では、クラークを導入
して、処方だけだとなんとかなりそうだが、当院のように午前中
だけで100人を越すようなところでは時間的に無理。
 理由
  1)現時点では、かく方が早い。
  2)ハードが練れていないので、コストパーフオーマンスに欠ける
   従って趣味の世界である
2)電子カルテは厚生省で認められた。平成11年5月。

いよいよ本格的に始まる、当分は目を離せない

3)LAN(イントラネット)

win-NTによるLANを院内に導入した。平成11年4月。LANにより、データの重複を防止して、

各職員にe-mailアドレスを与えた。院内の全ての部門でホームページを作成。院内新聞や

患者教育に役立てる。連絡事項を管理する。

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