褥創の治療について
保存的治療
1)全身
高蛋白高栄養食。
プロスタグランヂンE1静注
(5%GL500CC+40μg)2h/本 2回/日 2ー4週
2)局所療法
基本通り行う。
体位変換、皮膚の乾燥清潔(アルコール)、日光浴、
マッサージ(マッサージクリーム、アルコール)、
エアーマット、水ベット、レストンフオーム、
シリコンフオーム(シリカゲル)、
軟膏類(イソジンシュガーゲル)
なんでもよいと思う。好み。熱意だけあればよい
観血的治療
表皮剥離程度なら上記で。手術療法は下掘れが出来たらおこなう
ぎりぎりまで保存的治療で行う。できれば20Cm径迄にする。
それ以上なら島状植皮など考える
手術準備
1)壊死物質の除去
1)メスでの切除(出血は圧迫すれば止まる。だめなら電気メス止血)
やりすぎは禁物。ほどほどに
2)ウエットドレッシング
褥創部に生食ガーゼ(必要なら定期的に抗生物質感受性チエック。
抗生物質入)をきっちり埋める。うえは乾ガーゼでおおう。2ー3
回/日交換する。
この2つを組み合せ、繰返し施行、下方に肉芽が盛り上がってきたら
手術となる。ここまでは十分に時間をかける
2)体位変換訓練を行う。
創治癒まで約3週は仰臥位禁となる。術前に十分な訓練を。
妥協はしない。どうしてもだめなら回転ベットを使用する。
これが最も大切。これがきちんとできなければ手術は施行されない。
3)手術になるので低栄養状態なら栄養状態の改善(IVHなど)
4)手術は知覚なければ局麻、だめなら腰麻、硬膜外で行う。
手術
まず常に最も簡単な縫縮ができるかどうか、検討する。
しかし、少しでも緊張あれば十分に周囲を剥離する。
褥創を作るような患者は2−3回できることが多い。
次の手が打てるように考えることも大切。
その意味でも縫縮がベスト。なによりも簡単
脊損で5−6回目で、使える皮弁がなく悩むことあり。
こういう患者はADLから考え直さないと、手術しない方がよい
1)坐骨
坐骨切除+縫縮がベスト
大臀筋皮弁
薄筋皮弁
大腿筋膜張筋皮弁(外側大腿回旋動脈)
ハムストリング皮弁
2)大転子部
大転子切除+縫縮がベスト
大臀筋皮弁(GLUTEAL THIGH FLAP)
縫工筋
大腿直筋皮弁
大腿筋膜張筋
3)仙骨部
仙骨部切除+縫縮がベスト
大臀筋皮弁(上臀下臀動脈)180度回転がよい
POSTERIOR THIGH FLAP
4)踵骨部褥創
踵骨切除+縫縮がベスト
母趾外転筋皮弁
術後のケア
空気マット 水ベットなどを使用
最低3週間は完全除圧
各論
大腿筋膜張筋フラップ
上前腸骨棘ー大転子前ー脛骨外側顆
外側大腿回旋動脈:上前腸骨棘約7ー10Cm下からでる
大腿筋膜上を下がる
末梢より筋膜をつけながら剥離して行く
血管は筋膜ー筋肉移行部やや中枢にある
血管は皮弁内側で大腿直筋のした外側広筋の上にある。
みつからなければ外側を大きく切って大腿筋膜と張筋を反転する。
臀部大臀筋皮弁
坐骨結節ー大転子内側1/3
下臀動脈は坐骨結節ー上後腸骨棘中点やや外側
本田整形外科クリニック
本田忠
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